ニュースリリース

“天然ゴム供給源の多様化へ”

天然ゴム資源「グアユール」の研究活動を開始

~タイヤ事業のサステナビリティーを拡大~

2012年3月8日
No.33

 株式会社ブリヂストン(社長 荒川詔四)は、当社グループとしてタイヤの主要原料の中で大きなウェイトを占めるパラゴムノキ由来の天然ゴムに代わるあらたな天然ゴム資源を探っておりますが、その1つとして、「グアユール」に関する研究開発活動を、Bridgestone Americas Tire Operationsが米国南西部において開始します。

 世界の自動車保有台数の増加に伴い、タイヤ需要の拡大が見込まれる中、持続可能な社会を構築するために、資源の循環利用や再生可能資源の利用拡大に寄与する技術やビジネスモデルの開発を推進していくことが、当社グループの責務であると考えています。

 今回、当社グループの取り組みでは、サプライチェーンの主要部分である農学と加工プロセスの双方を検討し、競争力に優れたタイヤ用天然ゴムの製造を目指して、「グアユール」の品種改良や栽培技術、天然ゴム加工のプロセス条件において最適化を行います。また、当社グループには1980年代から1991年にかけて「グアユール」のバイオマスから、タイヤ用ゴムを回収するアメリカの国家プロジェクトで、天然ゴム加工プロセス開発やタイヤ実証を担った経験があり、この経験も活かしてまいります。
 この研究開発は、2012年にあらたに設置する試験農場と2014年に本格稼働を目指す加工技術研究施設において専任チームがおこない、2015年までに試験生産を開始する予定です。

 「グアユール」由来の天然ゴムは在来の天然ゴムと同様、植物がうみだすバイオマテリアルですが、グアユールは従来のパラゴムノキとは全く異なる土地で栽培されます。実用化が可能になれば原材料供給源の多様化につながり、現在の天然ゴム産出地域への一極集中の緩和につながると共に、米国大陸での地域生産地域消費によるメリット等も期待されます。

 当社グループは、「グアユール」を始めとした様々なバイオマテリアルの研究開発を通じて、地球上の資源を有効に活用し、リデュース、リユース、リサイクルを進めることを前提としながら、あらたに投入する資源はサステナブルであるべきと考え、タイヤの原料を100%サステナブルマテリアル化することを目指していきます。その内容につきましては資源循環技術搭載のプロトタイプタイヤなど順次発表し、当社グループの取り組みを紹介してまいります。

※「グアユール」とは、米国南西部からメキシコ北部の乾燥地帯が原産の低木で、その幹部などに天然ゴムを含んでいる植物です。

グアユールの写真 その1
グアユールの写真 その2
「グアユール」の写真


■2006年11月「中期経営に関する基本的な考え方」発表後の主な対外発表の位置付け
2010年以前の対外発表は除いています。
最終目標:タイヤ会社・ゴム会社として「名実共に世界一の地位の確立」を目指す

経営の基本方針:
1. 「更に上」を常に目指して、全ての製品・サービスで世界最高を目指す
基本戦略
(発表年 月 日)       主な対外発表
(1)戦略商品群への
積極的なリソース
投入
1. タイヤ
戦略商品
2011.01.24  『BATTLAX RACING R10』新発売
2011.02.14  『BATTLAX BT-601SS Wet(YEK)』新発売
2011.06.17  市販用ランフラットタイヤ『POTENZA S001 RFT』新発売
2011.08.08  中国・無錫工場で乗用車用ラジアルタイヤの生産能力を増強
2011.08.08  中国・天津工場で乗用車用ラジアルタイヤの生産能力を増強
2012.02.17  大型スクーター用タイヤ『BATTLAX SC』新発売
2. 環境対応
商品・事業
2011.04.01  「REGNO GR-XT」30サイズ追加発売
3. 多角化事業 2011.03.07  ポーランドに太陽電池用接着フィルムの生産を決定
2011.06.01  中国・常州で油圧ホースの生産開始を決定
2011.08.26  口径5インチの高品質SiCウエハの開発に成功
2011.09.14  中国・武漢に自動車シート用ウレタンフォーム工場を建設
(2)基礎戦闘力の向上
(材料技術・生産技術)
2012.03.08   天然ゴム資源「グアユール」の研究活動を開始
(3)総合的企業活動の強化
2011.02.17  「B・フォレスト エコピアの森 防府」プロジェクト開始
2011.02.24  インドネシアで天然ゴムの共同研究推進に基本合意
2011.02.28  「第20回地球環境大賞」経済産業大臣賞を受賞
2011.04.01  第8回ブリヂストンこどもエコ絵画コンクール受賞作品を発表
2011.04.21  環境省より「エコ・ファースト企業」に認定
2011.05.11  彦根工場にビオトープを設置
2011.05.13  「B・フォレスト エコピアの森」プロジェクトの活動を拡大
2011.05.18  「B・フォレスト エコピアの森 彦根」プロジェクト開始
2011.05.20  ブリヂストングループ「環境宣言」をリファイン
2011.05.20  資源循環に関する取り組み姿勢を策定
2011.06.16  「ブリヂストン森林教室inエコピアの森」開催
2011.11.17  先進的な排水管理手法で工場排水の環境影響を評価
2. 長期戦略を明確化し、事業領域の統合・拡大を推進する
 
3. 戦略的事業ユニット(SBU)制で真のグローバル企業を目指す
  2011.04.04  モロッコにタイヤ販売会社を設立、営業を開始
4. 「中期経営計画」を核に、全体最適のグループ経営を目指す
 

one team, one planet ブリヂストンが世界共通の環境メッセージとして掲げた「One Team, One Planet」。
その意志は、グローバルに展開する一企業として、またその枠をこえてあらゆる人々と、地球のために、ひとつになること。
未来のすべての子どもたちが「安心」して暮らしていくために。

eco-Activities ブリヂストンが推進する環境経営活動を表すマーク
Ecologyの頭文字「e」を環境活動の土台として位置付け、そこから生まれた活動の成果 (芽) を「澄み切った空」や「生い茂る木々」としてシンボライズしています。


本件に関するお問い合わせ先
<報道関係>広報第2課 TEL:03-3563-6811
<お客様>お客様相談室 TEL:0120-39-2936
 
以上