Environment(環境)

環境マネジメント

グローバル統一環境マネジメントシステム(TEAMS)

ブリヂストングループでは、環境活動を支える基盤として、グローバル統一環境マネジメントシステム「TEAMS(Total Environmental Advanced Management System)」を運用しています。TEAMSは環境マネジメントシステム(EMS)に以下の2つの要素を追加して発展させたものです。

Total:当社グループの全事業ユニット、各拠点の全機能、全従業員が参加
Advanced:積極的な情報開示を行い、先進的でトップレベルの活動を推進

ブリヂストングループでは、TEAMSのもと、各SBU、事業所においてISO14001に代表されるEMSを構築、導入し、グループ・グローバル、戦略的事業ユニット(SBU)、事業所の3つの階層でそれぞれPDCAサイクルを回し、環境活動を推進しています。

TEAMSの活動を支える基盤として、グローバルで共通の情報システムの整備、強化を推進しており、各SBUの環境活動や環境関連データなどは、ブリヂストングループのPDCAサイクルの中で共有され、改善のために活用されています。

さらに、SBUや事業所で徹底した環境マネジメントを行うために、「仕組みづくり」「人づくり」の観点から様々な取り組みを強化しています。

例えば「仕組みづくり」においては、2013年以降、物流拠点や小売店を含む全ての非生産拠点で環境セルフアセスメント(自己体質診断)を実施し、各拠点の環境マネジメント体質のレベルを3段階(I、II、III)で評価しています。評価結果をもとにPDCAサイクルを回してさらなる改善に努めています。

また「人づくり」においては、グループ全体の環境教育体制の充実化に向けて、環境担当者の研修を実施しています。この研修では、環境担当者の能力を高め、地域の連携を強化することを目的に、現場演習や参加者間のディスカッションを行っています。

環境監査

ブリヂストングループの環境マネジメントシステム「TEAMS」の運用にあたっては、システム監査(主に仕組みの監査)、パフォーマンス監査(主にデータ結果の監査)を体系的に実施し、環境監査体制の充実を図っています。
ブリヂストングループでは、ISO14001に基づく内部監査を実施しており、外部審査も受審しています。さらに、計画的に内部環境監査員の育成を行っています。

環境マネジメントシステム規格ISO14001 認証取得

ブリヂストングループでは、50人以上の従業員が働く全ての生産拠点を対象として、ISO14001環境マネジメントシステム認証の取得を義務付けています。ISO14001認証の取得を通じて、事業の環境への影響を最小化し、関連する環境法令の遵守に継続的に取り組む仕組みを整備しており、2020年末時点で取得対象の153生産拠点の内、150の拠点(98.0%)がISO14001認証を取得しています。

ブリヂストングループISO14001認証取得状況

ISO14001認証を取得した拠点の割合については、第三者機関であるロイド レジスター クオリティ アシュアランス リミテッドの検証を受け、情報の正確性及び透明性の確保に努めています。

ISO50001認証取得については、「モノづくりの過程におけるCO2排出量削減」をご覧ください。

グローバル環境マネジメント体制

ブリヂストングループでは、中期経営計画に沿ってTEAMSの活動を強化するために、グローバルサステナビリティコミッティとグローバル環境ワーキンググループ(WG)、戦略的事業ユニット(SBU)の3つの組織が調整・協力していく体制をとっています。グループ全体の環境戦略や方針は、グローバル経営執行会議(Global EXCO)の監督のもと、グローバル環境WGとグローバルサステナビリティコミッティが策定します。承認された戦略や方針は、各SBUが環境マネジメントシステム(EMS)を通して実践します。

グローバル環境WGは、各地域の環境部門の代表者で構成され、グループ全体の環境活動と地域の環境活動の連携を深める役割を果たします。

グローバル環境マネジメント体制(2021年7月時点)

環境教育体制

海外工場の環境担当者の研修の様子

ブリヂストンでは、環境教育について、「一般教育」と「専門教育」に分類し、役職や担当業務に応じて実施しています。
一般教育では、ブリヂストングループの環境活動について理解を促すほか、環境活動のリーダーとなる人材の育成を図っています。専門教育では、専門的に環境活動に携わる従業員を対象に、新任環境担当者研修や内部環境監査員研修などを実施しています。各研修ではアンケートを実施し、「環境教育体制の充実」に向けて、研修内容の継続的な改善を図っています。

工場生産認定システム

ブリヂストングループでは、工場や生産ラインの新設に際して、環境リスクの早期抽出、リスクの最小化を目的とし、ISO14001認証に準じた独自の工場生産認定システムを導入しています。

これは工場の新設に際して、環境計画の策定や、工場や生産ラインの新設時における初期環境調査の実施、環境方針の策定、法令遵守の徹底、環境関連の教育訓練について、4段階で環境マネジメント体制を監査し認定するシステムです。

工場生産認定システム

トルコのタイヤ工場での生産認定調査実施の様子

環境リスク管理

ブリヂストングループの各工場では、トップマネジメント主導のもと、ISO14001に基づく環境活動をPDCAの考え方に基づき進めています。また、大気・水質への環境汚染物質排出低減、抑制など環境リスクの低減活動に必要な人員を確保し、環境関連施設や廃棄物を適正に管理することで、工場全体の環境負荷低減に努めています。この対策の一環として、当社グループでは「グローバル環境基準(Global Environmental Standard)」を策定し、環境への影響を最小化するための施設の最低要件を規定しています。

また、ISO14001に基づき緊急事態への対応手順を整備し、手順の有効性確認のための対応訓練を計画的に実施しています。大地震など災害発生時においても工場の生産停止・再開を環境面で問題なく行えるよう、本手順の見直しを実施しています。

ブリヂストングループの環境リスク低減の主な取り組み
環境リスク リスク低減の主な取り組み
大気汚染 生産工程のボイラーや焼却炉、乾燥炉などの燃焼ガスや集じん装置、局所排気装置などの排ガスによる環境負荷の低減や大気汚染の未然防止の取り組みを強化。特に、カーボンなどの粉じん飛散による大気汚染を未然に防止するため、独自に選定したモニタリング装置による排出口の常時監視や環境影響評価などを推進。

●ダイオキシン類の発生防止

ブリヂストンで稼働している2基の焼却施設に対し、排ガス、焼却灰、及び煤じん中のダイオキシン類濃度の測定を行い、ダイオキシン類対策特別措置法の基準を満たすことを確認。
臭気 主要な原材料であるゴムの臭気の低減対策については、臭気成分の高精度分析を活用した原材料選定や製造プロセスの最適化、消臭技術の開発、排出口への脱臭装置導入など、発生源と排出口の両面から対策。また、臭気拡散シミュレーション技術を活用した環境影響評価の実施及び排出条件の最適化などの臭気低減施策を推進。溶剤臭など、ゴム臭気以外の臭気対策については、脱臭効果が高い接触燃焼などの脱臭技術の導入を推進。
排水 「排水に関するグローバル環境基準」を策定し、全ての生産拠点で適用するよう展開。基準では、排水規制の遵守、ならびに施設外への排水の流出防止のため、排出源における汚染低減の取り組みのほか、排出源での流出を食い止める手段や、有効な排水処理システム、監視遮断システムなどの導入を求める。
騒音 生産工程で発生する騒音及び敷地境界騒音を測定するとともに、地域との対話を通じて、設備の適正運転、低騒音化、防音壁の設置などの騒音対策を推進。
土壌・地下水汚染 各事業所での化学物質の適正管理や貯蔵設備などでの流出予防に努めるとともに、定期的に緊急時を想定した訓練を実施。大規模な土地改変や土地売買などを行う際には、各国・地域の法規など等に準拠することはもとより、調査により汚染が確認された場合には、速やかに行政へ報告を行い必要な対策を実施。

●土壌・地下水のモニタリング

土壌や地下水の汚染リスクを評価する独自手法を開発。日本国内グループ会社の全生産拠点を対象にリスク評価を実施し、その評価結果に基づいて土壌と地下水の調査・モニタリングを計画的に推進。
スクロール
  1. ※ 廃棄物焼却炉などの設置者に対し、排出ガスなどに含まれるダイオキシン類を年1回以上測定し、都道府県知事に結果を報告することが政令で義務づけられています。ブリヂストン栃木工場の焼却発電設備及び甘木工場の焼却炉ともに、排出ガス、排出水及び煤じんなどに含まれるダイオキシン類濃度の測定結果は、等価毒性ゼロであり、その測定値を栃木県と福岡県に報告しています。

リスクコミュニケーション

ブリヂストンでは、企業活動や環境保全活動についてご理解いただくために、各工場の周辺地域の方々への定期的な説明会や交流会を開催し、いただいたご意見をブリヂストンの環境保全活動の参考にしています。また、臭気などの環境負荷情報について、工場近隣の住民の方々や従業員に環境モニターとなっていただき、日々の情報を迅速に収集・調査する体制を整備しています。
さらに、このようにして収集された環境リスク情報は技術センターのデータベースで管理しており、データの解析結果を臭気低減や職場環境改善のための環境関連技術の開発に活用するなど、環境リスクの低減に活用しています。今後も、環境情報の積極的な開示とリスクコミュニケーションに努めていきます。

環境にかかわる事故や苦情の対応

ブリヂストンの環境異常発生件数
過去5年間の環境異常発生件数

ブリヂストンでは、事業活動による環境への影響を改善するため、「環境異常発生件数」を把握しています。「環境異常」とは、法令不遵守の事例や地域の皆様からの環境に関わるご意見を踏まえ、改善を必要とする事案を独自の基準で判定したものです。個々の事業所において速やかに対処していくほか、事例の分析結果を今後の未然防止対策に活用しています。

サプライチェーンでの取り組み(グリーン調達活動)

ブリヂストングループでは、お取引先様とともにサプライチェーン全体で環境に配慮した事業活動を推進することを目的として、「グローバルサステナブル調達ポリシー」を作成しました。お取引先様に対しては、当ポリシーの中でブリヂストンの環境に関する考え方、要求事項をお伝えしています。

当社グループでは、サプライチェーン全体での環境面の取り組みを促進するために、第三者評価を利用して、お取引先様のESG(環境・社会・ガバナンス)に関する取り組みのモニタリングと評価を行っています。エネルギー消費、水、生物多様性、汚染、廃棄物などのESG課題について、当社グループのサステナブル調達ポリシーに照らして評価しています。評価結果をもとにサステナブル調達セミナーの開催や現場での支援を行い、お取引先様とともに環境活動に取り組んでいます。

また、ブリヂストンは、2010年より「企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)」に参加しています。幅広い業種の企業からなるワーキンググループの一員として、サプライチェーンの影響を減らして生物多様性を保全する方策や、環境影響を視覚化する方策を企業が実施する際に、有効となる手法の研究に携わっています。

  1. ※ ブリヂストングループが評価するESG課題は、エネルギー消費、水、生物多様性、汚染、廃棄物、お客様の安全、労働安全、労働慣行、人権、汚職、贈収賄、不正行為、マネーロンダリング、持続可能な調達などに関するものです。

環境に配慮した調達

ブリヂストングループは、原材料や部品のお取引先様に対して、各国の法規定に基づき有害物質の使用禁止、また化学物質の有害性が疑われた段階から、該当する化学物質の使用を削減するようお願いしています。

新規に重要部材を購入する場合は、当社の外注認定制度に基づいてお取引先様の環境マネジメント監査を行っています。この監査では当社のチェックシートに基づき、お取引先様の化学物質マネジメント、大気・水質・騒音・振動・臭気・廃棄物などの管理の他、環境マネジメント全般についても確認します。監査を通じてお取引先様に改善が必要な項目を明らかにし、必要に応じて、改善を依頼しています。また、生産設備購入の際にも、お取引先様への見積段階で有害物の使用有無を申告いただくようご協力をお願いしています。

販売における取り組み

ブリヂストングループTEAMSガイドライン

ブリヂストングループの国内の販売会社及び代理店では、「ブリヂストングループTEAMSガイドライン」(販売会社・代理店における環境活動の手引き)に基づき、ISO14001に準じた環境活動を推進しています。ガイドラインでは、ブリヂストングループの環境活動の基本的な考え方や販売会社・代理店での活動の進め方を具体的に紹介しています。

また、販売会社・代理店では、環境負荷低減のため、エコドライブの実施やタイヤの位置交換(ローテーション)の必要性を販売店(お得意先様)に対して説明しています。

さらに、出資販売会社及び直営法人の使用エネルギーなどの情報収集が迅速に実施できるように、情報収集システムの改善を進めてきました。現在は、オンラインで情報収集が可能なシステムを利用しながら環境データの収集を実施しています。

また、より多くのお客様に「ECOPIA」をはじめとしたブリヂストンの低燃費タイヤの環境性能のご理解をいただくために、タイヤ館だけでなく、ブリヂストンのタイヤを取り扱う販売店スタッフの方々に対して独自のセミナーを開催しています。その中で、地球環境への貢献に向けての取り組み強化にご理解を頂く取り組みを強化しています。

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