天然ゴムの調達に関する貢献
小規模農家への技術提供による生産性の向上
世界の天然ゴム生産の大半は東南アジアの小規模ゴム農家で行われており、ブリヂストングループはそこで生産された天然ゴムを多く使用しています。しかしこれら農家の生産性は低く、天然ゴムの品質と生産量にばらつきがあります。そこで、当社グループでは、生産性・品質の高い天然ゴムの苗木を配布するとともに、自社農園向けに開発した生産性向上技術をインドネシアの北スマトラ州シアンタール市に設立された農業訓練センターで指導しています。また、各地域から選抜されたインストラクター候補生に対する技術研修なども行い、小規模農家の生産性と品質の向上を支援しています。
こうした取り組みによって、天然ゴムの品質向上、農家の単位面積当たりの収量増加、天然ゴム生産に伴う土地利用の拡大抑制が期待されます。
AIを用いた「パラゴムノキ」の病害診断技術
天然ゴムは、タイヤ生産の持続可能なサプライチェーンを確保する上で極めて重要な原材料であり、主にパラゴムノキから生産されています。しかし、パラゴムノキは根白腐病のような病気にかかりやすく、また根白腐病は、パラゴムノキの根が感染するため診断が難しいことから、感染は増加の一途をたどっています。
ブリヂストンは2015年、当社で解析した病原菌の遺伝子配列情報をベースに開発した試薬キットを用いて、根白腐病を早期に発見する画期的な簡易病害診断テストを確立しました。これにより、現場で特別な装置を使うことなく、目視で簡易に病害菌の有無を確認することができます。(詳細は当社ニュースリリースをご覧ください。)
2020年12月、ブリヂストンは診断技術の開発を行い、広大な農園内から品種や樹齢に関係なく、迅速かつ90%前後の精度で羅病木を見分けることに成功したことを発表しました。株式会社電通国際情報サービス(現 株式会社電通総研)との共同プロジェクトであるドローンによる病害診断技術は、現地農園スタッフによる根白腐病の羅病木判定に関する「暗黙知」を人工知能(AI)に学習させ、そのAIの病害診断画像解析とドローンによる空撮画像を融合させています。
この技術は、根白腐病がゴムの収量に影響を及ぼす前の早い段階で、羅病木を診断・手当てすることを可能にするため、ゴム農園の生産性向上に貢献します。
詳細は当社ニュースリリースをご覧ください。
ビッグデータを活用してパラゴムノキの植林計画を最適化
事業の成長とそれに伴う環境への影響や資源の消費を切り離す「デカップリング」への挑戦をさらに進めていくため、ブリヂストングループは、パラゴムノキ由来の天然ゴムを生産する農園の生産性向上に向けて研究開発に取り組んでいます。
ブリヂストンは2021年1月、30年以上先までの植林計画を最適化するシステムを開発したことを発表しました。ゴム農園は、広大な農地に複数の品種を植林しており、農地における植林の数や収穫の工数をどのように最適化するかなど、管理に関する様々な課題に直面しています。ブリヂストンは、日本の学術研究組織である統計数理研究所の助言を得て、これらの課題に対処して農園の収量増加を実現し、天然ゴムの長期にわたる持続可能な供給に貢献する革新的なシステムを開発しました。このシステムは、農園に関する様々なデータ、収量予測、樹種を含む膨大なデータを活用して、当社が開発した数理モデルと混合整数計画法※を組み合わせ、「どの品種を」「いつ」「どこに」「どの程度の量を」植林すればよいかという、植林の最適なソリューションを導き出すことができます。
ブリヂストンは今後、このシステムのカスタマイズを進め、世界における天然ゴムの持続可能な安定供給に貢献することを目的として、これを他の農園にも展開したいと考えています。
詳細は当社ニュースリリースをご覧ください。
※施設の配置などを検討する際に、整数で答えが示される問題解決のための手法。
天然ゴム農園周辺の森林の回復(インドネシア)
インドネシアの南カリマンタン州にあるピーティー・ブリヂストン・カリマンタン・プランテーション(BSKP)のゴム農園周辺には、火災などにより消失し、荒廃した国有林があります。ブリヂストンと早稲田大学が連携して設置したプロジェクト「W-BRIDGE」では、2012年から2020年まで、支援プロジェクトの1つとして、早稲田大学と公益財団法人国際緑化推進センター(JIFPRO)が、BSKP、Lambung Mangkurat大学、Tanah Laut 県林業部と共同で、住民林業制度を活用した国有林の回復プロジェクトを実施しました。
当プロジェクトでは、荒廃した国有林をパラゴムノキと昔から自生していた樹木の混交林として造成し、さらにパラゴムノキが成長するまでの間イネやマメなどの農作物を栽培することで、生物多様性に配慮しつつ、コミュニティにとって経済的に価値の高い森林づくりを行いました。さらに、回復した森林が再び荒廃地に戻らないよう、参加住民のパトロールによる森林火災の防止活動を実施するなど、地域住民が自立でき、森林が長期的に回復・維持できる仕組み作りを目指しました。BSKPは当プロジェクト終了後も、パラゴムノキの苗木や生産技術の供与を通じ、住民の活動を支えています。
地域社会・大学・企業の三者が一体となって進めてきたプロジェクトの成果として、2020年までに累計67ヘクタールの森林造成が完了しました。また、2012年に植林したパラゴムノキからは、樹液を集め、天然ゴムの原料となるラテックスの採取が可能となっています。BSKPは2020年に近隣住民に対しラテックス採取の研修を実施し、2021年にはパラゴムノキを寄贈しました。
2023年末、BSKPの森林再生活動が新たに開始されました。Lambung Mangkurat University (地元大学)、政府の森林担当(KPH)、Tanah Laut、JIFPRO、地元コミュニティなど複数の関係者が参加しています。森林再生プロジェクトの対象地域である約100ヘクタールの現在の植生の炭素蓄積量を推定するための調査や、森林再生のための様々な活動が行われています。
また、BSKPは技術的にプランテーションを行うための農業従事者への教育も行っています。
地域社会との関わりを通じた貢献
2023年は、23か国で250件※1の環境貢献に関する活動(うち179件は外部パートナーと連携※2、15,739人の従業員ボランティアが参加※3)を77,670人の地域の方々と実施※4しました。
- ※1活動数の集計方法は国や地域によって異なります。
- ※2外部パートナーとの連携集計方法は国や地域によって異なります。
- ※3従業員ボランティア数は延べ人数であり、一部活動では推計値を含みます。
- ※4活動による直接裨益人数を集計しており、集計方法は国や地域によって異なり、確認できた活動のみを対象としています。
エコピア※の森(日本)
日本では、2004年より森林整備活動区域を設けて活動を開始し、現在は「エコピアの森」プロジェクトとして国内事業拠点9か所で活動を展開しています。具体的には、間伐などの森林整備を行うことで、森林のCO2吸収能力、野生の動植物の生息地を保全し、森林を活用した地域の子どもたちへの環境教育を実施しています。2023年は、福岡県久留米市、山口県防府市・下関市、滋賀県彦根市、栃木県那須塩原市の「エコピアの森」で自治体と連携したイベントを計7回開催し、あわせて694人が参加しました。間伐体験や動植物の観察、森林清掃を通じて、森林の役割や機能、生物多様性の大切さについて学ぶきっかけとなりました。
※「エコピア(ECOPIA)」は当社の低燃費タイヤのブランドで、「安全性」と「低燃費性能」「ライフ性能」を高次元で実現しています。
びわ湖生命(いのち)の水プロジェクト(日本)
滋賀県彦根市で40年以上にわたって操業を続けているブリヂストンは、2004年から、地域の様々な団体と連携しながら、琵琶湖の水環境を守るために様々な活動の支援を行ってきました。現在、地域の方にご参加いただいている自然観察会の開催、絶滅危惧種「カワバタモロコ」の繁殖研究への支援などに取り組んでいます。これまでに76回の自然観察会を行い、5,340名にご参加いただきました。「カワバタモロコ」の繁殖研究を行う工場敷地内のビオトープ「びわトープ」については、自然観察会や地域の幼児園児を招いた田植え・稲刈りを実施するなど、地域との環境コミュニケーションの場としても活用しています。また、繁殖したカワバタモロコは、近隣の小学校に提供し、子供たちの環境学習に活用いただいております。
ブリヂストンこどもエコ絵画コンクール(日本)
ブリヂストンは、毎年「ブリヂストンこどもエコ絵画コンクール」を開催しています。このコンクールは、子どもたちの絵から見えてくる自然への思いをしっかり受け止め、未来の子どもたちにも大切な自然環境を残していきたいという考えのもとに始められました。毎年、子どもたちの豊かな感性によって描き出された素晴らしい作品が届きます。
生物多様性保全イベント(インドネシア)
インドネシアでゴム農園を運営するピーティー ブリヂストン スマトラ ラバー エステート(BSRE)では、大雨による土砂崩れが周辺の生態系へ被害を与える恐れがあることから、2021年に生物多様性保全のためのイベントを開催しました。地域の学生や自治体関係者、BSREの従業員など約200名が参加し、サイクリングや植樹、魚の放流、川の周辺や水面の清掃などのプログラムを通して、生物多様性の重要性を学びました。
マングローブ林の回復と植林(インドネシア、タイ)
インドネシアとタイでは、沿岸集落の住民と環境を守る役割を果たしているマングローブ林を復元させるため、ブリヂストングループ従業員が数千本のマングローブを植林しました。
また、インドネシアでは、2012年からBorneo Orangutan Survival財団と協力し、オランウータンを本来の生息地に戻す活動を支援しており、活動の一環として、2016年以降これまでに26,040本のマングローブを植樹しました。現在は、マングローブ林の成長を維持するための定期的なモニタリングを実施するとともに、孤児となった2頭のオランウータンが本来の生息地に戻れるようになるまでの生活とリハビリテーションの費用を支援しています。2023年8月には、最初の植林地であるムアラ・ゲンボンと同じエリアの1ヘクタールの土地に、1万本のマングローブを植林しました。
植林の取り組み(タイ)
タイでは、タイ ブリヂストン カンパニー リミテッド(TBSC)ノンケー工場の従業員が、周辺環境の緑化活動を実施しています。地域社会や自治体、ブリヂストンのお客様と共に工場の敷地内外に緑を増やし、自然との共生を目指した活動をしています。また、ステークホルダーの協力を得ながら、「生物多様性とは何か」、「廃棄物の減らすために何をすればよいか」などについて学ぶ機会を提供するなど、子どもたちの環境意識向上にも力を入れています。植樹プログラムも立ち上げ、2013年の開始以来、延べ2,680人の地域住民と200人の従業員が参加しました。このプログラムを通じて21,600m2の範囲に5,400本の東南アジア原産の木が植樹され、樹木の寿命に換算して推定349トンのCO2吸収に貢献しています。
流域自然林の回復(タイ)
タイのBridgestone Natural Rubberは自治体と協働して、パッタルン県トゥンナリにある流域の自然林回復に取り組みました。2019年に64名の従業員が参加し、10名のトゥンナリ保全担当部署の方々とともに、6,400m2の森林におよそ100本の在来樹木を植えました。
緑の子ども調査員コンテスト(タイ)
TBSCは、2009年より若い世代の間で環境保護と生物学的多様性に関する意識を高めるプロジェクト「Green Young Investigator」を実施してきました。学生たちは、自らの専門を高めるためTBSCにより設定された4つのテーマ「地域の生息地」「生物多様性」「生物種」「気候変動」から活動を選択します。このプロジェクトの目標は、タイ中部の学校における、環境に配慮した風土や教育システムの発展を支援し、未来を担う若い世代の環境に対する信条や態度を形成していくことです。
工場地域での農水産業の推進(タイ)
ブリヂストン タイヤ マニュファクチャリング (タイランド) カンパニー リミテッド(BTMT)のタイヤ生産拠点であるチョンブリ工場では2020年7月、555人の従業員が参加して農業プロジェクトの開会式を開催しました。工場近くの7つの農園には2,000本のジャックフルーツやパパイヤ、バナナなどが植えられており、また、5種、計12,000匹の魚がいる2つの池を保有しています。ここで取れた農水産物は社員食堂で食材として利用したり、従業員に配布したりしています。こうした活動を通じて、農水産業などへの従業員の参加や、BTMT工場での地産地消を推進しています。
バタフライガーデン(インド)
ブリヂストン インディア プライベート リミテッド(BSID)のインドール工場とプネ工場では、これまで3,500本以上の苗木を植えており、両工場にある「バタフライガーデン(蝶の庭)」には、様々な種類の蝶や蛇、昆虫が生息しています。またBSIDでは、環境保護に対する意識啓発のため、オンラインと対面を合わせて60以上のイベントを開催しました。
生物多様性保全に関する教育プログラム(米国)
タイヤの生産拠点である米国サウスカロライナ州のエイケン工場では、10年以上前から、サウスカロライナ大学と連携し、生物多様性の保全に関する教育プログラムを地元の学校へ提供しています。また、様々な生物にとって重要な植物であるダイオウマツなどの生態系復元活動も積極的に行っています。2023年には、1,500人以上の地域住民の方々を対象に、生物多様性についての教育・啓発活動を実施しました。
ブリヂストングループの自然保護エリアを寄付(米国)
米国では、2018年にブリヂストン アメリカス・インク(BSAM)が6月5日の世界環境デーを祝して、チェストナット山の2,332ヘクタールのブリヂストン自然保護区をNPO「The Nature Conservancy in Tennessee(TNC)」に寄贈しました。この土地は、2000年までに同社がテネシー州野生生物資源庁に寄贈した6,000ヘクタールの野生生物の生息地保全地区に隣接しており、絶滅にさらされている多くの動植物の生息地が守られ、育まれることになります。寄贈した自然保護区によるCO2吸収量は、テネシー州ナッシュビル中心部にあるBSAM本社ビルにおける25年間分のCO2排出量に相当します。
BSAMは、TNCなどの自然保護団体との協働に継続して力を注いでおり、2019年に、チェストナット山のブリヂストン自然保護区の開設を記念する式典「コミュニティー・デー」に参加しました。また、2021年にはBSAMのBridgestone Trust Fundからサウスカロライナ州の森林炭素プログラムに50,000ドルを寄付し、2022年はロングリーフパインの研究に焦点を当てて寄付を継続しました。こうした新たな取り組みの結果、当プロジェクトは研究発表を行う学者や森林を管理する行政機関、自分の土地に最も適した方法を学ぶ個人地主など、多くの人々に支持されるようになりました。
また、米国とメキシコにある5つのブリヂストングループの生産拠点の敷地は、野生生物の生息地として野生生物生息地審議会(WHC)から認定されています。WHCと協働して、300ヘクタールを超える敷地を野生生物の生息地として保護し、生物多様性の向上に貢献しています。
ウッドローン野生動物保護区(米国)
米国メリーランド州セシル郡の農村地域に位置するウッドローン野生動物保護区は、かつては埋立地でしたが、現在は動物の生息地として保護されています。ブリヂストンは2000年代初頭から、野生動物が生息地できるように、この土地の整備に取り組んできました。保護区内には、森林、草地、湿地が混在しています。
当社は、メリーランド州天然資源局の森林管理プログラムに基づき、約50エーカーに及ぶ森林を野生動物のために保護しています。外来植物の除去には、学生や地域のボランティアの方々も参加しています。また、両生類の生息場所として、森林内に春になると水が溜まる季節性の池を作ったほか、木々の健康状態の観察を含む森林のモニタリングも実施しています。2001年からは草地に生息する動物が過ごしやすい環境を作るため、数種類の在来草原植物を植栽し、定期的にメンテナンスを行っています。草地では、樹洞に営巣する鳥のために敷地内に巣箱を設置し、使用状況などのモニタリングを行っています。
また敷地内には、案内板やベンチが設置された遊歩道があり、一般の方々にも開放されています。遊歩道では自然や野生動物を観察でき、環境学習の場として活用されています。
ブリヂストン環境教室・生息地保全活動(米国)
米国のウォーレン工場では、次世代を担う子どもたちの自然環境への関心を高めるために、野外授業や参加型の授業を通じて環境について学ぶ環境教室「Bridgestone Environmental Education Classroom and Habitat(BEECH)」を開催しています。2008年の設立以来、33,000人の生徒がBEECHを訪れており、子供たちが野生動植物の生息地や水の保全について学び、自然環境への関心を高めることに貢献しています。これらの活動はテネシー州にある4つの郡に拡大され、ホームスクーリングを行っている子供も当プログラムに加わり、毎年対象を広げています。BEECHはウォーレン地域の学習カリキュラムにも組み込まれています。
従業員ボランティアによる環境保護活動(コスタリカ)
トゥリアルバ地区(コスタリカ)のFirestone Airideは、「Programa Bandera Azul Ecológica」の気候変動部門で「Bandera Azul」認証を取得しました。この認証は、環境に配慮しながら、生産工程に起因する環境への影響を低減し補償するためのより良い方法を模索する、私たちの特別な取り組みへの姿勢を示すものです。Firestoneの敷地沿いに植樹をして湧き水を守る活動や、市庁舎と連携した教育活動などが高く評価されました。
環境への意識啓発イベント(イタリア)
バリ工場(イタリア)では、200人以上の従業員が「世界水の日」と「環境の日」を記念した「Christmas & Solidarity」というイベントに参加し、従業員の意識啓発を行うと共に記念品を配布しました。
サステナビリティへの意識啓発プロジェクト(スペイン)
ブルゴス工場(スペイン)では、学生向けのプロジェクト「Schoolaryards- Learning Space」を通じた学習機会の提供や、毎年開催するイベント「Christmas at Plant」で学生を対象としたコンテストを催し、サステナビリティの意識啓発を図るなど、地域社会に貢献する活動を積極的に行っています。2021年にブルゴス工場は、サステナブル・モビリティ・アプリ(パイロット版)という、同工場で働く従業員のCO2排出量削減に貢献するアイデアで「サステナビリティ週間アワード」を受賞しました。
Green Power Car Race(スペイン)
ビルバオ工場とウサンソロ工場(スペイン)では、「Green Power Car Race」と「Bridgestone Popular Solidarity Cycling」を開催し、1,800人以上が参加しました。
「We Forest」プロジェクト(スペイン)
ブルゴス工場では、ボランティアがキンタナル デ ラ シエラにある面積1万平方メートルの旧砂岩採石場に200本の松とオークを植えました。
国連が推進する国際森林デーがきっかけとなって2009年に立ち上げたこの植樹活動には、工場の従業員、家族、友人など50人が参加しました。
木には一本ずつ、植樹に協力した人たちの名前を記した識別マークが付けられ、次に訪れたときに木の成長具合がわかるようにしてあります。
従業員や家族の方たちとともに森林管理の意識を高め重要性を確認する以外にも、この植樹活動には、土壌基盤や生物多様性、景観を改善していくという目的があります。そのため、植林と森林再生活動には専門的な教育が行われ、生態学的な森林管理技術を用いたフィールドワークも実施されました。
参加者が植林作業を行い、周辺環境に生息するさまざまな種について学んだ後は、伝統的にタール作りに使われてきた「マタカ」と呼ばれる窯に案内人付きで訪れてもらい、この地域の民族学的・文化的価値の振興を図りました。
このプロジェクトのスタートとなったレヴェンガの森は、1,800本の植樹により7ヘクタールが回復しています。2019年以降、このプロジェクトはブルゴス県内の他の地域へと活動の場を移しています。
Bicycle Town(ポーランド)
スタルガルト工場(ポーランド)は、持続可能なモビリティを推進する教育イベントを展開しています。「Bicycle Town」というイベントでは、小学校や現地警察署と協力して交通安全や応急手当に関する活動などを実施しています。また、環境課題をとりあげた展示会や電子機器廃棄物の回収、植物の苗の交換、環境知識に関するクイズなど、地域コミュニティを巻き込んだイベントを行っています。
Play Green(ポーランド)
ポズナン工場(ポーランド)では、「Play Green」というフレームワークに基づいた教育イベントを継続して実施しており、若い世代に対して環境保護について意識啓発する3つのイベントや、市内の森林に1,500本の木を植える活動を行っています。
生物多様性イベント(ハンガリー)
タタバーニャ工場(ハンガリー)では、鳥の餌箱づくりコンテストやカエルの保護プログラム、国立公園の支援活動など、生物多様性関連の取り組みを実施しました。
Let the Cranes Fly Forever(トルコ)
イズミット工場とアクサライ工場(トルコ)では、2013年から世界自然保護基金(WWF)と協力して「Let the Cranes Fly Forever」プロジェクトを推進しています。10万本の苗木を寄贈し、第6回「ワールドクリーンアップデー」などの教育・啓発活動に取り組みました。