地域との共生
ブリヂストンは、150以上の国と地域で事業を展開し、世界中の人々と共に持続的な社会価値・顧客価値の共創に努めています。
ブリヂストンは、持続的な価値創造にはお客様、パートナー、地域社会、従業員などと共に価値を生み出すことが不可欠であり、ステークホルダーとの信頼の醸成が極めて重要であると考えています。
信頼の醸成には時間がかかります。そのため、ブリヂストンは、地域社会が抱える多様な課題やニーズに応じた社会貢献活動を継続し、改善を繰り返しながら着実に推進することが大切だと考えています。「Bridgestone E8 Commitment」の価値創造を軸に、ブリヂストンと地域社会とが互いに強みを引き出しながら、より安全で健やかな地域づくりと、インクルーシブで開かれた教育を次世代まで提供していくことを目指しています。

2024年は、ブリヂストン全体で、37の国・地域※1で1,403件の社会貢献活動(うち1,191件は外部パートナーと連携※2、35,570人の従業員ボランティアが参加※3)を329,031人の地域の方々に対して実施※4しました。

- ※1活動数の集計方法は国や地域によって異なります。
- ※2外部パートナーとの連携数集計方法は国や地域によって異なります。
- ※3従業員ボランティア数は延べ人数であり、一部活動では推計値を含みます。
- ※4活動による直接受益人数を集計し、確認できた活動のみを対象としています。集計方法は国や地域によって異なります。
ブリヂストンの社会貢献活動のインパクト
ブリヂストンは、2023年から、「Business for Societal Impact」(以下、B4SI)が「企業のコミュニティ投資」のフレームワークで示す「特定の活動の結果として個人、組織、企業におこる短期的または長期的変化」である社会的インパクトの可視化に取り組んでいます。
インパクトの可視化・開示は、取り組みの具体的な成果をステークホルダーにより明確に示すことができるだけでなく、ブリヂストンの社会貢献活動が社会価値、企業価値の創造にどのように貢献しているかを自ら理解することで、今後の取り組みの改善やより効果的な意思決定につなげることができると考えています。ブリヂストンでは、特に交通安全活動における地域社会の受益者へのインパクトと、従業員へのインパクトに着目してインパクト評価を推進しています。
B4SIからのメッセージ

Clodagh Connolly
Global B4SI Director
ブリヂストンは、世界中のリーディングカンパニーが参加するB4SIのフレームワークと基準に合わせて戦略的に取り組み、グループ全体で優れた活動を進めていると思います。私たちは、優れた社会的インパクトの創出を目指すブリヂストンの、B4SIへの理解とコミットメントに裏打ちされた積極的な活動を高く評価しています。また、持続可能な未来の創造に向けた他社との共通の取り組みを推進することを目指して、世界中のリーディングカンパニーとのネットワークによる他社との継続的かつ積極的な交流を期待しています。
従業員へのインパクト
ブリヂストンは、従業員が社会貢献活動に参加することで、 組織や地域社会への帰属意識を育み、従業員の自信と誇りの醸成やウェルビーイング向上につながると考えています。また、従業員へのインパクトは、中長期的には企業価値の向上にも貢献すると考えています。
2024年は、世界各地で様々な従業員参加を後押ししました。BRIDGESTONE WESTでは「One Million Minutes」キャンペーンを実施し、より強固な企業文化の醸成を図りました。また、BRIDGESTONE EASTでは、ブリヂストン アジア パシフィック ピーティーイー リミテッド(以下、BSAPIC)が従業員参加を促す環境を整える目的で、関連規程や目標を策定しました。日本では、2009年からボランティア休暇制度を、2014年からはボランティア休職制度を導入しており、従業員が社会貢献活動に参加しやすい環境を整備しています。
このように、ブリヂストンでは、各地域の特性を踏まえ、従業員による社会貢献活動への参加を通じて、地域共生の取り組みを推進していきます。
ブリヂストンは、2024年も昨年に引き続き従業員へのインパクトアセスメントを実施しました。活動参加者のうち従業員1,510名を対象にインパクト評価を行ったところ、85%以上がブリヂストンへの帰属意識、地域社会への帰属意識、仕事に応用できるスキル、生活での心構えや行動、自身のウェルビーイングに前向きな変化があったと回答しました。
従業員からのメッセージ

ブリヂストン コスタリカ
品質マネジメントシステムチーフ
Beatriz Prado
Think Before You Drive – Kidsへの参加は斬新な経験でした。子どもたちと一緒にアクティビティを行い、子どもたちに交通安全について教えるのは楽しかったですし、大切な知識を伝えて、子どもたちと確かなつながりを持つことができる貴重なチャンスでもありました。子どもたちが好奇心いっぱいの顔をして、安全についての重要なコンセプトを3Dビューワーを使って遊びながら学び、理解していく姿を見るのはとても面白かったです。ブリヂストンは革新的な技術を使って、意味のあるメッセージを伝えているため、こういったアクティビティを通して子どもたちが安全意識を高めていく姿を身近で見ることができ、誇らしい気持ちになりました。このような経験があるからこそ、次の世代にポジティブなインパクトをもたらすボランティア活動にこれからも参加したいと思います。

ピーティー ブリヂストン タイヤ インドネシア
サステナビリティ&CSRリード
Delfania Matasik
若い人たちがあれほど交通安全に夢中になってくれるとは、思ってもいませんでした。私の努力が、若い人たちの日々の生活に何らかの解決策をもたらしたことを誇りに思っています。
主な活動
交通安全に関する取り組み
2021年の世界の交通事故死亡者数は推定119万人であり、毎分2人以上の方が命を落としています※1。交通事故は、依然として5歳の子どもから29歳の若者の主な死亡原因であり、交通安全が世界共通の課題であることに変わりありません。ブリヂストンでは、交通安全グループの強みを活かした大きな貢献ができる分野であると考え、交通安全活動を推進する取り組みにグローバルで注力しています。
2023年には、グローバルで実施している取り組みからさらなるシナジーを創出するため、「ブリヂストン交通安全プログラム(BRSP)」を開始しました。「人生は旅。安全な旅にしよう。(Life is a journey. Let’s make it a safe one.)」というスローガンのもと、交通安全分野の国際NPOであるGlobal Road Safety Partnership(GRSP)と連携して作成した施策を効率的に実行するための社内向けガイドを活用しながら、BRSPを推進しています。
詳細及び具体的な取り組みについては、「交通安全に関する取り組み」をご覧ください。
- ※1出典:世界保健機関「Global status report on road safety 2023」
教育に関する取り組み
ブリヂストンは、人々の生活の質の向上と職能の開発につながる教育が重要であると考え、事業を展開する地域においてインクルーシブで開かれた教育を支援しています。特に、初等教育や技術・職業訓練に重点を置き、タイヤの製造・販売で培った強みを活かし、次世代の自動車整備のプロフェッショナルを育成するための様々な研修プログラムを提供しています。
詳細及び具体的な取り組みについては、「教育に関する取り組み」をご覧ください。
健康に関する取り組み
世界保健機関(WHO)は、所得水準別死因分析に基づき、各国・地域ニーズに応じた健康改善に取り組むことが重要であると指摘しています。ブリヂストンは、地域住民の健康状態を改善し、より健康的なライフスタイルを持続的な文化として根付かせることで地域社会に貢献します。
詳細及び具体的な取り組みについては、「健康に関する取り組み」をご覧ください。
環境に関する取り組み(貢献の最大化)
ブリヂストンは、地域の環境に関する取り組みを多数行っています。2019年初めには、「自然と共生する:生物多様性貢献活動推進プログラム」を開始しました。このプログラムを通じて、世界中の生産拠点で様々な生物多様性貢献活動を実施しています。
この他にも、各地域のニーズに合わせたリサイクル活動や環境活動を推進しています。
詳細及び具体的な取り組みについては、「環境に関する取り組み」をご覧ください。
防災や災害支援に関する取り組み
ブリヂストンは、災害により被災された地域の方々への支援を使命の一つと考え、被災状況や被災地のニーズに応じて、様々な復興支援を行うと共に、被災された方々や地域の一日も早い復興を心より願っています。
詳細及び具体的な取り組みについては、「防災や災害支援に関する取り組み」をご覧ください。
- 米州
- アジア・太平洋・インド・中国
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- 高校生のための「交通安全教室」(オーストラリア、ニュージーランド)
- グリーンIT教室(中国)
- グローバルCSR&ESGアワード2024:BSAPICが第16回グローバルCSR&ESGサミットアワード2024で「Empowerment of Women Award」と「Excellence in Provision of Literacy & Education Award」を受賞(中国、インド)
- インド全土における視覚障がい者の交通安全のための介入活動(インド)
- 女性のエンパワーメント・能力開発・運転技能講習(インド)
- BSIDによるミチャウンサイクロン被災地への支援拡大(インド)
- 交通安全教育プログラム(RSSP)2024を通した交通安全意識の醸成(インドネシア)