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交通安全に関する取り組み

2021年の世界の交通事故死亡者数は推定119万人となり、2018年の報告数からわずかに減少しました。しかし亡くなる方の数は毎分2人を超え、1日あたり3,200人以上となっており、交通事故は依然として5歳の子どもから29歳の若者の主な死亡原因となっています。従って、交通安全は世界共通の課題であることに変わりありません※1。ブリヂストングループも、タイヤメーカーとして安心・安全な移動を支えていくために、交通安全を重要な課題と捉えています。また、国連の持続可能な開発目標(SDGs)のターゲット3.6(世界の道路交通による死傷者数を半減させる)の達成に向けて、企業へも貢献が求められています。当社グループは、交通安全が世界共通の課題であることを認識し、タイヤ会社として創業した背景から、交通安全は、グループの強みを活かして最も貢献できる分野であると考えています。

安心・安全で快適な移動のためにはタイヤの適切なメンテナンスが重要なため、「Bridgestone E8 Commitment」の「Ease より安心で心地よいモビリティライフを支える」の一環として、お客様や地域の方々にタイヤの安全点検などの安全啓発活動を実施しています。また、「Empowerment すべての人が自分らしい毎日を歩める社会づくり」につながる活動として、次世代に向けた交通安全や地域社会における生活の質の向上の重要性についても啓発しています。さらには、従業員向けの交通安全教育も充実させ、バリューチェーン全体で安全への意識を高めることで、商品やサービスだけでなく、日々の業務を通じて交通安全に貢献しています。

これらの取り組みからさらなるシナジーを創出するため、2023年、当社グループは交通安全活動を推進する国際NPO、Global Road Safety Partnership(GRSP)と協力して、グローバルで相乗効果を生み出すプログラム「ブリヂストン交通安全プログラム(BRSP)」を開始したほか、社内向けガイドを作成し、GRSPとの連携をさらに強化しています。2023年にはGRSPとの協力のもと、いくつかの交通安全活動を取り上げて指標を設定し、試験的に活動のインパクトの評価を開始しました。また、GRSPとアジア開発銀行がフィリピンで共催したAsia Pacific Regional Road Safety Seminarにも参加し、主要なステークホルダーとともにさらなる交通安全の推進について討論を行いました。このイベントでは、当社グループの交通安全強化活動の進展やパートナーシップ、タイ ブリヂストン カンパニー・リミテッドが実施した若い世代への取り組み事例などを紹介しました。(事例の詳細は、当ページ内子どもたちの交通安全意識向上に向けた「Bridgestone Global Road Safety Program」を参照してください。)

ブリヂストン交通安全プログラムプレイブック

当社は、2022年7月、BRSPのもとで国連交通安全基金(UNRSF)へ2022年から2025年の4年間で総額100万ドル(約1億2,900万円)の寄付を行うことを発表しました。UNRSFとのパートナーシップを通じて、当社グループがグローバルで進める交通安全活動を強化し、交通安全に対する国際社会の高まる期待に応えることを目指しています。

2023年は、34の国・地域で105件※2の交通安全に関する取り組み(うち67件は外部パートナーと連携※3、2,195人の従業員ボランティアが参加※4)を103,428人の地域の方々に対して実施※5しました。

  1. ※1出典:世界保健機関「Global status report on road safety 2023」
  2. ※2活動数の集計方法は国や地域によって異なります。
  3. ※3外部パートナーとの連携集計方法は国や地域によって異なります。
  4. ※4従業員ボランティア数は延べ人数であり、一部活動では推計値を含みます。
  5. ※5活動による直接裨益人数を集計し、確認できた活動のみを対象としています。集計方法は国や地域によって異なります。

交通安全・雇用機会のためのプログラム「Project Sarthi」(インド)

インドの輸送において重要な役割を担うトラック運送業界では、ドライバーが25%近く不足していますが、交通安全上の観点からさらに問題視されているのが、大型車両(HMV)ドライバーの92%が正式な講習を受けていないという調査報告です。大多数のドライバーが業務で危険を感じているほか、自分の職業に不満を感じていると回答しています。ブリヂストン インディア プライベート リミテッド(BSID)は、モビリティと道路をより安全に整備していくという目標を掲げており、こうした状況は非常に危機的と認識し、インド各州の最新設備を備えた教習所との提携を通じてこの問題に対処してきました。「Project Sarthi」(「Sarthi」はヒンディー語で「運転する人」)と称したこのプログラムの目的は、HMVドライバーの技能を伸ばし、経済社会の中で弱い立場にある失業状態の若者などに雇用機会を創り出すことにあります。このプログラムでは、30日間の合宿運転講習が無料で受講でき、専門的な運転技能だけでなく、路上における安心・安全で責任ある行動のためのソフトスキルも育成することができます。また、BSIDチームのボランティアは、タイヤのメンテナンス、交通安全、金融リテラシーなどに関するプログラムも実施しています。講習プログラムを修了したドライバーは、国家技能資格枠組み(National Skills Qualifications Framework: NSQF)とBSIDの共同認定を取得できるとともに就職支援も受けることができます。

実績:
  • 職業ドライバー1,775名が技能等級昇格と認定
  • HMVドライバー864名が短期リフレッシュ講習修了
インパクト:
  • 受講者の66%がOEMに就職
  • 受講修了者の92%が自身の職業としてHMVドライバーを続けたいと回答

自転車交通安全啓発活動(日本)

ブリヂストンサイクル株式会社(BSC)は、2017年より、地方自治体と連携の上、自転車交通安全講習を日本全国で実施しています。未就学児から高齢者まで、各ライフステージに合わせアレンジした講習を通じて、安全な自転車利用の啓発を行っています。

久留米市の小学校では、自転車の交通ルールやヘルメットの正しい着用方法について交通安全授業を行いました。
(2023年の活動ハイライト)

実績:
  • 講習会を75回開催し、4,000人以上が参加
インパクト:
  • インパクト評価を実施した小学校で行われた自転車交通安全講習では、教員全員が生徒の安全に対する意識が上がったと回答
  • 60%の教員が生徒の行動変化について肯定的な回答

子どもたちの交通安全意識向上に向けた「Bridgestone Global Road Safety Program」(タイ)

タイ ブリヂストン カンパニー・リミテッドは、2021年、NGOであるAIP Foundationの協力のもと、チェンライ、コーンケーン、プーケット、ナコーンサワンにある4つの中学校を皮切りに、「Thailand Bridgestone Global Road Safety Program」を開始しました。2022年から23年にかけては、チェンマイ、ウボンラーチャターニー、スラターニー、チョンブリの学校へとプログラムを拡大しました。このプログラムで掲げる4つの目的は以下の通りです。

  1. 1.生徒と教員の交通安全に関する知識向上と行動改善
  2. 2.「ブリヂストン交通安全ユース チャンピオン」を各協力校で育ててリーダーとしての資質を引き出し、交通安全の意識を高める活動に主体的に取り組んでもらう。
  3. 3.生徒、保護者、教員のための交通安全を推進させるため、スクールゾーンの安全調査を行い、インフラ整備を実施できるようにする。
  4. 4.ブリヂストンの従業員に交通安全の意義を呼びかけてもらい、協力地域の人々にも活動に参加していただく。

プログラムの2年目には、242名の生徒・教員に加え、1万977名の保護者・地域の人々が参加するイベントへと成長しました。

実績:
  • 学校が近くにあることを示す標識の新設
  • 標識や路面標示、交差点の品質向上
インパクト:
  • 学校近辺の交通安全レベルを示す評価スコアが、星2から星3に向上
  • 交通安全マネジメントスコアが、13.31から19.98に向上

タイ ブリヂストン カンパニー・リミテッド サステナビリティ・CSRリーダー

 

Thanarak Kanchanakhanthakul

私たちのプロジェクトでは、ユース チャンピオンが地域の人々の先頭に立って、交通安全を重視する地域サービス活動に参加できるよう支援していますが、たくさんの若い人たちの力、そして交通安全を課外授業に組み入れていくことが、このプロジェクトを成功させるカギになります。

Green Campsによる若者向け「Sicurezza」教育(イタリア)

イタリアでは、2021年上半期から2022年上半期にかけて交通事故死亡数が24.7%増加するという憂慮すべき状況となっており、さらに残念なことに、こうした犠牲者の中で最も大きな割合を占めているのは、15歳から29歳の若者です。ブリヂストンの多面的プログラム「Sicurezza on the road」(道路の安全)では、若者に交通ルールの知識を教えて守ってもらうという大切な課題の解決が狙いです。このプログラムの初回活動「CRI Green Camps」は、2023年7月から9月にかけて、8歳から17歳の若者を対象に行われました。イタリア赤十字社(CRI)の協力のもと、Green Campsはイタリア全土8か所(ロンバルディア州、ラツィオ州、プーリア州、カンパニア州、モリーゼ州、シチリア州、トレンティーノ アルト アディジェ州、トスカーナ州)で教育ワークショップを実施し、240名の生徒が参加しました。開催支援は、ローマのブリヂストン テクニカル センター ヨーロッパ(TCE)、バリ工場、BSSOR(ブリヂストン EMEA南部地域)からボランティアのチームメンバー40名が担当しました。最長で7日間続くこのサマーキャンプでは、交通安全に重点を置き、参加者の関心を引く教育活動を行い、持続可能性への取り組みにもスポットを当てました。このイベントは大きな反響を呼び、参加者からは「このキャンプに参加したので、免許を取得したら絶対に車両の制御、車の状態、タイヤの管理方法によく気を配ろうと思います」という意見もありました。このキャンプに続き、2023年10月以降は交通安全コースのプログラムとして継続しており、中等学校に通う生徒約5,000名が参加しました。CRIのボランティアとミラノ、ローマ、バリのブリヂストン従業員の主導のもと、移動と安全に関するノウハウを提供しています。

実績:
  • 5,000名を超える中等学生が交通安全について学習
  • 8ヵ所240名の「未来のドライバー」への教育活動を実施
インパクト:
  • ブリヂストン従業員の誇りとCRIとの信頼関係を醸成
イタリア赤十字社の交通安全パートナーからのメッセージ

イタリア赤十字社副社長・赤十字青年ボランティア イタリア代表 Edoardo Italia氏

ブリヂストンとパートナーシップを結んだことで、これからますますたくさんの人たちの心を動かせるようになります。ブリヂストンの技術支援を受けて作成した交通安全ツールキットは、交通安全の教育方法についてボランティアの知識を広げるのに役立っていくと思います。このパートナーシップのおかげで、今後の交通安全に関する課題にいつでも対処できる態勢が整いました。

安全啓発活動「Think Before You Drive」(中南米)

ブリヂストン アメリカス インク(BSAM)が2005年に開始した安全運転の啓発活動「Think Before You Drive」は、教育プログラムや教材を通して交通安全の大切さをドライバーに再認識してもらうことを目指しています。シートベルトの常時着用、タイヤのアライメント調整やバランス調整など、安全運転に欠かせない基本的なルールを守ることの重要性を伝えています。

交通事故や危険運転を減らすことを目的に、大学や政府機関と連携し、子どもや学生、ドライバーの皆様を対象に教育プログラムを実施しています。2015年以降、メキシコ、コスタリカ、コロンビア、エクアドルで開催し、学生や家族での参加者は74,000人近くにのぼります。

「Think Before You Drive – Kids」では、6~12歳の子どもを対象に交通安全のアドバイスを伝え、道路を安全に通行するために必要な行動に関する意識啓発に取り組んでいます。タイヤの安全性やメンテナンスの重要性を子どものうちから学べるよう促すコンテンツなど、ビデオ教材、学習活動、インタラクティブなゲームをオンラインで提供しています。2024年には、このプログラムをブラジルとアルゼンチンで開催します。

実績:
  • 2015年以降、7万4,000人の学生やその家族がメキシコ、コスタリカ、コロンビア、エクアドルでのプログラムに参加
  • 2022年と2023年には、7校に通う3,000人以上の生徒が「Think Before You Drive – Kids」を通して学習
インパクト:
  • 参加した従業員の100%が、子どもたちに提供した交通安全教育レベルに自信があると回答

安全な道路の維持(リベリア)

ファイアストンナチュラルラバー(リベリア)は、2023年、リベリア国内の700マイル以上の道路と橋を維持するために120万ドルを投資しました。この道路整備プロジェクトは、地域の全ての人々が安全な道路や橋を利用できるようにすることを目指して行われています。

2017年、リベリアのハーベルにあるドゥ橋が崩壊して以来、ファイアストンナチュラルラバーはリベリア政府と協力し、重要なインフラの修復などを支援してきました。道路を整備することは、地元の学校に通う推定7,000人の生徒を含めたあらゆる年齢の人々に恩恵をもたらすとともに、雇用、医療、教育の確保に直結します。

高校生のための「交通安全教室」(オーストラリア、ニュージーランド)

オーストラリア及びニュージーランドでは、学生向けの交通安全教育機会を提供する地域イニシアチブであるRotary Youth Driver Awareness(RYDA外部リンク)と連携した若者向けの交通安全教室を実施しています。2023年は、582校から参加した延べ48,564人の学生に対して417回のワークショップを行い、道路上でより安全な行動が取れるよう、運転者および同乗者としてのマナーを含めた啓発活動を実施しました。

RYDA CEOからのメッセージ

Terry Birss
CEO & Managing Director
Road Safety Education Limited - provider of the RYDA program

私たちRYDAは、交通安全に関する共通の目標である、道路上の命を守り、交通被害者を一人でも減らすために、皆さんと一緒に取り組んでいます。RYDAは、次世代に対して交通安全に対する知識やスキルの習得を目的に21年前に設立され、これまでに70万人以上の生徒が参加しています。ブリヂストンの継続的な支援により、RYDAは、命がかけがえのないものであるというメッセージを学生に伝え、交通安全意識を高めることにつなげています。私たちは、ブリヂストンが、オーストラリアおよびニュージーランドを含む世界各地で交通安全教育に貢献する重要なパートナーであると考え、その支援に感謝しています。

「Bridge to Knowledge」キャンペーン(ベトナム)

当社グループは、商品、サービスや様々な取り組みを通じて地域の安心・安全な暮らしを支えています。ベトナムでは、雨季に洪水が多発する地域で多くの木製の橋が老朽化し、通勤や通学の安全が懸念されています。ブリヂストン タイヤ セールス ベトナム リミテッド ライアビリティ カンパニーは、「Bridge to Knowledge」キャンペーンを展開し、2030年までに20本の橋を建設し、10年間にわたりメンテナンスを行うことを宣言しています。

2023年は、新たに2本の橋を建設し、2023年末時点でプロジェクト開始時から延べ10本の橋の建設が完了しました。これらの新しい橋は1,000人以上の人々に利用されており、教育施設や公共施設への安心・安全なアクセスを支えています。

スオイダ橋
チュオントー橋

お客様への安全啓発研修(ベトナム)

ベトナムの技術チームは、2023年、お取引先様である郵船ロジスティクス株式会社や自動車販売業者に対し、交通安全とタイヤの安全性について学ぶオンサイト研修を実施しました。また、交通安全のさらなる徹底を依頼し、トラック用の交通安全ステッカーも配付しました。

運転初心者への安全講習(タイ)

タイ ブリヂストン カンパニーリミテッドは、タイのサラブリ陸運局と協力し、タイヤのメンテナンスや製品、安全知識の提供を行っているほか、商用バン、バス、トラックなどの運転免許取得研修と併せてリトレッドの知識も提供しています。一連の研修を受講してテストに合格した参加者には、研修修了時に運転免許証が交付されます。この講習は1990年から行われており、2023年には104人の研修プログラム参加者が免許を取得しています。

交通安全プログラム推進(中国)

子どもたちの交通安全意識と知識向上のため、普利司通(中国)投資有限公司は、中国道路交通安全協会と中国汽車工業協会が主催する農村学校の交通安全教育プログラムにおいて、交通安全資料の配付のほか、スノータイヤに関する安全教育を行いました。3省(黒竜江省海林市、貴州省、四川省)から6,200人の児童が参加しました。

視覚障がい者向けの交通安全サポート(韓国)

2020年の調査に基づく現地の統計データによると、58.8%の視覚障がい者が必要とするタイミングで病院へ通うことができない状況です。また、交通事故による死亡率は、視覚障がいのない人に比べてはるかに高いとされています。ブリヂストン タイヤセールス コリア(BSTK)は、韓国視覚障がい者連合会とのエンゲージメントを通じて、点字ブロックなどのインフラや、移動を容易にする安全なモビリティツール、交通手段など、視覚障がい者が直面する移動の課題解決に着目しています。視覚障がい者は、外出時に安全性への不安を感じることが多いため外出機会が減り、社会とのつながりが希薄になる場合があります。BSTKが2022年に立ち上げたプログラムでは、韓国政府による資金支援のもと、500人の方々に音響式歩行者用信号のリモコンを提供すると共に、タクシーのクーポンや回数券を1,500枚配付しました。また、BSTKは、韓国視覚障がい者連合会の現地スタッフがCarroll Centerの研修を受けられるよう調整役を果たしました。Carroll Centerは、視覚障がい者の自立した生活を支援する視覚リハビリテーションセンターです。こうした取り組みは、支援を提供した方々の安心・安全な移動を支えています。
2023年には、視覚障がい者の移動を補助する視覚定位置・地図装置(SKデバイス)を提供するなど、プログラム内容の拡充を図っています。

従業員ボランティアによる交通安全教育(ポーランド)

ポーランドのポズナンでは、2008年から従業員のボランティアによる交通安全教育に取り組んでいます。衝突試験用のダミー人形を模したキャラクターと一緒に交通安全に関するインタラクティブな授業を行っています。これまでポズナン市周辺の590以上の学校、38,000人以上の学生に520のワークショップを実施してきました。

交通安全に関するセミナー「Cultire」(イタリア)

ブリヂストン ヨーロッパ エヌヴィー エスエー(BSEMIA)の技術センターでは、従業員が同センターの知見を生かし、高校生などの若い世代に対し、交通安全について講義を行うプログラム「Cultire」を立ち上げました。同センターの有志が実施する交通安全セミナーでは、タイヤに焦点を当て、交通安全におけるタイヤの重要性について意識を高めることを目的としています。2017年の開始以来、約450人の高校生、および職業訓練に参加する300人の若い失業者の方々にセミナーを実施してきました。2023年は3回のセッションが開催され、6人のボランティアと30人の学生が参加しました。

交通安全ヒーローになろう(英国・アイルランド)

ブリヂストン北部地域では、自動車のタイヤと道路の接地面の大きさを示すサイズのポストカードを使った革新的な交通安全キャンペーンをドライバー向けに実施しました。ポストカードには、タイヤの溝深さ・空気圧・状態を簡単に点検する3点チェックの概要も記載されており、ドライバーにタイヤを定期的に点検するよう促すチェックシートになっています。ポストカードは、英国とアイルランド各地で開催されたタイヤの安全点検イベントにおいて配付され、ブリヂストンの施設や高速道路のサービスエリア、自動車愛好家のイベントなどでも配布されました。このイベントの目的は、自分のタイヤ点検だけでなく、家族や友人の車も点検し、安全点検を伝えるメッセージとともに、カードに書かれた安全知識を伝えることにあります。ポストカードを渡して他の人にもタイヤの点検方法を教えることで、「ブリヂストンの交通安全ヒーロー」になれるというものです。ポストカードとタイヤの安全に関するメッセージは、デジタルでも配布・宣伝され、英国とアイルランド全土で開催されたタイヤ安全推進活動とも時期が重なったことから、本キャンペーン期間中には、合計3,000枚のカードが配布され、7万人が目にすることになりました。北部地域全体に及ぶこの活動には、15名のスタッフメンバーがボランティアとして直接参加しました。

交通安全デー(ドイツ)

NETTO小売店チェーンとの協力による交通安全イベントで、ブリヂストンのチームメンバーがタイヤの溝深さの点検と空気圧の調整を行い、お客様にタイヤの適正な状態についての情報提供を行いました。このイベントの焦点は、タイヤの状態を良好に保つことの大切さについて意識を高めることにあります。48台の車を点検し、64人のエンドユーザーが参加。6名のボランティアがタイヤ点検、イベント会場の設営/撤去、テスト点検を行いました。

交通安全教育「It’s not a game!」(ポーランド)

ポズナンのShared Services Centreは、同じくポズナンにあるHigh School of Economicsとの協力のもと、若手プロフェッショナルの育成を支援しています。2023年に活動を拡大するにあたり、17~18歳の学生160名を対象とした交通安全イベント「It's not a game!」を開催しました。このプログラムには4つの学習エリアがあり、学生たちは、交通事故が起きた場合の応急処置やタイヤが安全性に及ぼす影響を学んだほか、シミュレーターでの横転体験、飲酒状態を再現するゴーグルを着用した視力低下体験を実施しました。10名のボランティアが、学生たちの関心を引き付けるイベントを企画し、「ゲームを通して知っていることと、実生活とは違っている」ということを教えました。

交通安全デー(ハンガリー)

ハンガリーのタタバーニャでは、2023年9月30日土曜日をブリヂストン交通安全デーとしイベントを行いました。このイベントは、Facebookと地元の新聞広告で宣伝が行われたため、交通安全のメッセージが強く打ち出されました。交通安全デーには、地域のショッピングモールの駐車場で、電子ミニカーを使った子ども向けのミニ交通サーキット、飲酒状態を疑似体験できるゴーグル、大人向けの無料タイヤ点検など、交通安全のテーマに関するエリアを設営して地域の家族を歓迎しました。訪問者はおよそ350人、BSHMのボランティア参加者は25人でした。

「Eyes on the Road」キャンペーン(中近東、アフリカ)

職業ドライバーの安全運転支援も当社グループの優先事項です。中近東・アフリカ(MEA)で2022年から実施している「Eyes on the Road Route to Ramadan」キャンペーンでは、健康と交通安全についての意識を高めてもらうことを目的に、2,000人以上のトラック運転手の皆さんに、断食後にリラックスして楽しい休憩を楽しんでもらう機会を提供しています。
この1か月間のキャンペーンは、トラック運転手の皆さんが安全に業務を遂行することを目的として、体力、人間工学、栄養、目の健康の重要性について理解を深めてもらうためのもので、専門家を招いて健康診断やアドバイスを提供しています。
このイベントは、UAE、サウジアラビア、モロッコで同時開催しており、ドライバー仲間たちとつながるひとときを感じることができる場となっています。このような体験を通して、トラック運転手の皆さんの日々の労力をねぎらい励ますことが私たちの願いです。

Wheel Wellとの連携によるタイヤ安全教室(南アフリカ)

2023年、ブリヂストン サウス アフリカ ピーティーワイ リミテッドは、生徒を対象として交通安全意識の向上を図るために、NPO活動を行うWheel Wellと連携しました。同年8月には、ブリヂストンのボランティアがカールフォンテンの中等学校の生徒400人を対象に教室を開き、車両・道路・タイヤの安全についての重要性を啓発しました。その後10月には、Curro Academy Clayville Primary SchoolとEldridge Primary Schoolの2つの小学校と協力して安全教育への取り組みを拡大し、合わせて268名の生徒と交流しました。こうした連携活動を行いながら、若い世代に安全意識を定着させていきたいと考えています。

公立学校での交通安全教育と啓発(インド)

Pimpri-Chinchwad Municipal Corporation Schoolにおけるボランティア主導の交通安全啓発プログラムは、交通安全の重要性について若者に教育することを目的としており、将来世代に、より強い安全意識や責任感を持って道路を利用してもらうよう促すものです。2023年には、プログラムは、プネ市内の15校で60回行われ、2,286人の生徒が参加しました。また20人のブリヂストン インディア プライベート リミテッドの従業員が合計167時間ボランティア参加し、活動をサポートしました。

インド全土における視覚障がい者の交通安全のための介入活動(インド)

ブリヂストン インディア プライベート リミテッドが実施するこのプロジェクトでは、第一段階として、国内で選定した5つの地域に居住する1,000人の視覚障がい者を対象に、移動に必要とされる訓練と情報を提供しています。
活動の目的は、参加者の方々が歩行や移動に自信を持ち、この介入プロジェクト以後も自立して歩くことができるようになることです。交通安全とより安全な移動について総合的に理解してもらうため、このプログラムでは、交通安全と歩行ナビゲーションに関するマニュアルを作成しました。
以下はプロジェクトに含まれる活動の一部です。
プロジェクトでは、まずトレーナー向けの全体研修を行い、5つの地域に適任者の割り当てを実施しました。その後、参加者のニーズに応じて2週間から1カ月の白杖を使った移動訓練を開催しました。プロジェクトを通じて1,000人の視覚障害者に白杖を配布したほか、視覚障害のある少女50人に、移動に役立つアプリを搭載したスマートフォンを配付しました。さらに安全な移動のためのスマートフォン使用トレーニングを行うなど、包括的な支援を行いました。

交通安全教育サーキット(スペイン)

5月4日と5日にトレラベガで開催された交通安全教育サーキットでは、同地域の学校の生徒200人が、歩行者や自転車利用者という立場から交通ルールと交通安全について学びました。
生徒たちは、ワークショップでトレーニングを受けた後、実習でさまざまな標識に注意を払いながらサーキットを三輪車で走りました。

トラック運転手のための安全移動講習(インド)

ブリヂストン インディア プライベート リミテッドでは、道路上での安全な移動を確保し、交通事故の発生件数を減らすため、トラック運転手向けのトラック運転技能の向上と視力矯正プログラムに力を入れています。この2つの活動を従業員ボランティアの協力により実施し、これまでに450人の若者が熟練職業ドライバーとしての講習を受けたほか、トラック運転手1万1,000人が視力検査と治療を受け、2,520本の視力補整用メガネがトラック運転手に配付されています。さらにこのプログラムでは、より健康的な生活習慣を身に付けることを目的としたカウンセリングも行いました。2022年には、さらに256人のトラック運転手が講習を受け、3,137人が視力検査と治療を受けています。