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交通安全に関する取り組み

世界保健機関の「Global status report on road safety 2023」によると、2021年の世界の交通事故死亡者数は推定119万人となり、2018年の報告数からわずかに減少しました。しかし亡くなる方の数は毎分2人を超え、1日あたり3,200人以上となっており、交通事故は依然として5歳の子どもから29歳の若者の主な死亡原因となっています。従って、交通安全は世界共通の課題であることに変わりありません※1。ブリヂストンも、タイヤメーカーとして安心・安全な移動を支えていくために、交通安全を重要な課題と捉えています。また、国連の持続可能な開発目標(SDGs)のターゲット3.6(世界の道路交通による死傷者数を半減させる)の達成に向けて、企業へも貢献が求められています。ブリヂストンは、交通安全が世界共通の課題であることを認識し、タイヤ会社として創業した背景から、交通安全は、グループの強みを活かして最も貢献できる分野であると考えています。

安心・安全で快適な移動のためにはタイヤの適切なメンテナンスが重要なため、「Bridgestone E8 Commitment」の「Ease より安心で心地よいモビリティライフを支える」の一環として、お客様や地域の方々にタイヤの安全点検などの安全啓発活動を実施しています。また、「Empowerment すべての人が自分らしい毎日を歩める社会づくり」につながる活動として、次世代に向けた交通安全や地域社会における生活の質の向上の重要性についても啓発しています。さらには、従業員向けの交通安全教育も充実させ、バリューチェーン全体で安全への意識を高めることで、商品やサービスだけでなく、日々の業務を通じて交通安全に貢献しています。

これらの取り組みからさらなるシナジーを創出するため、2023年、ブリヂストンは交通安全活動を推進する国際NPO、Global Road Safety Partnership(GRSP)と協力して、グローバルで相乗効果を生み出すプログラム「ブリヂストン交通安全プログラム(BRSP)」を開始したほか、社内向けガイドを作成し、「Life is a journey. Let’s make it a safe one.(人生は旅。安全な旅にしよう。)」という交通安全に関するスローガンのもと、GRSPとの連携をさらに強化しています。

ブリヂストン交通安全プログラムプレイブック
Global Road Safety Partnership CEOからのメッセージ

Dave Cliff
ONZM MStJ.
GRSP CEO

2022年の国連宣言では、民間セクターのリーダーに対し、世界の交通安全向上に向けたさらなる協力を要請しました。同宣言では特に、安全な自動車の購入、ドライバーと車両の安全性、資金提供、バリューチェーンへの「セーフシステム」の原則の適用など、民間セクターが大きな役割を果たせる領域に重きを置いています。持続可能な開発目標(SDGs)のターゲット3.6は、2030年末までに交通事故による死傷者を半減させることを掲げており、そのためにはあらゆる領域での協調的な取り組みが必要です。ブリヂストンは創業以来、交通安全を提唱し、また行動でもそれを示してきたことで知られていますが、この宣言を支持することで、同社の交通安全へのコミットメントが一層強化されました。
GRSPの創設理念は、パートナーシップを根底に置いています。これには、民間セクター、市民社会、政府のそれぞれの声を集めて、根拠に基づく交通安全政策策定や取り組みを企画し、実行することが含まれます。2020年以来、GRSPはこのパートナーシップモデルに従ってブリヂストンと力を合わせ、交通安全の考え方と行動の両面でリーダーシップを発揮してきました。
私たちGRSPは、このパートナーシップを発展させながら、ブリヂストンの交通安全への熱意とイノベーションをサポートしていきます。この先も改善を続けるためには、インパクトを創出する持続可能なプログラムや方針を生み出していく必要があります。従業員の熱意を活かしてバリューチェーン全体で交通安全に取り組むことで、ブリヂストンが事業を展開する地域や、それ以外の地域も含む世界における交通安全の推進に大きく貢献していくことを期待しています。

ブリヂストンの交通安全活動及びコミットメントが評価され、2024年には「Prince Michael International Road Safety Award」を受賞しました。1987年に英国で設立された同賞は、世界中の優れた交通安全の取り組みを表彰するものです。

Paul Choo
Chief Human Resources Officer, responsible for HR and CSR across
Bridgestone Asia Pacific, India, China (BSAPIC)

交通安全分野の最高の栄誉である「Prince Michael International Road Safety Award」を受賞でき、大変光栄です。ブリヂストンでは、お客様、そして地域社会に価値をもたらすことができるよう、絶えず努力しており、BRSP もその一環です。BRSP の下で行われる活動では、各コミュニティのニーズを考慮し、地域の道路利用者の日々の生活を向上させるために必要な交通安全活動を取り入れるようにしています。今回の受賞は、ブリヂストンが各地域のステークホルダーと継続的に協力していること、また次世代を担う若者に交通安全に関する教育を行うための革新的な戦略の策定に一丸となって取り組んでいることの証しです。

また、Asia Pacific Road Safety Observatory (APRSO)とアジア開発銀行、日本政府が東京で共催したAPRSO2024年次総会にも参加し、主要なステークホルダーと共にさらなる交通安全の推進について討論を行いました。このイベントでは、ブリヂストンの交通安全強化活動の進展やパートナーシップ、そして民間セクターがどのように交通安全問題に取り組んでいるかについて情報を共有すると共に、タイ ブリヂストン カンパニー・リミテッドが実施した若い世代への取り組み事例についても紹介しました。(事例の詳細は、当ページ内子どもたちの交通安全意識向上に向けた「Bridgestone Road Safety Project」を参照してください。)

当社は、2022年7月、BRSPのもとで国連交通安全基金(UNRSF)へ2022年から2025年の4年間で総額100万ドル(約1億3千万円)の寄付を行うことを発表しました。UNRSFとのパートナーシップを通じて、ブリヂストンがグローバルで進める交通安全活動を強化し、交通安全に対する国際社会の期待に応えることを目指しています。

2024年は、28の国・地域で91件※2の交通安全に関する取り組み(うち65件は外部パートナーと連携※3、1,114人の従業員ボランティアが参加※4)を168,537人の地域の方々に対して実施※5しました。2024年にはGRSPとの協力のもと、8つの交通安全活動を取り上げて指標を設定し、活動のインパクトの評価を実施しました。

  1. ※1出典:世界保健機関「Global status report on road safety 2023」
  2. ※2活動数の集計方法は国や地域によって異なります。
  3. ※3外部パートナーとの連携集計方法は国や地域によって異なります。
  4. ※4従業員ボランティア数は延べ人数であり、一部活動では推計値を含みます。
  5. ※5活動による直接裨益人数を集計し、確認できた活動のみを対象としています。集計方法は国や地域によって異なります。

安全啓発活動「Think Before You Drive」(中南米)


ブリヂストン アメリカス インク(BSAM)が2005年に開始した安全運転の啓発活動「Think Before You Drive」は、教育プログラムや教材を通して交通安全の大切さをドライバーに再認識してもらうことを目指しています。シートベルトの常時着用、タイヤのアライメント調整やバランス調整など、安全運転に欠かせない基本的なルールを守ることの重要性を伝えています。

交通事故や危険運転を減らすことを目的に、大学や政府機関と連携し、子どもや学生、ドライバーの皆様を対象に教育プログラムを実施しています。2015年以降、メキシコ、コスタリカ、コロンビア、エクアドルで開催し、学生や家族での参加者は78,000人近くにのぼります。

「Think Before You Drive – Kids」では、6~12歳の子どもを対象に交通安全のアドバイスを伝え、道路を安全に通行するために必要な行動に関する意識啓発に取り組んでいます。タイヤの安全性やメンテナンスの重要性を子どものうちから学べるよう促すコンテンツなど、ビデオ教材、学習活動、インタラクティブなゲームをオンラインで提供しています。BSAMは同プログラムの新機能として、VR(仮想現実)ヘッドセットを使って道路上の体験をシミュレーションできるコンテンツの提供も開始しました。

実績:
  • 2015年以降、約7万8,000人の学生やその家族がメキシコ、コスタリカ、コロンビア、エクアドルでのプログラムに参加
  • 2024年には、12校に通う4,000人以上の生徒が「Think Before You Drive – Kids」を通して学習
インパクト:
  • アセスメント対象となった2,035人の学生の98%が、このプログラムへの参加が、交通安全や責任ある移動のための適切な判断につながると回答
  • 参加した従業員の100%が、子どもたちに提供した交通安全教育の内容に自信があると回答
従業員からのメッセージ

Beatriz Prado
ブリヂストン コスタリカ
品質マネジメントシステムチーフ

Think Before You Drive – Kidsへの参加は斬新な体験でした。子どもたちと一緒にアクティビティを行い、交通安全について子どもたちに教えるのは楽しかったですし、大切な知識を伝えて、子どもたちと確かなつながりを持つことができる貴重なチャンスでもありました。子どもたちが好奇心いっぱいの顔をして、安全についての重要なコンセプトを3Dビューワーを使って遊びながら学び、理解していく姿を見るのはとても面白かったです。ブリヂストンは革新的な技術を使って、意味のあるメッセージを伝えているため、こういったアクティビティを通して子どもたちが安全意識を高めていく姿を身近で見ることができ、誇らしい気持ちになりました。このような経験があるからこそ、次の世代にポジティブなインパクトをもたらすボランティア活動にこれからも参加したいと思います。

安全運転啓発活動「Teens Drive Smart」(米国)


BSAMが地元の新聞社、学校と協力して実施している安全運転啓発活動「Teens Drive Smart」は、免許を取って間もない15-17歳の若者のドライバーを対象としたプログラムです。米国では、10代の若者の死因の第2位は交通事故です。プログラムでは半日の運転講習が行われ、参加者は運転技術の向上、事故回避技術の習得、非常事態への対処方法などを学びます。プログラムの参加者からは、「どこをとっても非常によくできたイベントでした(Ben W.さん)」や、「運転講習のインストラクターは素晴らしい経歴を持つ最高峰のプロでした(Amie C.さん)」といったコメントがよせられました。

実績:
  • 参加者71人、保護者/兄弟姉妹38人 (2024年)
インパクト:
  • 参加者の保護者38人に対して実施したアセスメントの平均スコア
  • 9.1/10 - プログラムは効果があった
  • 9.2/10 - ​緊急事態に対する備えができた
  • 9.4/10 - 集中力が乱れないようになった
テネシー州ナッシュビル市長Freddie O'Connell氏からのメッセージ

コミュニティ、そして道路の安全を守るというブリヂストンのコミットメントを、私たちナッシュビル市も共有しています。ナッシュビルに住む有権者は2024年、市の歴史的な「Choose How You Move(移動手段を選ぼう)」交通計画を承認しました。より安全な移動に向け、ブリヂストンのようなパートナーの存在は、命を守り、すべての人の生活の質を向上させるための同計画の持続的な成果につながると確信しています。

交通安全・雇用機会のためのプログラム「Project Sarthi」(インド)


インドの輸送において重要な役割を担うトラック運送業界では、ドライバーが25%近く不足していますが、交通安全上の観点からさらに問題視されているのが、大型車両(High Mobility Vehicle: HMV)ドライバーの92%が正式な講習を受けていないという調査報告です。大多数のドライバーが業務で危険を感じているほか、自分の職業に不満を感じていると回答しています。

ブリヂストン インディア プライベート リミテッド(BSID)は、モビリティと道路をより安全に整備していくという目標を掲げており、こうした状況は非常に危機的と認識し、インド各州の最新設備を備えた教習所との提携を通じてこの問題に対処してきました。「Project Sarthi」(「Sarthi」はヒンディー語で「運転する人」)と称したこのプログラムの目的は、HMVドライバーの技能を伸ばし、経済社会の中で弱い立場にある失業状態の若者などに雇用機会を創り出すことにあります。このプログラムでは、30日間の合宿運転講習が無料で受講でき、専門的な運転技能だけでなく、路上における安心・安全で責任ある行動のためのソフトスキルも育成することができます。また、BSIDチームのボランティアは、タイヤのメンテナンス、交通安全、金融リテラシーなどに関するプログラムも実施しています。講習プログラムを修了したドライバーは、国家技能資格枠組み(National Skills Qualifications Framework: NSQF)とBSIDの共同認定を取得できると共に就職支援も受けることができます。2017年以降、延べ2,563人のドライバーがProject Sarthiのもと、講習を修了しています。(2024年末時点)

実績:
  • 2017年から2024年にかけて、2,563人の職業ドライバーが技能等級昇格と認定を受け、864人のHMVドライバーが短期のリフレッシュ講習を修了
  • 2023年から2024年にかけて、トラックドライバーと地域住民合計5,302名が施設を利用
インパクト:
  • HMVに関連する講習に参加した受講者の技能知識評価スコア平均値は参加前の6点から10点に66%上昇した(2024年の講習参加者135名中24名に対してアセスメントを実施)。
  • 受講者の78%がOEMに就職
  • 受講修了者の92%が自身の職業としてHMVドライバーを続けたいと回答
  • 受講修了者の収入はトレーニング終了後に110%増加し、1年後のフォローアップ調査では470%増加している(2017年から2022年の間に修了した518のドライバー中、245名の平均値)

子どもたちの交通安全意識向上に向けた「Bridgestone Road Safety Project」(タイ)


タイ ブリヂストン カンパニー・リミテッドは、NGOであるAIP Foundation※1の協力のもと、タイでの交通安全問題に取り組む「Bridgestone Road Safety Project」を実行しています。この取り組みは、生徒と教員の交通安全に関する知識を高め、行動を改善すること、そして同時に持続的なアドボカシー運動に向けた「ブリヂストン交通安全ユース チャンピオン」のネットワークを確立することを目的としています。同プロジェクトは地域コミュニティ、特に若者に焦点を当てており、インフラの整備やブリヂストンの従業員が地域コミュニティと関わりを持つよう促す施策を行っています。

AIP Foundationは、「ブリヂストンとのパートナーシップは、共に協力することで、公衆衛生の分野でポジティブな変化を生み出すことができるという、素晴らしい例になっています。十分なサービスを受けられずにいるコミュニティに有意義な影響を及ぼすという私たちのコミットメントを共有するパートナーを持つことができ、大変感謝しています」と述べています。また、iRAP※2との交通安全分野での連携で得た知識は、他の地域での活動に活用されています。2021年に始まった同プロジェクトは、これまでにタイ国内の12の学校と関わりをもち、3か所で道路インフラ整備を完了しています。

実績:
  • 2024年には4つの学校に通う生徒200人と教員12人、保護者と地域の人々1万4,951人がプログラムに参加、交通安全ユース チャンピオンとして24人が活動
  • 1つのスクールゾーンで安全性が向上
インパクト:
  • iRAPのStar Rating※2が1から2.8へ改善(2024年)
  1. ※1アジアとアフリカの脆弱なコミュニティを中心に交通安全の改善を目的とした活動をするNPO
  2. ※2国際道路評価プログラム(iRAP)は、世界中の危険性の高い道路をなくして人命を救うことに尽力する登録慈善団体です。iRAPが開発したStar Ratingは、安全性のレベルを客観的に評価するものです。
従業員からのメッセージ

Thanarak Kanchanakhanthakul
タイ ブリヂストン カンパニー・リミテッド サステナビリティ・CSRリーダー

私たちのプロジェクトでは、ユース チャンピオンが地域の人々の先頭に立って、交通安全を重視する地域サービス活動に参加できるよう支援していますが、たくさんの若い人たちの力、そして交通安全を課外授業に組み入れていくことが、このプロジェクトを成功させるカギになります。

道路の安全「Sicurezza」教育(イタリア)


イタリアでは、2021年上半期から2022年上半期にかけて交通事故死亡数が24.7%増加するという憂慮すべき状況となっており、さらに残念なことに、こうした犠牲者の中で最も大きな割合を占めているのは、15歳から29歳の若者です。ブリヂストンの多面的プログラム「Sicurezza on the road」(道路の安全)では、若者に交通ルールの知識を教えて守ってもらうという大切な課題の解決が狙いです。2年目の活動として、若者のドライバー及び「未来のドライバー」である10代の若者を対象に、交通安全プログラムを実施しました。学びと遊びを融合したエデュテイメントを通じて若者の意識啓発を目指したこのプログラムは、学校、屋外イベント、そして多様性を育む専用のインクルージョンキャンプで行われました。イタリア赤十字社(CRI)の協力を得た同プロジェクトには、ボランティアとしてブリヂストンの従業員139人とCRIのメンバー2,341人が参加しました。

このイベントは大きな反響を呼び、参加者からは「このキャンプに参加したので、免許を取得したら絶対に車両の制御、車の状態、タイヤの管理方法によく気を配ろうと思います」という意見もありました。このキャンプに続き、2023年10月以降は交通安全コースのプログラムとして継続しており、中等学校に通う生徒約15,000人が参加しました。CRIのボランティアとミラノ、ローマ、バリのブリヂストン従業員の主導のもと、移動と安全に関するノウハウを提供しています。

実績:
  • 2024年は約30,000人が関与(学校:15,000人、屋外イベント:15,000人、インクルージョンキャンプ:200人)
  • 報道キャンペーン(記事数:205件)で17,000人にアウトリーチ。ソーシャルキャンペーンでFacebookユーザー50万人、Instagramユーザー925,800人、LinkedInユーザー15,800人にアウトリーチ
インパクト:
  • 生徒500人の平均アセスメントスコアは3.65から6.51に上昇
パートナーからのメッセージ

Edoardo Italia
イタリア赤十字社副社長・赤十字青年ボランティア イタリア代表

ブリヂストンとパートナーシップを結んだことで、これからますますたくさんの人たちの心を動かせるようになります。ブリヂストンの技術支援を受けて作成した交通安全ツールキットは、交通安全の教育方法についてボランティアの知識を広げるのに役立っていくと思います。このパートナーシップのおかげで、今後の交通安全に関する課題にいつでも対処できる態勢が整いました。

タイヤの日 交通安全啓発活動(日本)


日本における春の全国交通安全運動の期間に合わせて、4月8日は「タイヤの日」として制定されています。この4月、ブリヂストンは「タイヤは生命を乗せている」を大原則とし、交通安全への意識を高めるための多様な活動を展開しました。この期間を「安全点検活動強化月間」と位置付け、ブリヂストンタイヤソリューションジャパン(株)を中心に推進する『#TIRE SAFETY』活動の一環として、ブリヂストングループ全体で自動車、バイク、自転車に関する家族向けイベント「ファミリー交通安全パーク」を実施し、交通安全の啓発に努めています。

このイベントは、日本交通安全教育普及協会(JATRAS)、日本自動車連盟(JAF)、地元警察との協力のもとで実施されており、地域社会との連携を強化しています。また、秋の全国交通安全運動期間中にも「ファミリー交通安全パーク」を開催し、全国的な活動と連動して、ブリヂストングループ全体で幅広い世代に向けた様々なモビリティに対する交通安全啓発活動を展開しています。

実績:
  • 2回開催(春、秋)し、合計8,381人がコンテンツを体験(2024年)
インパクト:
  • 97%が、このイベントに参加して交通安全への意識が高まったと回答
  • 98%が、イベントを体験して日常点検の重要性を理解できたと回答
    (758人の来場者に対しアセスメントを実施。)

地域社会に根差した交通安全活動(日本)


ブリヂストンは日本全国に工場拠点を構える企業として、「タイヤは生命を乗せている」を大原則とし、地域ごとの交通安全ニーズや課題を解決するため、全国で交通安全活動を展開しています。これにより、地域社会への貢献を増やし、つながりを強化しています。

交通安全の課題は地域によって異なりますが、工場拠点地域では特に子どもや高齢者といった交通弱者の安全確保が重要なテーマとなっています。ブリヂストンの各工場拠点では、事故死傷者ゼロを目指し、交通弱者が自分自身を守るための安全意識を醸成する活動を行い、自転車及び歩行者シミュレータを活用した小学校への出張授業や、地域住民との交流を促進する工場イベントを通じて、受講者の年代に応じた交通安全プログラムなどを提供しています。

シミュレータを活用したプログラムでは、普段の生活環境や状況における事故の危険を予知する内容を学ぶことができ、受講者は自分事として捉えることができます。主な対象は子どもたちですが、先生や親など大人も一緒に受講するケースが多く、幅広い世代に対して交通安全の重要性を訴求しています。

さらに、地元警察や自治体とも連携し、工場拠点周辺の交差点や横断歩道での立哨活動も行っており、地域社会に根差した交通安全活動を幅広く展開しています。

実績:
  • 全国7ケ所で開催し、合計471人が受講(2024年)
インパクト:
  • 99%の受講者は、このプログラムを受講して自転車に乗るとき/道を歩くときに気を付けることを学んだと回答(302人の受講者に対しアセスメントを実施)
  • 97%の受講者は、このプログラムを受講して自転車に乗るとき/道を歩くときに交通ルールを守ると回答(302人の受講者に対しアセスメントを実施)
  • このプログラムを一緒に受講した全ての先生が、児童が交通安全に関する知識を理解し、交通ルールを守って安全に行動できるようになると回答(9人の先生にアセスメントを実施)

二輪安全運転講習(日本)


安心・安全・快適・楽しいバイクライフを送ってほしいという考えのもと、ブリヂストンは様々な外部団体と共同で二輪の安全運転支援活動を行っています。

日本二輪車普及安全協会が主催する初心者ライダーや運転に不安があるライダーを対象とした、安全運転技術の向上と交通法規・マナー遵守を目的とした体験型二輪車安全運転講習会「ベーシック・ライディング・レッスン」において、ブリヂストンはタイヤ管理の重要性について展示・説明・講習を行い、足元から二輪車を楽しく安全に運転して頂く為の啓発を行っています。2024年中には関東、中部東海、近畿、九州各県開催20回に出展し、参加者519人のライダーに対して講習を実施しました。

また、若年層や初心者ライダー、中高年リターンライダーの事故低減・軽減を目的に、二輪用品ディーラーが主催する二輪車安全運転講習会「ナンカイ・ライディング・スクール」において、二輪タイヤのメンテナンスやタイヤ点検方法に関するレクチャーを行っています。この安全運転講習会では、安全運転講習インストラクター資格を持つブリヂストンモーターサイクルタイヤ(株)の従業員がボランティアとして全11回にわたり講師を勤めました。

実績:
  • 11回開催し、合計458人が受講(2024年)
インパクト:
  • 99%が、ライディングに対する知識が向上した/多少向上したと回答。
  • 99%が、ライディングスキルが向上した/多少向上したと回答。

安全な道路の維持(リベリア)

ファイアストンナチュラルラバー(リベリア)は、2023年、リベリア国内の700マイル以上の道路と橋を維持するために120万ドルを投資しました。この道路整備プロジェクトは、地域の全ての人々が安全な道路や橋を利用できるようにすることを目指して行われています。

2017年、リベリアのハーベルにあるドゥ橋が崩壊して以来、ファイアストンナチュラルラバーはリベリア政府と協力し、重要なインフラの修復などを支援してきました。道路を整備することは、地元の学校に通う推定7,000人の生徒を含めたあらゆる年齢の人々に恩恵をもたらすと共に、雇用、医療、教育の確保に直結します。

高校生のための「交通安全教室」(オーストラリア、ニュージーランド)

ブリヂストンは、オーストラリア及びニュージーランドにおける最大かつ主要な若者向けの交通安全教育機会である「Rydaプログラム」を提供するRoad Safety Education Limitedと連携して活動を行っています。Rydaでは、教室での多様な学習教材に加え、若者のドライバー及び同乗者向けにインタラクティブなワークショップを両国の各地域で開催しています。2024年は、716校から参加した延べ62,294人の学生に対して500回のワークショップを行い、道路上でより安全な行動が取れるよう、運転者及び同乗者としてのマナーやツールを含めた啓発活動を実施しました。

Road Safety Education Limited CEO/MDからのメッセージ

Terry Birss
CEO & Managing Director
Road Safety Education Limited - provider of the Ryda program

私たちRydaは、交通安全に関する共通の目標である、道路上の命を守り、交通被害者を一人でも減らすために、皆さんと一緒に取り組んでいます。設立から25年を迎えたRYDAは、次世代に対して交通安全に対する知識やスキルの習得を目的に設立され、これまでにおよそ85万人の生徒が参加しています。ブリヂストンの継続的な支援により、Rydaは、命がかけがえのないものであるというメッセージを学生に伝え、交通安全意識を高めることにつなげています。私たちは、ブリヂストンが、オーストラリア及びニュージーランドを含む世界各地で交通安全教育に貢献する重要なパートナーであると考え、その支援に感謝しています。

インド全土における視覚障がい者の交通安全のための支援活動(インド)

ブリヂストン インディア プライベート リミテッドが実施するこのプロジェクトでは、第一段階として、国内で選定した5つの地域に居住する1,027人の視覚障がい者を対象に、移動に必要とされる訓練と情報を提供しました。プロジェクトのインパクトを維持するため、5つの地域の16名のマスタートレーナーが、デリーにあるインド工科大学内のインド国立医療支援技術センター(National Centre for Assistive Health Technologies)において、4日間の集中合宿研修に参加しました。

活動の目的は、参加者の方々が歩行や移動に自信を持ち、この支援プロジェクト後も自立して歩行可能となることです。交通安全とより安全な移動について総合的に理解してもらうため、このプログラムでは、交通安全と歩行ナビゲーションに関するマニュアルを作成しました。
さらにプロジェクトでは、参加者のニーズに応じて2週間から1カ月の白杖を使った移動訓練を開催しました。プロジェクトを通じて1,027人の視覚障がい者に白杖を配布したほか、視覚障害のある少女50人に、移動に役立つアプリを搭載したスマートフォンを配付しました。

交通安全スクールプログラム(RSSP)2024を通した交通安全意識の醸成(インドネシア)

ピーティー ブリヂストン タイヤ インドネシア(ブリヂストンインドネシア)では、交通安全・安心の向上に向けた取り組みの一環として、道路上での安全な行動に関する学生の意識啓発を目指す交通安全スクールプログラム(Road Safety School Program (RSSP))2024を開始しました。同プログラムは、道路標識や道路上での安全な行動、そして交通安全インフラの重要性を若いころからきちんと理解してもらうことを目的に、公立中学であるSMPN 2 ブカシ校で開催されました。

ブリヂストンインドネシアがブカシ市の教育委員会、交通局、警察局、高速&水資源局、及びコンサル企業のTransportologiといった地元のステークホルダーと協力して実施した同プログラムは、学生の間で交通安全に関する意識を高め、安全な学校環境を作るためにインフラを整備することを目的としています。

RSSP 2024の最初の取り組みとして、2024年6月6日に交通安全に関するウェビナー講習を開催し、89の小中学校から290人の教師が参加しました。講習では、交通安全リスクアセスメント調査を行い、特に高リスクとされた10校の中から、国道の近くにあり交通事故の危険性が高いSMPN 2ブカシ校を検証調査対象とし、道路状況、交通パターン、標識の評価を行いました。2024年5月から7月にかけてはステークホルダーエンゲージメントミーティングが開かれ、安全性向上に向けた取り組みの調整や確認を行いました。

2024年9月には、同校の生徒148名と、教師20名が参加する交通安全ワークショップが開催されました。参加者たちは、学校周辺の道路状況、道路標識の有無、道路ユーザーの行動を分析し、学校周辺の交通安全マップを主体的に作成しました。

2024年11~12月には13の道路標識が設置され、安全性は大幅に向上しました。この結果、学校周辺のiRAPのStar Ratingは1から3に改善しました。整備されたインフラは2024年12月17日に正式に学校に引き渡され、今後は学校がメンテナンスを実施していく予定です。

この取り組みを通して、生徒たちは交通安全に関する重要な知識を身に付けたほか、すべての人に安全な移動環境を作り出すことができました。このプロジェクトでは、人事総務ディレクターを含め、ブリヂストンインドネシアの5名の従業員が中心的な役割を果たしました。

SMPN 2ブカシ校副校長Abdul Khoirさんのコメント:

ワークショップでは、道路状況を実際に観察し、学校前の道路標識を確認するといった実習もあり、楽しい活動が組み込まれていたため、参加した生徒は非常に熱心に取り組んでいました。当校ではこのプログラムを継続する予定で、今回のワークショップに参加した生徒を指導し、他の生徒に今回学んだ知識を伝えてほしいと考えています。ピーティー ブリヂストン タイヤ インドネシアによる交通安全教育プログラム2024は素晴らしかったため、SMPN 2ブカシでだけでなく、ブカシ市内の他の学校でもぜひ実施してほしいと思います。これからも生徒、そして学校の発展につながる他のプログラムを期待しています。

SMPN 2ブカシ校 生徒会長Pelangiさんのコメント:

このプログラムのおかげで、適切な交通安全行動、潜在的な危険性、歩行者の振る舞い、未成年での運転の禁止などに関する意識が生徒の間で高まると思います。生徒、学校、そして社会全体にポジティブなインパクトをもたらすよう、これからもこのプログラムを継続してほしいです。

このプロジェクトは、ブリヂストンインドネシア初の包括的な学校向けの交通安全プログラムであり、基本リサーチ、教育、そしてインフラ整備が行われました。今後はこのプログラムの有効性を評価するため、インパクトアセスメントを実施する予定です。
この取り組みは、報道機関でも取り上げられています。

従業員メッセージ

Delfania Matasik
ピーティー ブリヂストン タイヤ インドネシア
サステナビリティ&CSRリード

若い人たちがあれほど交通安全に夢中になってくれるとは、思ってもいませんでした。私達の活動が、若い人たちの日々の生活に何らかの解決策をもたらしたことを誇りに思っています。

タイヤのメンテナンス研修を通した交通安全啓発活動(韓国)

韓国では、多くの車両が個人所有である一方、多くのドライバーは定期的な講習やメンテナンス機会が不足しています。ブリヂストン タイヤセールス コリアは、この韓国市場の重要なニーズに取り組むため、2024年12月に「交通安全エンゲージメント」プログラムを企画しました。特にトラックドライバーにとって、タイヤの適切なメンテナンスは重要です。ブリヂストンはTruck, Bus and Radial Family Channel (TBR FC)販売店及び自社の営業チーム、技術チームと連携して、総合的なタイヤのメンテナンス研修を実施しました。

このプログラムの目的は、タイヤの空気圧の点検や偏摩耗の特定、摩耗の原因の理解といった、タイヤ管理の基本的な手法をトラックドライバーに教え、スキルを身に付けてもらうことです。研修は3回のセッションに分けて行われました。2024年12月9日と16日に慶尚南道にあるトラック・バス・ラジアルタイヤファミリーチャネル(TBR FC)販売店近くで開催された研修では、交通安全やタイヤのメンテナンスに関するテーマを取り上げました。

イベントには営業、サステナビリティ&CSR、プロダクトソリューションの各チームを代表して3人のブリヂストン従業員が参加し、協力して研修を成功に導きました。TBR FC販売店を訪問した合計100人のトラックドライバーが講習に参加しました。

参加したトラックドライバーからは感謝の声が寄せられ、これまであまり考えたことのなかったタイヤのメンテナンスや交通安全を理解する上で非常に役に立ったとのコメントも多くありました。また、こういった研修機会はあまりないため、今後もこういった研修を実施してほしいという声も、頂きました。

ブリヂストン コリアでは今後同プログラムを拡充し、講習を開催することでより多くのTBR FC販売店との関係構築に努め、国内全域で交通安全意識を高めていきます。

移動格差の解消:BuBuシェアリングサービスで地方でのアクセスを改善(台湾)

2023年8月21日、ブリヂストン台湾は、BuBuシェアリングプロジェクトへの貢献が認められ、台湾交通部の王國材(Wang Kwo-Tsai)大臣から感謝状を授与されました。新竹県尖石鄉(Jianshi Township)では、移動手段が限られるため、高齢者の外出機会減少が地域課題の一つとなっています。大臣はこのサービスを利用して友人との外食を楽しむ高齢者の様子を直接視察しました。

台湾農村部での移動問題への取り組み:台湾の険しい山あいの地域にある農村地帯では、道路状況が悪く、タイヤはすぐに摩耗してしまいます。さらに、人口が少なく公共交通サービスの選択肢が限られているため、地域に住む住民は、医療、教育といった基本的なサービスへのアクセスや通勤に困難を抱えています。

このような移動面での格差解消のため、ブリヂストン台湾では2018年からタイヤの寄付を通じBuBuシェアリングプロジェクトを支援し、地方に住む人たちにより安全で信頼できる移動手段の提供をサポートしてきました。

台湾交通部が2018年に開始したBuBuシェアリングプロジェクトは、地方での移動問題に対処することを目的とした、住民本位のフレキシブルな輸送サービスです。地元ドライバー、多種多様な車両、非営利団体を巻き込んだこのプロジェクトでは、通学、通院、通勤といった生活に不可欠なニーズのために、予約をベースに目的地までのライドシェアサービスを提供しています。
ブリヂストン台湾は2021年に政府から任命された民間団体Din Han Engineeringと提携し、地方での安全で持続可能な輸送手段の提供を目的に、活動を強化しています。同プロジェクトはその後、進化するインパクトを反映する形でHappiness Bus 2.0プロジェクトに改名されています。

BuBuシェアリングプロジェクトの主な成果:過去6年の間に、BuBuシェアリングは人里離れたコミュニティでの移動・アクセシビリティを大幅に改善しました。2023年の成果は以下のとおりです。

  • サービス稼働日:345日
  • 利用者数:17,674人
  • 輸送回数:3,193回
  • 移動距離:54,542キロ

このプロジェクトは、移動手段としてだけではなく、地方住民の生活の質向上に重要な役割を担っています。

  • 教育、医療、雇用機会へのアクセスの提供
  • 移動手段の向上により地元のビジネスを支援
  • コミュニティ内のつながりを強め、社会交流を促進
  • ブリヂストンのCSR(企業の社会的責任)、持続可能な移動ソリューションへのコミットメントの促進

今後もステークホルダーの皆様と協力し、安全でインクルーシブな移動手段を支援することで、都会と地方の格差を解消し、必要としている人により良い日々の移動手段を提供することに取り組んでいきます。

「Bridge to Knowledge」キャンペーン(ベトナム)

ノックソア橋2

ブリヂストンは、商品、サービスや様々な取り組みを通じて地域の安心・安全な暮らしを支えています。ベトナムでは、雨季に洪水が多発する地域で多くの木製の橋が老朽化し、通勤や通学の安全が懸念されています。ブリヂストン タイヤ セールス ベトナム リミテッド ライアビリティ カンパニーは、「Bridge to Knowledge」キャンペーンを展開し、10年間にわたり国内で橋を建設し、メンテナンスを行うことを目指しています。

2024年は、新たに1本の橋を建設し、2024年末時点でプロジェクト開始時から延べ11本の橋の建設が完了しました。この新しい橋は、学生40人を含む約330人の人々に利用されており、教育施設や公共施設への安心・安全なアクセスを支えています。

お客様への安全啓発研修(ベトナム)

ベトナムの技術チームは、2024年、お取引先様である郵船ロジスティクス株式会社や自動車販売業者に対し、交通安全とタイヤの安全性について学ぶオンサイト研修を実施しました。また、交通安全をさらに順守徹底してもらうべく、トラック用の交通安全ステッカーも配付しました。

交通安全デー(ドイツ)

NETTO小売店チェーンとの協力による交通安全イベントで、ブリヂストンのチームメンバーがタイヤの溝深さの点検と空気圧の調整を行い、お客様にタイヤの適正な状態についての情報提供を行いました。このイベントの焦点は、タイヤの状態を良好に保つことの大切さについて意識を高めることにあります。48台の車を点検し、64人のエンドユーザーが参加。6名のボランティアがイベントのサポートを行いました。

交通安全デー(ハンガリー)

ブリヂストン タタバーニャでは、2024年8月に毎年恒例のブリヂストン交通安全デーのイベントを行い、従業員やその家族が教育体験に参加しました。

当日は、交通安全意識向上を目的とした様々なアクティビティを実施しました。参加者は、横転事故や飲酒運転を疑似体験できるシミュレータを体験し、安全運転の大切さを再認識しました。また消防士の実演では、衝突事故からの救助など、実際の救助活動を再現し、参加者に強い印象を残しました。

ミニ交通サーキットでは、子どもたちが電動ミニカーを運転し、交通安全について、楽しく、インタラクティブな形で学ぶ機会となりました。地元警察もこのイベントに協力し、ルーレット盤のゲームや交通安全の参考になる教材の提供など、イベントの教育価値向上に貢献しました。

このイベントは地元の主要新聞で記事として取り上げられたため、交通安全デーのメッセージは多くの人に届きました。交通安全デーは、道路上、そして道路以外の場所でも安全文化を育成するというブリヂストンのコミットメントを具現化したものであり、およそ2,300人の参加者の心に残る経験となりました。

  

従業員ボランティアによる交通安全教育(ポーランド)

ポーランドのポズナンでは、2008年から従業員のボランティアによる交通安全教育に取り組んでいます。衝突試験用のダミー人形を模したキャラクターと一緒に交通安全に関するインタラクティブな授業を行っています。これまでポズナン市周辺の600以上の学校、約40,000人の学生に550のワークショップを実施してきました。

タイヤ安全講習「Brake & Tire Watch」(南アフリカ)

ブリヂストン サウス アフリカ ピーティーワイ リミテッドでは、引き続きBrake & Tire Watchプロジェクトを実施しています。この取り組みは、運送業者の皆様に効率の良いブレーキのかけ方、タイヤ点検、トラックの予防整備の大切さに関する意識向上を目的としており、車両が道路上での使用に適切で安全な状態であることを確認するため、タイヤ、照明、反射マークといった車両の安全に関わる重要箇所を点検対象としています。

交通関連職員の方々に専門知識を身に付けてもらうことも、同プロジェクトの重要な側面です。こうすることで、道路上での使用にふさわしくない大型車両を特定して、道路から締め出すなど、関係者は各々の役割を効率よく果たすことができます。ブリヂストンのテクニカルマネージャーはFleet Watchと協力して、タイヤの安全に関する基本講習を指導し、ワークショップを毎月実施しました。800人の交通関連職員が参加したワークショップでは、道路の安全性を向上し、交通規則をより効果的に実施するために必要な知識を提供しました。この取り組みは、交通安全を向上させ、交通関連職員の専門的能力の開発をサポートするというブリヂストンのコミットメントを明確に示しています。

       

交通安全教育サーキット(スペイン)

プエンテ・サン・ミゲル工場は、地元の町役場及びスペイン交通省(DGT)と連携して、地元のトレラベガの子どもを対象とした2度目の交通安全教育サーキットを開催しました。2日間にかけてFerial運動場で行われたイベントには、7歳から10歳の子どもたちおよそ250人が参加しました。

参加した子どもたちは、学科講習に加え、子ども用の交通公園で三輪車を使った交通ルールに関する実習を受けました。また、子どもたちが楽しく、興味がわく方法で交通信号を守り、障害物を回避して進む方法などを学べるよう、特別な計らいとして、DGTが自転車のスキル習得のためのサーキットを設置しました。

ブリヂストンの「交通安全キャンペーン」の一環として実施されたこのイベントは、未来のドライバーである子どもたちの間で交通安全を推進し、事故を防ぐことを目的としています。開会式にはブリヂストン工場の代表者のほか、地元の安全当局の方々も出席し、前回のイベントの成功を称賛しました。

交通安全ヒーローになろう(英国・アイルランド)

ブリヂストンは、英国・アイルランドで自動車のタイヤと道路の接地面の大きさを示すサイズのポストカードを使った革新的な交通安全キャンペーンをドライバー向けに実施しました。ポストカードには、タイヤの溝深さ・空気圧・状態を簡単に点検する3点チェックの概要も記載されており、ドライバーにタイヤを定期的に点検するよう促すチェックシートになっています。ポストカードは、英国とアイルランド各地で開催されたタイヤの安全点検イベントにおいて配付され、ブリヂストンの施設や高速道路のサービスエリア、自動車愛好家のイベントなどでも配布されました。このイベントの目的は、自分のタイヤ点検だけでなく、家族や友人の車も点検し、安全点検を伝えるメッセージと共に、カードに書かれた安全知識を伝えることにあります。ポストカードを渡して他の人にもタイヤの点検方法を教えることで、「ブリヂストンの交通安全ヒーロー」になれるというものです。ポストカードとタイヤの安全に関するメッセージは、デジタルでも配布・宣伝され、英国とアイルランド全土で開催されたタイヤ安全推進活動とも時期が重なったことから、本キャンペーン期間中には、合計3,000枚のカードが配布され、7万人が目にすることになりました。両国全土に及ぶこの活動には、15名のスタッフメンバーがボランティアとして参加しました。

従業員メッセージ

Helen Roe
Bridgestone UK Ltd.
ブランドアクティベーション&ビジネスマーケティングマネージャー

ボランティア活動として、「One Million Minutes」キャンペーンに参加し、特に交通安全、タイヤの安全、そして「タイヤは生命を乗せている」にハイライトを当てた活動を行いました。この目的の下、多くのタイヤ点検も無料で実施しました。
今年は地域での清掃活動など、環境プロジェクトもいくつか行いました。
ボランティア活動への参加は、日常の業務では一緒に仕事をすることのない同僚と共に活動をするチャンスでもあります。ボランティア活動は本当に楽しかったですし、多くのことを学ぶことができます。皆さんもぜひ挑戦してみてください。

自転車安全運転講習(日本)


2017年に「自転車活用推進法」が施行され、電動アシスト自転車の普及と相まって、保育園などの送迎、高齢者の自動車から自転車への乗り換えやデリバリーサービスの普及など、自転車の利用機会が多様化しています。このような変化に伴い、新たな自転車の交通安全に関する課題が浮き彫りとなっています。

ブリヂストンサイクル(株)は、日本における自転車業界の一企業として、全国の自治体、学校、警察署と連携し、未就学児からファミリー層、高齢者まで、各ライフステージに応じた自転車交通安全講習を実施しています。自転車の安全な乗り方や、実際の自転車事故現場での考察をもとにした危険予知トレーニングを取り入れ、交通安全ルールの学習機会を提供しています。2024年には2,600人を対象に54回の自転車交通安全講習を実施しました。講習会で得た知見をもとに、交通安全啓発動画を制作しています。

また、交通事故死傷者ゼロの実現に向けて、自動車メーカーや保険会社などと連携し、児童や自転車の交通事故死傷者ゼロに向けた他業種との横断的な実証実験にも参画しています。警察庁や国土交通省、全国自治体とも連携し、官民一体で政策視点から協働しています。

ブリヂストンサイクル(株)は、地域の困りごとに応じた自転車交通安全講習の実施と共に、自社の活動だけでは達成できない交通事故死傷者ゼロの実現に向けて、積極的に官民・他業種との連携を図り交通安全啓発活動に取り組んでいます。

高齢者向け交通安全講習「Good Driver Lesson」(日本)


日本では高齢化社会を迎え、高齢ドライバーによる事故が増加しています。ブリヂストンは、NPO法人グッドドライバー・レッスンが主催する高齢者向け交通安全講習「Good Driver Lesson」に、自動車メーカーや保険会社、地域カーディーラー、自治体、地元警察などと共同で参画し、高齢ドライバーの事故防止を目的とした体験型講習を実施しています。2024年は合計10回の講習に参加し、延べ380人が体験しました。この講習では、“安全な運転”のために必要な身体機能や認知機能を考慮し、高齢者を対象に体験型レッスンを開催し「車は単なる便利な道具ではなく、運転はとても楽しい」ということを伝えることで、不幸な事故を未然に防ぎ、これからも『安全・楽しく・快適』なカーライフを楽しむ手助けをすることを目指しています。ブリヂストンは、この講習の中でタイヤの安全に関する講義を担当し、摩耗したタイヤの危険性や空気圧点検などタイヤ点検の重要性について啓発活動を行っています。