ニュースリリース

“天然ゴム生産性向上のための研究開発に貢献”

天然ゴム資源「パラゴムノキ」のゲノム解読に成功

~「100%サステナブルマテリアル化」の実現に向けて~

2012年7月10日
No.114

 株式会社ブリヂストンは、国立遺伝学研究所(静岡県三島市)大量遺伝情報研究室の研究協力のもと、ラテックス※1産出植物であるトウダイグサ科「パラゴムノキ(Hevea brasiliensis)※2」 のゲノム※3概要配列の解読に成功しました※4

 当社は天然ゴムの生産性向上を目的として進めている「パラゴムノキ」の分子育種※5基盤研究を加速させるため、「パラゴムノキ」が有する推定14億bp※6のゲノムを解読しました。今回解読したゲノム情報は、遺伝子が豊富に存在するゲノム領域の9割以上をカバーしているものと推定されます。解読したゲノム情報を活用することで、生産性が高く品質の高いラテックスを産出するパラゴムノキを選抜する技術や、耐病性・環境ストレス耐性に優れた品種の開発など、様々な応用研究を加速できるものと考えています。

 当社は天然ゴム産業の発展に向けて様々な取組みを進めています。その一つとして、2011年2月から当社、独立行政法人産業技術総合研究所、インドネシア技術評価応用庁の3者で、バイオテクノロジーを応用した天然ゴム増産技術開発をテーマとする国際プロジェクトを推進しています。このような研究開発は、天然ゴムの生産性向上に寄与するだけでなく、ゲノム科学を産業へ応用する新たな事例として今後の発展が期待できるものと考えています。

 世界の自動車保有台数増加に伴い、タイヤの需要拡大が見込まれる中、当社グループは、地球上の資源を有効に活用し、リデュース、リユース、リサイクルを進めることを前提とし、あらたに投入する資源はサステナブルであるべきと考えています。本研究のような天然ゴムの生産性向上を含め、様々なバイオマテリアルの研究開発を通じて、タイヤの原料を「100%サステナブルマテリアル※7化」することを目指していきます。

※1 パラゴムノキが産出する天然ゴム成分を含む乳液
※2 ブラジル原産の熱帯樹木で、現在、工業原料としての天然ゴムを産出する唯一の有用植物
※3 生物が生きていく上で必要な遺伝情報が書き込まれた、生物の「設計図」
※4 今回のゲノム解読には、イルミナ株式会社(東京都中央区)にも全面的にサポートをいただいております
※5 ゲノムなどの遺伝情報を利用して行う育種
※6 bp(ベースペア): ゲノムを構成するDNAの長さの単位
※7 化石資源などのように、消費を続けるといずれ枯渇することが予想される資源以外のもの

〔参考〕 "天然ゴム資源「パラゴムノキ」の病害診断技術を確立"は当社の環境長期目標の中で、「100%サステナブルマテリアル化」を目指す取り組みの1つです。

ブリヂストンの環境長期目標



関連リンク:
⇒2012年7月10日ニュースリリース:天然ゴム資源「パラゴムノキ」の病害診断技術を確立
⇒2012年5月31日ニュースリリース:(株)ブリヂストンと味の素(株)、バイオマス由来の合成ゴムを共同開発
⇒2012年5月17日ニュースリリース:天然ゴム資源「ロシアタンポポ」の研究活動を加速
⇒2012年3月8日ニュースリリース:天然ゴム資源「グアユール」の研究活動を開始
ブリヂストンの環境への取り組み

■2006年11月「中期経営に関する基本的な考え方」発表後の主な対外発表の位置付け
2011年以前の対外発表は除いています。
最終目標:タイヤ会社・ゴム会社として「名実共に世界一の地位の確立」を目指す

経営の基本方針:
1. 「更に上」を常に目指して、全ての製品・サービスで世界最高を目指す
基本戦略
(発表年 月 日)       主な対外発表
(1)戦略商品群への
積極的なリソース
投入
1. タイヤ
戦略商品
2012.02.17  大型スクーター用タイヤ『BATTLAX SC』新発売
2. 環境対応
商品・事業
3. 多角化事業 2012.03.30  中国・広東省開平市に新会社を設立
(2)基礎戦闘力の向上
(材料技術・生産技術)
2012.07.10  天然ゴム資源「パラゴムノキ」のゲノム解読に成功
(3)総合的企業活動の強化
2. 長期戦略を明確化し、事業領域の統合・拡大を推進する
 
3. 戦略的事業ユニット(SBU)制で真のグローバル企業を目指す
 
4. 「中期経営計画」を核に、全体最適のグループ経営を目指す
 

本件に関するお問い合わせ先
<報道関係>広報第2課TEL:03-3563-6811
<お客様>お客様相談室TEL:0120-39-2936
 
以上