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防災や救助に関する取り組み

ブリヂストングループは、自然災害により被災された地域の方々への支援を使命の一つと考え、被災状況や被災地のニーズに応じて、様々な復興支援を行うと共に、被災された方々や地域の一日も早い復興を心より願っています。

2023年は、11の国と地域で30件※1の活動(うち20件は外部パートナーと連携※2、337人の従業員ボランティアが参加※3)を4,336人の地域の方々に対して実施※4しました。

  1. ※1活動数の集計方法は国や地域によって異なります。
  2. ※2外部パートナーとの連携集計方法は国や地域によって異なります。
  3. ※3従業員ボランティア数は延べ人数であり、一部活動では推計値を含みます。
  4. ※4活動による直接裨益人数を集計し、集計方法は国や地域によって異なり、確認できた活動のみを対象としています。

ブリヂストングループの主な支援内容

時期 案件 ブリヂストングループの支援内容
2024年1月 能登半島地震
  • 1,000万円
2023年8月 令和5年7月豪雨(日本)
  • 1,000万円
2023年2月 トルコ・シリア地震
  • 100万ユーロ
2022年8月-
2024年3月
ウクライナ避難民学生・留学生への支援
  • インターンシップ:22名
  • 工場見学:64名
2022年3月 ウクライナへの人道支援
  • 約5億円※1
2020年 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
  • ブリヂストングループ:約1億3,800万円※2
2020年7月 令和2年7月豪雨(日本)
  • 800万円
2019年10月 令和元年台風第19号(日本)
  • 1,000万円
2018年10月 インドネシア スラウェシ島地震
  • ピーティー ブリヂストン タイヤ インドネシア、ピーティー ブリヂストン マイニング ソリューションズ インドネシア:2億8千万インドネシアルピア
2018年8月 インドネシア ロンボク島地震
  • ピーティー ブリヂストン タイヤ インドネシア:2億インドネシアルピア
  • ピーティー ブリヂストン マイニング ソリューションズ インドネシア:テント15張りを寄贈
2018年7月 平成30年7月豪雨(日本)
  • 1,000万円
  • 物資(寝具、水等)約400万円分を提供
2017年9月 米国ハリケーン
  • ブリヂストン、ブリヂストン アメリカス インク:100万ドル
2017年7月 九州北部豪雨
  • 1,500万円
2016年4月 熊本地震
  • 2,000万円
  • 被災地の皆様へ物資(食料等)を提供
2015年9月 東日本豪雨(台風第18号など大雨)
  • 1,000万円
スクロール
  1. ※11ユーロ=128円、1ドル=117円で換算
  2. ※21ドル=107円で換算

支援活動

トルコ・シリア地震への支援(BSEMEA及びBSAPIC)

2023年2月6日、トルコ南部と中部、及びシリア北部と西部にかけて大地震が発生しました。この地震により11県にわたり1,300万人が被災したこと受けて、ブリヂストングループは移動支援という社会的役割を果たすべく、業界を率先して迅速に対応しました。

初週には、ブリサ ブリヂストン サバンジ ラスティック サナイェ ヴェ ティジャレット ア-シェ(Brisa)の活動により、緊急医療サービス機関、トルコ災害緊急事態対策庁、自治体、国家憲兵、警察、国家水利庁(DSI)など各所に、タイヤの整備を行える18台の移動サービス車両を手配しました。支援が途切れないよう、BrisaはLassaボックスと名付けたコンテナを21基用意し、被災地域のディーラーが仮店舗として使用できる体制を整えました。またBrisaが倉庫テントを設置し、タイヤの供給、取り外しと取り付け、メンテナンス、修理作業を行えるようにしました。こうした体制を整えたことで、大型車両約250台とドライバー6,500人からのタイヤに関する要請に応じることができ、現地の復興支援に貢献することができました。

またBrisaの事業部門「Mobilfix」は、元々エーゲ海地域のお客様に対してサービスを提供していましたが、被災地に支援物資を輸送するお客様に向けたサービスへと変更するなどの迅速な対応も行いました。この試みにより、エーゲ海地域から震災地域に緊急支援物資を運ぶ234台の車両に対し、1,122件の支援サービスを届けることができました。当社グループがサービスを提供している地域においても甚大な被害があったため、震源地での直接的な支援がBrisaの次の活動となりました。継続的な支援活動をするにあたって販売店の保有車両を途切れなく稼働できるようにするため、がれきの撤去作業を行い、地域経済の復興に貢献することに尽力しました。ガズィアンテプ県ヌルダギから始まったこの震災地帯への支援サービス活動は、カフラマンマラシュ、ハタイ、アドゥヤマンをはじめ、甚大な被害のあった震災地域の都市にまで拡大して行われました。

また、現地の復興を支えるため、ブリヂストンと慈善団体「Sabancı Foundation」の支援により、被災した子どもたちのために「Sabancı Lassa Secondary School」が設立されました。将来世代にも教育を引き継いでもらうことを目的に、この学校は生徒数が最も多いハタイで開校されました。当社グループの従業員ボランティアと地域販売店から計40名が参加してイベントを企画し、苗木の植え付け、壁画製作、図書館の設置、団体競技などの活動をする中で、生徒たちと1対1での交流を行いました。また、ブリヂストン販売店社員・従業員らの大学に通う年齢の子どもたちや、震災被害にあった女子学生を対象に、当社グループのボランティア20名以上によるメンタリングプログラムも実施しました。

被災地の地域発展を先導していくことを目的として設立された「Sabancı Hatay Incubation Center」では、被災地における新たな雇用・事業機会の創出に取り組んでいます。この起業支援センターの目的は、被災地からの人の移動を抑え、若者と女性を経済・社会生活に復帰させることにあります。こうした狙いの下、BrisaとSabancı Holdingのパートナー企業との協力により同センターが設立され、トルコで最大規模の社会的責任活動を行う中、短期間のうちに大勢の起業家志望者や若者からの応募があり、わずか2か月で1,250人の若者と女性が研修プログラムに参加しました。また、同センターの活動の一環として開催したイベント「起業家マラソン」では、地域・地方発展の推進を図る3つのビジネスアイデアに対して助成金が交付されました。同センターによる支援活動は今後も拡充されていく予定です。

当社グループの支援の取り組みは、被災国に拠点を置く事業体の活動に限定されるものではありません。スペインとポルトガルでは、ブリヂストン セールス及びFirst Stopからのチームメンバー計125名と、そのお取引先様とが協力して、多様な物資を集めてチャリティ企画を実施しました。収益総額5,200ユーロは赤十字社に寄付され、被災者に必要とされる支援と人道救助活動に充てられました。ブリヂストン アジア パシフィック リミテッド(BSAPIC)では、赤十字社を通じてトルコ・シリア地震の人道支援活動に100,000ユーロを寄付しています。

令和5年7月豪雨(日本)

ブリヂストングループは、2023年7月に九州北部で発生した記録的な豪雨による洪水の被災者支援および復興支援に役立てていただくため、福岡県久留米市に「久留米市災害義援金」として1,000万円を寄付しました。これと併せて、株式会社ブリヂストンの従業員が社内募金制度「BSmile」を通じてさらに50万円の寄付を行いました。この支援に関連して、福岡県久留米市役所にて義援金贈呈式が執り行われました。

ウクライナ避難民学生・留学生支援(日本)

2024年2月は、ウクライナからの避難民学生6名をインターンシップとして受け入れました。ウクライナ戦争が長期化する中、当社が進める社会貢献活動の一端であるこのプログラムは、人道支援の旗印のもと、2022年8月より開始しているものです。2024年は活動3年目となり、この3年間で延べ22名の学生が2週間の職場体験に参加しました。

台風や竜巻から地域を守る災害指令センター(米国)

ブリヂストン アメリカス・インク(BSAM)のタイヤ製造工場がある米国テネシー州は、同国内でも竜巻が多い地域のひとつであり、自然災害への対策が工場の課題でした。工場では従来の対応方法を検証した結果、あるべき防災体制と現状に大きな隔たりがあることが判明したため、この課題を改善する取り組みを開始し、気象監視機能を持つ指令センターの設立及び関連する体制の見直しを実施しました。

この取り組みは、早期警報などによる従業員の安全確保体制の向上、火災リスクの低減といった安全・防災面のみならず、予期しない災害による生産停止の回避といった生産性の向上にも貢献します。また、同様の自然災害リスクを抱える地域コミュニティにも展開できます。

水害救助チーム(インドネシア)

ブリヂストン タイヤ インドネシア(BSIN)の水害救助チームは、SAGARA Karawangのチームと合同で災害に備えるための訓練を行いました。カラワン地区やブカシ地区での災害救助活動において、最も頻繁に必要とされるのが洪水対応であるため、こうした訓練は極めて重要となります。2日間に及んだ訓練では、災害管理、救急対応、水難救助、避難技術、応急処置の練習、救助の動作である「RTRGT(Reach、Throw、Row、Go、Tow/Carry)」、海上サバイバル、災害対応シミュレーションといった内容に取り組みました。現在、同チームが地域の人々の命を救うための準備は十分に整えられています。

インドネシア ブカシ・カラワン洪水の被災世帯への支援(インドネシア)

インドネシアのカラワン地区やブカシ地区では洪水が多発するため、BSINの水害救助チームによる訓練が重要な役割を果たしています。2022年1月14日、マグニチュード6.6の地震がインドネシアのパンデグラン県を襲い、約15の校舎、14の医療センター、1,699の家屋に被害が及びました。

さらに同年3月の豪雨で発生した洪水により、パンデグランでの復旧作業が難航し、多くの世帯が影響を受けました。BSINは、捜索・救助隊を出動させ、総務・CSRチームと共に、100食分の食料、ボート2隻、船外機2台、安全ジャケットのほか、避難ルートや避難所を示す表示板60枚を地方防災局(BPBD)に提供し、地域の方々への支援を行いました。食料品は、政府などによる支援がまだ届いていない被災者の方々に提供されました。BSINは、この洪水への救済金として総額7,681万8,000ルピア(約4,886ドル)の寄付を行いました。

2023年2月のブカシ・カラワン洪水の発生を受けて、BSINは2月から3月にかけて地域の人々、そして被災した従業員メンバーのために進んで支援を行いました。BSINの救助隊と労働組合が出動し、食料の供給と洪水が引いた後の清掃作業を支援しました。

BSINは、過去2度にわたる自然災害に迅速に対応し、地域社会が危機的な状況に陥ったときには支援に名乗り出るのはもちろんのこと、従業員たちにも配慮を行き届かせるなど、名実相伴った活動を行っています。2月にこの2地区で洪水が発生したのち、地域工場で働く150人以上の従業員たちに対しても、BSIN救助隊と労働組合が現地NGOとの協力のもと、食料供給や洪水後の清掃などの支援を行き届かせました。

ブリヂストン アジア パシフィックが最優秀環境賞とCSR & ESGリーダーシップ賞を受賞(BSCAP)

ブリヂストン アジア パシフィック ピーティーイー リミテッド(BSCAP)は、電気自動車用タイヤ「TURANZA T005 EV」の発売と、アジア太平洋地域における災害対応および救援活動が評価されたことにより、第15回Annual Global CSR & ESG Summit & Awards 2023において、プロダクトエクセレンス部門でプラチナ賞、CSR & ESGリーダーシップ部門で銀賞を受賞しました。これによりBSCAPは、この名誉あるイベントにおいて2018年以来6年連続の受賞を果たし、受賞回数は今回が13度目と14度目になります。

「TURANZA T005 EV」は、持続可能なタイヤ技術とモビリティソリューションのイノベーションを追求するブリヂストンの卓越性が光る製品です。ブリヂストンは、「最高の品質で社会に貢献」という使命の下、地域のパートナーと緊密に連携した災害救助や災害対応への取り組みを通じて、長期的に社会にプラスの影響を与えていくことを目指しています。

  1. 現在のBSAPIC(ブリヂストン アジア・パシフィック・インド・中国)

モロッコでの寄付活動(MEA)

2023年9月8日にモロッコ地震が発生したことを受けて、ブリヂストン ミドルイースト アンド アフリカ エフゼットイー(BSMEA)は、地域販売店のCPITや複数のNGOとともに社会貢献活動「Solidarity Caravane」に参加しました。
モロッコのブリヂストン従業員たちは最も被害の大きかった地域へ向かい、被災者に食料や衣類を配布しました。

BSIDによるミチャウンサイクロン被災地への支援拡大(インド)

アーンドラプラデーシュ州に上陸した、先のミチャウンサイクロンによる大規模災害の発生を受け、ブリヂストン インディア プライベート リミテッド(BSID)は地元NGOと協力し、被災地に緊急支援を行うために力を合わせています。この取り組みでは資金援助だけにとどまらず、従業員による積極的・献身的な支援活動も実施されています。

救援対策活動は、サイクロンで深刻な被害のあったネロール地区とティルパティ地区に集中させており、廃棄物回収員、衛生作業員、街路清掃員、性労働者といった最も被害の大きかった人たちを対象に、生活状況の改善を図るための支援を行っています。

これまでに12名以上の従業員ボランティアが積極的に救援活動に参加しています。

BSIDは4,000人以上を支援の対象として1,000世帯にサバイバルキットを配布しました。キットの中には、被災者の当面のニーズにすぐに対処できる必需品が入っています。