ブリヂストングループアワード

ブリヂストングループアワード2022

ブリヂストングループアワードは、当社グループのビジョン・2030年 長期戦略アスピレーションの実現に向けた優れた取り組みをグローバル経営チームが審査し、特に秀でたグローバルでの取り組みを選定、その功績と功労を称賛する、全組織・全従業員を対象としたグループ最高位の表彰制度です。この表彰制度は、優れた取り組みをグループ・グローバル全体で共有することで、従業員の誇りや、さらなるやりがいにつなげると同時に、一人ひとりの意識向上・一体感の醸成を図る重要な役割を担っています。従業員一人ひとりの様々な活動を波紋の輪のような持続的な広がりにつなげ、「Bridgestone E8 Commitment」で掲げるブリヂストンらしい8つの価値の実現に向けて取り組んでいきます。

ブリヂストングループアワード2022は、優れた取り組みを「Solutions for Sustainability Business(社会価値・顧客価値の両立)」、「Value Creation for Society(社会価値創出)」、「Value Creation for Customers(顧客価値創出)」、「Management Fundamentals (基盤強化)」の4つに分類しています。そして、それぞれの取り組みを通して創出した価値が「Bridgestone E8 Commitment」の8つのコミットメントのうち、どのコミットメントに最も貢献したかを示した上で、8件を表彰しました。

「Solutions for Sustainability Business」表彰2件

  • Energy

カーボンニュートラル化に向けた取り組み

ブリヂストン ヨーロッパ エヌヴィー エスエー
ライトハウス工場:サステナビリティの実現に向けた取り組みの改善・促進のための具体策を示したイメージ図

「Lighthouse Plantプロジェクト(Scope 1、2)」は、気候変動への対応が急務となる中、カーボンニュートラルの実現に向けて当社チームが一丸で取り組んだ先行試験的プロジェクトです。
この取り組みを通じてCO2排出量測定プロセスの実証に成功し、その実証モデルはBSEMIA傘下の他工場にも展開されました。こうした継続的な取り組みによりCO2削減活動が推進され、2021年には欧州における全タイヤ工場でCO2排出量59%削減を達成しました。そして2023年には、BSEMIAとして2030年までのグローバル目標である50%削減を達成する見込みです。

※2011年比

  • Energy
  • Ease

台湾でのサステナブルなOEビジネス展開

ブリヂストン アジア パシフィック ピーティーイー リミテッド

台湾政府はゼロ・エミッション計画の一環として、2040年までに自動車の電気自動車(EV)への100%移行を目指す方針を発表しました。これを受け、台湾におけるEMS※1事業は続々とBEV※2市場に進出しています。このような状況の中、当社プロジェクトチームの働きかけにより、ENLITEN技術※3を搭載した低燃費タイヤがCO2排出量削減に大きく貢献すると台湾のEMS顧客に評価いただき、当社が単独サプライヤーとして採用されました。
今回の取り組みは台湾での当社のプレゼンス向上にとどまらず、EVビジネス促進を通じた台湾の環境改善にも貢献しています。

  1. ※1産業機器や家電等向けの電子機器製造受託サービス
  2. ※2Battery EV
  3. ※3タイヤの環境性能と運動性能を両立する革新的なタイヤ基盤技術

「Value Creation for Society」表彰2件

  • Ecology

新たな天然ゴム資源「グアユール」における技術進展

ブリヂストン アメリカス インク

グアユールは、従来のパラゴムノキに替わる天然ゴムの原料として期待されている、砂漠に自生する植物ですが、ゴムとして生成可能になるまで2年間の栽培期間を要します。グアユールの商業利用早期実現には栽培期間の短縮化が重要であり、プロジェクトチームは先進的なゲノムモデルを用いた開発の加速に取り組みました。具体的には、第三者ソフトウェアの精度を上回る「Guayule Genomic ML Model」と呼ぶ独自の予測・分析ツールを開発し、収量の予測精度の大幅な向上、2年間から6ヶ月間への栽培期間の短縮化、関連する当社独自の技術知見の蓄積に成功しました。

  • Emotion

ブリヂストン共創活動コミュニケーション強化 –月面タイヤ

株式会社ブリヂストン

月面探査車用タイヤ研究を通じた月面探査ミッションに挑戦する共創活動を発信し、当社がイノベーションで安心・安全を足元から支える姿を訴求することで、当社の企業価値向上に貢献しました。
共創パートナーである国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)やトヨタ自動車株式会社との共創活動における一体感醸成を図るとともに、それぞれのブランド価値向上に寄与しました。また、今回の取り組みを通じて、次世代を担う若い世代に向けて「夢を追い駆けること」や「挑戦」の大切さを訴えることができました。

「Value Creation for Customers」表彰2件

  • Efficiency

冬タイヤ「需要予測AI」・「断トツ商品VRX3上市とBCMA活用」による販売最大化

株式会社ブリヂストン

需要期の旺盛な販売量に対応するため、売り逃し防止と在庫の適正化を目指し、サプライチェーンのデジタル変革に取り組みました。AIによる需要予測を活用し、各エリアへの需要ピークに合わせた在庫配置を可能にしたほか、BCMAの導入により、トレッドパターン変更のリードタイムの短縮化を図りました。プロジェクトを通じて、在庫や輸配送のコスト削減に加え、冬タイヤの商品力強化・供給力強化による冬道での安心・安全を提供、また、在庫や輸配送の無駄を削減することによる環境負荷低減へ貢献しました。

※ BCMA:Bridgestone Commonality Modularity Architecture

  • Efficiency
  • Extension

急速な環境変化・需要変動への対応:フレキシブル&アジャイルなサプライチェーンマネジメント

株式会社ブリヂストン

2020年~2021年は、COVID-19感染拡大により、当社の事業は大きな影響を受けました。2021年には需要の急回復による世界的な生産財タイヤ(TBR)不足が発生し、下期には半導体不足による自動車メーカーの生産激減で消費財タイヤ(PSR)販売も急減しました。このように激動する事業環境の下、グローバルサプライチェーンのプラットフォームを進化させ、タイヤ供給計画を最適化することで、COVID-19、半導体不足などによる極端な販売変動への対応体制構築を図りました。また、「Global One Team」と呼ぶ新たなグローバルガバナンス体制を構築することで、フレキシブル・アジャイルな海上輸送を実現し、持続可能なタイヤの安定供給に貢献しました。

「Management Fundamentals」表彰2件

  • Economy
  • Empowerment

ITセキュリティ課題への対応

ブリヂストン アメリカス インク

BSAMは2022年に重大なサイバー攻撃の被害を受け、複数のシステムで障害が発生しました。この問題を迅速かつ徹底的に解決するために、部門横断型のチームが一丸となって復旧に取り組み、主要機能のシステム正常化を実現しました。
障害発生時における事業への影響最小化、ステークホルダーとの取引関係の維持や当社の社会的信用の保持、被害拡大防止を図るため、復旧マネジメント、ステークホルダーとの密なコミュニケーションなど迅速な対応策を講じました。
さらに、本事案を教訓とし、業務の効率化を図ると同時に、今後発生しうるさらなる脅威に対抗するITセキュリティ施策の強化にもつなげました。

  • Extension

ロシア・ウクライナ危機に対応する原材料調達マネジメント

ブリヂストン ヨーロッパ エヌヴィー エスエー

ロシア・ウクライナ危機発生時、タイヤ事業においてロシアから調達する複数の主要原材料の供給が困難となったため、部門を超えたグローバル対策本部を立ち上げ、代替サプライヤーからの供給確保に迅速に取り組みました。同時に、配合の組み替えを行い、調達が難しい主要原材料の使用削減を実施しました。代替サプライヤーへの切り替えは当社でのタイヤ生産の継続を可能とし、タイヤを安定供給することで人とモノの移動を止めないことに貢献しました。