「W-BRIDGE」研究委託先を採択
学校法人早稲田大学(以下「早稲田大学」)と株式会社ブリヂストン(以下「ブリヂストン」)が連携して設置した研究プロジェクト「W-BRIDGE」の運営組織は、2013年7月から2014年6月までの研究委託先候補として12案件を決定いたしました。
「W-BRIDGE」は、本年4月15日から5月20日までの期間、ブリヂストンが定めた研究領域※に基づいて大学と一般の方々が連携して取り組む環境に関する研究課題を募集いたしました(委託費用総額:2,200万円)。応募された案件の中から「W-BRIDGE」の審査委員会および運営委員会が厳正なる選考を行い、研究委託先候補12案件を採択いたしました。今回は「天然ゴム生産及びゴム農園周辺環境のサステナビリティ」を研究領域の中の重点テーマとして設定し、該当案件2件を採択いたしました。
当プロジェクトで得られた成果については、ブリヂストンの事業活動のみならず多くの方々が活用できるように情報を公開する予定です。
尚、2012年7月から2013年6月までを活動期間とした研究は終了し、今後「W-BRIDGE」が開催するシンポジウムなどで活動報告を行います。詳細については決まり次第、「W-BRIDGE」のWebサイトに掲載いたします。
W-BRIDGE Webサイト http://www.w-bridge.jp/
【ブリヂストンが指定した研究領域】
今回新たに設けられた重点テーマ:「天然ゴム生産及びゴム農園周辺環境のサステナビリティ」
研究テーマ | 活動内容 |
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<ゴム農園の生物多様性への居住緑地の貢献度評価とその質的向上> | インドネシアのゴム農園の中にある居住緑地を対象とした生物多様性の評価を通じて、その質の向上を図る。同時に地域住民の生活環境改善への貢献も図る。 |
<ゴム農園周辺荒廃地における住民林業制度を活用した森林回復および生物多様性向上> (活動継続) |
インドネシアの荒廃した国有林に「地域住民-企業-政府」の連携によってパラゴムノキを中心とした森林を造成することで周辺地域に適用可能なパイロットモデルの構築を図る。 |
(1)企業や生活者がともに自然と共生していく方法を考える
研究テーマ | 活動内容 |
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<アフリカゾウ獣害への持続可能な対策:農民・学生協働の養蜂箱> | アフリカではアフリカゾウによる農作物被害が問題化しているが、車での撃退が一般的な対策となっている。当研究ではタンザニアの国立公園周辺の畑周辺に養蜂箱を設置し、ミツバチによる撃退策を講じることで生物多様性や経済的な持続可能性に配慮した対策の確立を図る。 |
<原発風評被害を克服するための都市・農村の協働による「地域共生社会」の構築> (活動継続) |
非汚染地域でありながら原発の風評被害にあった山形県などの地域再生に向け、地域と早稲田環境塾が協働し、情報の共有、農産物や人の交流を図る。 |
<農作業を通じた環境保全と健康維持の両立及び農業の多様な価値創出の検討> | 環境保全型農業とその作業によって体を鍛えるアグリエクササイズを提唱し、農作業による健康増進モデルを構築すると同時に環境保全への貢献を図る。 |
<『ふゆみずたんぼ』の10年総括評価と次の10年に向けての継続基盤の形成> (活動継続) |
宮城県蕪栗沼(かぶくりぬま)の資源豊富な自然環境の保全を目的とした地域児童の環境教育を行い、地域住民の生物多様性に対する意識啓発を図ってきたが、その成果と課題をとりまとめ、知識と経験の後世への継承を図る。 |
(2)資源を大切に使い循環させる仕組みを、生活者とともに考える
研究テーマ | 活動内容 |
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<ウガンダ W-BRIDGE モデル構築にむけた調査研究> | 欧米などに向けた高級食材の輸出拠点となっているウガンダの一部地域において、日本の高度な技術を導入することにより、環境保全型農業を基軸とした産業振興を図る。 |
(3)2050年の視点からCO2を減らす方法を、生活者とともに考える
研究テーマ | 活動内容 |
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<被災地いわきにおける再生可能エネルギーを核とした人材育成と地域貢献型実証活動> (活動継続) |
原発事故による深刻な風評被害が続く福島県いわき市において、再生可能エネルギーや省エネに関する人材育成プログラムなどを実施する。今年度は自治会や学校などと共同プロジェクトを立ち上げ活動の強化を図る。 |
<地域ぐるみで取り組むエネルギー環境教育-工業高校が中山間地域をフィールドとして-> | 岩手県内で工業高校の生徒と研究機関が連携しエネルギー環境学習の充実や学習プログラムの開発に取り組むことで、環境負荷の少ない持続可能な社会の構築を図る。 |
<源流の生活で CO2 を減らす方法を、地域づくりとともに考える> | 清浄な水と空気に恵まれた宮崎県五ヶ瀬町(ごかせちょう)で源流の水をエネルギー源として水力発電施設を作り、環境負荷の低減を図る。 |
(4)環境保全の知見や手法を世界にひろげ、次世代とともに学ぶ方法を考える
研究テーマ | 活動内容 |
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<地域の生徒と高齢者を繋ぎ、持続可能な里山を守るモデル作りに関する研究> (活動継続) |
過疎高齢化が刻一刻と進行する新潟県中山間農村部にて、自然環境と共生する人々の暮らしと里山を守るべく、小中学生を対象とした環境教育活動や、現在の景観、文化、暮らしを写真を通して記録に残す活動を実施する。 |
<佐渡島「加茂湖デジタル風土記」制作プロジェクト> (活動継続) |
トキの生息地新潟県佐渡市にある汽水湖・加茂湖でヨシ原再生を中心とする環境保全活動を行うとともに、加茂湖由来の資源の活用方法を検討する。水辺環境保全活動に加え、加茂湖の水質、景観、文化などに関わる情報の蓄積と共有を図る。 |
※採択された研究・活動の代表者や団体名などについては下記Webサイトにてご確認いただけます。
http://www.w-bridge.jp/news/130808.html
「W-BRIDGE」は、ブリヂストンからの委託によって、早稲田大学内に設置された研究基金です。このプロジェクトでは、地球環境問題という人類共通の課題に対し、産学連携に加え、環境NGOや市民団体といった一般の生活者の方々にも参画いただき、三者一体で研究・活動を行える枠組みを提供していきます。 |
関連リンク:
ブリヂストンの環境への取り組み
環境スペシャルサイト
ブリヂストンの社会貢献活動
W-BRIDGE WEBサイト
<募集に関するお問い合わせ>
W-BRIDGE事務局(早稲田大学内)
電話 03-5292-3526 Fax 03-5292-3527
E-mail w-bridge@list.waseda.jp
<報道関係者>
学校法人早稲田大学 広報室 広報課
電話 03-3202-5454 Fax 03-3202-9435
株式会社ブリヂストン 広報部 広報第1課
電話 03-3563-6811 Fax 03-3567-4615