橋梁用ゴム支承

橋梁工事関連品|橋梁用ゴム支承

ブリヂストンのゴム支承について

ブリヂストンゴム支承(HDR-S,NR-S)

近年、ゴム支承は橋梁の安全を確保する上で最も重要な機能部材の一つとして位置付けられており、いまや橋梁の耐震設計の主役になっているといっても過言ではありません。
ブリヂストンはタイヤづくりで培ってきた世界最先端の「材料技術」「設計技術」「生産技術」「評価技術」の4つのコア技術を応用し、高減衰ゴム、高性能天然ゴムを中心とした高機能ゴム支承づくりに取り組んでいます。

2015年に導入した50MN試験機

耐候性

ブリヂストンのゴム支承材は、耐候性に優れたポリマー(EPDM:Ethylene Propylene Diene Monomer Rubber)を被覆ゴムに採用し、耐オゾン性能を始めとする各種耐久性能に優れた構造となっております。

積層ゴムは、長期使用中に下記の変化が起こりえます。1.主にオゾン劣化による表面の亀裂発生 2.酸化劣化による表面から製品内部にかけてのゴム材料特性変化による積層ゴムとしての特性変化 3.内部ゴムの架橋部あるいはポリマーの化学構造変化による特性変化  長期劣化を考慮する際、特に1の耐オゾン性および2の耐酸化劣化材料を考慮した構造とすることが重要です。

耐オゾン性について

ゴム製品は種々の要因で表面に亀裂が生じます。この要因の中で最も大きな要因はオゾンによる亀裂です。オゾンはゴム中の二重結合と反応し、最表面のゴム分子鎖を切断します。(分子構造が大きいオゾンは、内部に浸透せずに最表面のみを攻撃します)小さな亀裂の進展からクラック発生に至ります。

このEPDM系被覆ゴムを用いたブリヂストンのゴム支承は、天然ゴム系本体と比べ、温度や雨水等による影響を受けにくい特徴も持ち合わせております。 また、NEXCO殿「構造物施工管理要領」に記載されている品質管理項目の中で、寒冷地仕様については低温時耐オゾン劣化試験が義務付けられておりますが、その試験条件より厳しい条件である低温オゾン劣化試験において、亀裂未発生という結果を得ております。(下記ご参照ください)

経年特性変化について

ブリヂストンで使用しているEPDM系被覆ゴムは、天然ゴム系本体に比べ、2倍以上良好な老化特性を有しております。
活性化エネルギー(20kcal/mol換算)から推測される15℃-60年後相当の物性は、天然ゴム系が約40%の低下を示すのに対し、EPDM系は約20%の低下です。(下図ご参照ください)
また、300万回の動的圧縮疲労試験(一定70%せん断ひずみ、面圧6±2N/㎜2の荷重振幅)においても、ブリヂストンのEPDM系被覆ゴムは外観上何ら変化なしという結果を得ております。

ゴムの劣化を考える時、初期状態Aから劣化後の状態Bへ変化する際には、ある最小限のエネルギーを必要とします。
この最小エネルギーを活性化エネルギーと呼び、経年変化予測などで用いられる一つの物理量を示します。
例えばオゾンや酸化による劣化などでは、ゴムの分子鎖が切断されることで劣化の状態へ移行しますが、この分子鎖を切断するには原子や分子の運動(熱振動)が必要であり、その運動に必要なエネルギーが活性化エネルギーとなります。

クリープ特性

当社は、クリープ特性を把握するための評価を実施し、定量的なクリープ特性を取得しています。
下図に示すように天然ゴム支承や高減衰ゴム支承に対する加熱促進試験の結果、60年相当で5%以下のクリープ率である評価を実施しております。