現在の所属している部署の役割とご自身の仕事内容を教えてください。

ブリヂストンは移動ソリューションを支える“コントリビューター”として、社会価値・顧客価値を創出する独自のプラットフォームを「Bridgestone T＆DPaaS」*と名付けて、広範囲に渡るモビリティを支え、貢献していきます。その中で、当部署では“B to B”市場での「Bridgestone T＆DPaaS」の具現化加速に取り組んでいます。私は、「Tirematics（タイヤマティクス）」を活用したデジタルソリューションサービスの推進、フルトレーラー幹線輸送の先進物流企業とのソリューションモデル構築を手がけています。
「Tirematics」はタイヤの内圧を遠隔モニタリングするブリヂストン独自のデジタルツールで、2020年からサービスを提供しています。トラック・バス事業者様は、一般的にハンマーで叩いた音でタイヤの内圧を点検しています。ヒトの感覚頼りの点検のため、実際に内圧が下がった状態でも、なかなか気付くことができず、トラブルに至ってしまうことが課題でした。これに対し、「Tirematics」はホイールに装着したセンサーでタイヤ内圧を測定し、メールで定期的に状況を配信するとともに異常検知時にはアラートメールを配信します。内圧を定量的に把握することにより、安全性の向上やトラブル兆候への前広な対応が図れます。導入いただいたお客様の中には、実際にトラブルを未然に防止した事例もあり、評価も上々です。また、タイヤ内圧を適正に管理することでタイヤ本来の性能を発揮でき、燃費の向上やそれに伴うCO2排出量の削減も期待できます。「Tirematics」の展開を通じて、国内のお客様の課題解決をしていくのが私のミッションです。全国のセールスがお客様の課題を解決できるよう、課題の見つけ方や提案のノウハウを構築・浸透を図っています。
昨今トラックドライバーの不足や排出ガス問題が社会課題となっていますが、そういった課題の解決を目指して新たな物流の形の構築を目指しているお客様もいます。具体的にはフルトレーラー(25m級ダブル連結トラック)を幹線輸送に用いて、高効率の輸送形態の構築を図るものです。私はその先進企業と協業し、フルトレーラー幹線輸送でのタイヤを通じた最適ソリューションモデルの構築や、将来の自動運転や隊列走行、電動化等を踏まえた最適モデル構築の検討を進めています。

* Bridgestone Tire ＆ Diversified Products as a Solution：ブリヂストンのタイヤおよび多角化製品による「断トツ商品」「断トツサービス」「断トツサービスネットワーク」とデジタル技術を組み合わせた当社グループ独自のプラットフォーム

仕事をする上で、大切にしていることを教えてください。

３つの言葉を大切にしています。ひとつめは「納期厳守」。入社して上司から受けた最初の指導がこの言葉でした。納期を意識すると定期的に初心に返ることができます。ふたつめは、「鳥の目、虫の目、魚の目」は、俯瞰し、複眼で見て、流れを見る（潮を読む）という意味です。もともと俯瞰的に物事を見ることが大事だと思っていましたが、工場勤務を通じて現物現場で実態を認識することの大切さを教えられました。その上で俯瞰の視点も含めた複眼で物事を判断し、最終ゴールに向かっていくことが重要だと思います。またビジネスでは潮を読むことが欠かせません。どんなに優れたソリューションだと確信していても、市場が未成熟では受け入れられません。ニーズを自覚いただく啓発策も含めて潮目を変えることが必要になります。最後は「後工程はお客様」です。工場勤務時代に、「後工程は(社内であっても)お客様だ。絶対に不良品を次の工程に流さない覚悟で仕事をしている」という言葉に感銘を受けました。
これからもこの３つの言葉を胸に、お客様の困りごとを解決するソリューションを提供していきたいと考えています。