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Bridgestone Innovation Park

変革の最前線

イノベーションを通じて
新たな価値を創造する
~「Bridgestone Innovation Park」、始動~

東京都の多摩地域北部に位置する小平市――。1960年代、ブリヂストンは、「モータリゼーションの発展」「地域と従業員のコミュニティの創設」「地域の環境と働く人の健康」への想いを込め、この地に東京工場と技術センターを開所しました。先進の技術による優れた製品を生み出し、ブリヂストンが世界へ飛躍する拠点でもありました。今、時代は大きく変化しています。自動車業界だけを見てみても、「100年に1度」と言われる大変革期を迎えるなか、ブリヂストンは、社会や市場に変化に対応し、イノベーションを通じて、持続可能な社会の実現に貢献するため、さまざまな変革を進めています。その象徴であり、グローバルなR&D拠点として2022年に誕生したのがBridgestone Innovation ParkにあるB-Innovation、B-Mobility。その全容を紹介します。

Project Member

R&D改革推進部
小平再開発プロジェクト推進課
課長
A.T.

R&D改革推進部
組織イノベーション推進課
課長
A.C.

イノベーションによって、
社会価値・顧客価値を創造する、
サステナブルな
ソリューションカンパニーへ進化するために。

「Bridgestone Innovation Park」の構想が示されたのは、2015年10月。将来に向けた技術及びビジネスモデルのイノベーションを加速させるため、開発・生産拠点を再構築することを社内外に向けて発表しました。「研究開発施設を拡充し、グローバルでの商品やサービスを支える研究開発体制を強化することで、継続してイノベーションを生み出す、価値創造の拠点を目指す」としています。その考えをベースに、新拠点のコンセプトはさらに進化していきます。ブリヂストンは、「2050年 サステナブルなソリューションカンパニーとして、 社会価値・顧客価値を持続的に提供している会社へ」というビジョンを掲げています。その実現に向け、「技術」「ビジネスモデル」「デザイン」のイノベーションを加速し、社会価値・顧客価値を社会、お客様、パートナーと共創していく、グローバルなR&D拠点と位置付けられました。

後に「Bridgestone Innovation Park」と名付けられる、新しいR&D拠点は2020年3月に着工。同年11月に最初にオープンしたのが「Bridgestone Innovation Gallery」です。ここでは、お客様、ステークホルダー、社会をつなぐ新たな共感の場として、ブリヂストンの挑戦の歩みやDNA、未来に向けた活動を紹介。ブリヂストンが、社会やお客様に提供している価値や、共創・イノベーションとその可能性を体感・理解してもらうギャラリーとして、社外にも一般公開しています。そして、「Bridgestone Innovation Park」の核心部分とも言えるのが、2021年12月に竣工した「B- Innovation(イノベーションセンター)」です。その斬新な構造は、単にハード面に留まらず、組織風土・文化や働き方の改革にも及ぶ革新的なものであり、トランスフォーメーションの実践と言えるものです。

オープンイノベーションを推進する
「共感・共議・共研・共創」の場。
「セレンディビティ」を重視した
メガプレートオフィスが目指すもの。

B- Innovationは社内外の交流を促進し、共感~共創を通じてオープンイノベーションを推進する場です。オープンイノベーションとは、技術・製品開発や研究開発、組織改革等において、自社以外の組織や機関などが持つ知識や技術、ノウハウを取り込んで、イノベーションを促進していく方法です。そのため、B- Innovationは多様なステークホルダーとの「共感・共議・共研・共創」する場としています。ブリヂストンが有する強みに加え、他社や大学・研究機関、スタートアップ等、産官学の異業種・異分野が持つ技術やアイデアを有機的に結合させることで、新たな価値を生み出していきます。このオープンイノベーション推進の取り組みは、B- Innovationの建物自体にも反映されています。

B- Innovationと連動した研究開発施設が「B-Mobility(先端モビリティセンター)」です。B-Innovationで生み出されたアイデアを実車で体感、検証する場であり、複数の異なる路面や複数のカーブを配した約1kmの周回路、さまざまな走行テストが可能な多目的広場から成るテストコースを含むエリアです。共創・共研パートナーと社内の開発者が計測や体感で試作品の特徴を確認することができます。B-Innovationにテストコースを併設することで、「すぐ形にして、すぐに試す」、プロトタイピングとテストを繰り返す「アジャイル(すばやい)」な開発が実現。これにより、よりスピーディーな研究開発が可能となります。

「共感・共議・共研・共創」する場であるために重視したもののひとつが、「セレンディビティ」。これは偶発的な出会い、予測しなかったものを発見する、といった意味を持ちますが、オープンイノベーション推進において「セレンディビティ」は重要であり、それを生むのはコミュニケーションが起点となります。そのため、B- Innovationでは、コミュニケーションが生まれやすい様に3階建ての低層吹き抜け構造を採用し上下階をつなぐ構造としています。1、2階は各種ラボ、人が集いリチャージできるカフェテリア、3階は共創オフィスに加え、アイデア出しとそれを具現化する「Bridgestone Open Innovation Hub(イノベーションハブ)」、バーチャルシアター、ラフプロトスタジオなどの機能を有した複合的な場になります。国内では類を見ないメガプレートオフィス(大規模ワンフロアオフィス)では視認性を確保しつつ、各機能がシームレスにつながるようなレイアウト、また、ここに来れば能動的な人のみならず受け身の人でも、自然と人、技術、情報に出会えるような場の設計としました。さらにはここで働く従業員は自己裁量を持ち、いつでも、どこでも、誰とでも働け、業務の内容に応じてワークプレイスを自由に選べる働き方として、ABW(Activity Based Working)を取り入れ、一人ひとりのパフォーマンス向上、社外パートナーとの価値創造につながる働き方を実践しようとしています。このように働く場の構築(ハード)と働き方(ソフト)を一体化してイノベーションを促進していきます。

働きやすさ、新しい働き方へ 自然と誘導するデザインの導入。
フレキシビリティに考慮し、未来のブリヂストンを支えうるものに。

B- Innovationは、構造以外にも随所に斬新なアイデアが盛り込まれています。ブリヂストン流のデザインコードに従い、素材、色、エレメントに意味を持たせて内装や什器設計に反映しました。ブリヂストンは、ブランドパーパス「社会の進歩に貢献する」を実現するための3つのアプローチとして「Care:ケア」「Confidence:信頼」「Creativity:創造力」の「3C」を、ブランド展開のデザイン要素に落とし込んでいますが、B- Innovationの内装デザインにも「3C」を考慮しています。たとえば「Care」の場であるカフェテリアは、柔らかみのある木目調のエレメントを、共創の場「Creativity」は、きらめきやひらめきをイメージするメタリックなエレメントを、それぞれ採用しています。さらに行動心理学、行動科学に基づいた思考も空間の設計に織り込むことで、社内外パートナーの働きやすさや、今後目指すべき新しい働き方へと自然に誘導する構造となっています。建物外装では、建物の横に沿ってシンボリックなラインを設けました。外部や既存棟から人を呼び込むラインであり、またラインが層を成すことで多様性も表現。B- Innovationの内と外を緩やかにつなぐインターフェースとしての役割も担っています。ブリヂストンは「デザイン」を重視していますが、それは色、カタチに留まらず、行動をデザインすることをも意味しているのです。

B- Innovationのもうひとつの重要なポイントは、建物を長期的に活用することから、50年先を見据えたフレキシビリティも考慮していることです。複雑に作り込まず、将来の働き方の変化に柔軟に対応できるように、たとえば移動式の壁を採用、什器の配置もモジュール単位で組み換えができるなどの工夫が施されています。またメガプレートオフィスであっても、外部との共創の場であるため情報のコンタミネーションを防ぐためにセキュリティは万全にする必要があります。そのため、ゾーニングでのセキュリティレベル区域の設定、全館ネットワークカメラを設置しました。

意識と行動の変革を促す「Culture Change Project」で、場に魂を吹き込む。
従業員の自主性を尊重して進められるボトムアップの行動変革活動。

「B- Innovation」「B-Mobility」という研究開発施設は、「Bridgestone Innovation Park」を象徴する優れたハードですが、ハードを作るだけでイノベーションが生まれることも、社会価値・顧客価値を創造することもできません。ハードは一つのツールに過ぎないのです。重要なことは、ここで働く従業員の意識と行動の変革であり、場に魂を吹き込むことです。ブリヂストンは、1931年の創業当時から、創業者・石橋正二郎の「社会の役に立ち貢献する事業は永続する」という想いに基づき企業活動を進めてきました。今、さまざまな社会課題が山積する中で、社会からの期待に応えるためには、持続可能な社会の実現や社会課題の解決に向けた取り組みを一層強化する必要があります。そうした認識から「ブリヂストンの社員及び会社組織が良くなる(=風土改革)ことにより、社会に貢献する」ことを考え、働く「環境整備」と働く「人の意識」と行動にアプローチする「行動変革」、これらを両輪とする組織風土改革プロジェクト「Culture Change Project」の取り組みを、2018年から開始しています。

ある役員が、出社する多くの社員が互いに会っても挨拶することもなく無言で歩いているのを見て、「人の中身から湧き上がってくるような、熱意や情熱が湧いてくるようなことを何かやらなければならない」と感じたことが、「Culture Change Project」に取り組むきっかけのひとつでした。したがって、「Culture Change Project」が目指しているのは、会社と個々の社員の「成長と幸せ」にほかなりません。「環境整備施策」は制度面やシステムの拡充など会社全体の活動として行われていますが、「行動変革施策」はボトムアップ活動として推進しています。社員の自主性の尊重と容認をベースに進められており、「会議5分前ノック」や「いいね!カード」、「社員家族見学会」などを実施するとともに、全階層ワークショップの開催を通じて、「行動変革」への理解やボトムアップ施策の浸透を進めています。具体的には、経営層から担当までが参加してありたい姿として作り上げた「6つの組織風土目標」と、それに紐づいた「実現したい24のワークシーン」を目標にし、社員一人ひとりの意識と行動の変革を促すというもの。その成果は、目指す組織風土の実現度合いを測る定点観測(アンケート)で「見える化」されており、着実に実現度は上昇しています。

高い付加価値を提供する
サステナブルなソリューションカンパニーへ、
「セレンディビティ」を重視した
ブリヂストンの進化への挑戦は加速していく。

2022年4月、「Bridgestone Innovation Park」が本格稼働します。それによって従来にも増して、社員が活き活きと働くことができる環境、一人ひとりの社員が「成長と幸せ」を実感できる場が場が整いました。また会社としても横浜の化工品技術センターや米国・アクロン、イタリア・ローマ、中国やタイの技術センター、社外共創パートナーとの連携強化により、イノベーションを加速させ、社会価値と顧客価値を提供し続ける体制が整備されます。過去を振り返ってもイノベーションというものは、その始まりは「夢ものがたり」です。過去から見れば、「夢ものがたり」が現実になった世界に私たちは住んでいます。「Bridgestone Innovation Park」は「夢ものがたり」を語り、それを現実化する場として誕生します。だから、私たちの想い、夢こそが、イノベーションを起こす原動力になります。そして「Bridgestone Innovation Park」の誕生は、単に新しいグローバルR&D拠点が建設されたという意味に留まりません。これまで指摘したことからわかるように、「Bridgestone Innovation Park」は企業組織風土、働き方、その意識や行動を変えるトリガー的役割を担っています。その意味において、「Bridgestone Innovation Park」の本格稼働は、ブリヂストンの特筆すべき歴史の1ページとなることは間違いありません。タイヤ主体の製造業から高い付加価値を提供するサステナブルなソリューションカンパニーへ、ブリヂストンの進化への挑戦は加速していきます。

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