もっと知りたいスタッドレスタイヤの仕組み(素材編)

(※上記画像は、発泡ゴムの「除水イメージ」。)

スタッドレスタイヤは、氷雪路面での安心・安全な走りを実現するために開発したタイヤです。一見しただけではサマータイヤとの違いがわからないかもしれませんが、ブロックの形状や溝のデザインなど細部はかなり違いますし、使われている素材も異なります。そこでスタッドレスタイヤをもっと知っていただくために、形状(パタン)と素材のふたつの側面から、スタッドレスタイヤの仕組みについて簡単に紹介していきましょう。今回は素材について説明します。

左;BLIZZAK VRX(冬タイヤ)、右 REGNO GR-XI(夏タイヤ)

タイヤは数種類のゴムによって作られ、その配合によりそれぞれの特性がコントロールされています。その素材には強度が強くタイヤ各部に用いられる天然ゴム(NR)、耐摩耗性や弾性と強度のバランスがよくウェット性能にも優れるスチレンブタジエンゴム(SBR)、耐摩耗性に加え低温環境でも柔軟性に優れ高い反発弾性を示すブタジエンゴム(BR)、さらにイソプレンゴム(IR)やブチルゴム(IIR)などが用いられています。

これらの素材に、カーボンブラックやシリカ、オイルや樹脂、老化防止剤や亜鉛華、さらにステアリン酸や加硫促進剤、硫黄などをブレンドしていきながら、ウェット性能が高いものやサーキット走行に向いているもの、雪や氷の路面に強いものなど、それぞれのタイヤ用途に求められる性能を実現する素材を開発しています。

ゴムは低温になると硬くなります。氷雪路を走行するスタッドレスタイヤには、そのような低温となる環境においても硬くなりにくく、柔らかさやしなやかさを持ちながらも耐摩耗性にも優れるという素材開発が必要になります。ブリヂストンでは、そのような環境で優れた性能を発揮する素材の開発とあわせ、発泡ゴムを組み合わせることで、断トツの氷雪路性能の実現を追求し続けています。

滑りの原因となる氷の表面にできるミクロの水の層を、効率的に取り除くことができる発泡ゴムを用いたブリヂストン独自の技術については、すでにこのブログでも紹介をしてきましたが、この技術の性能・効果をしっかりと発揮できるのも優れた素材があってこそ。

ブリヂストンの開発者たちは、人間の目で見える形(パタン)からミクロの気泡、さらに素材の分子構造に至るまで幅広い範囲で研究を重ね、誰もが安心して冬のドライブを楽しめるスタッドレスタイヤの実現に向け取り組んでいます。

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