スタッドレスタイヤの進化は止まらない!発泡ゴム、30年におよぶ技術革新
ブリヂストンの「ブリザック」は断トツの氷雪性能を追求し続けるスタッドレスタイヤです。このタイヤに搭載する数多くの先進技術のなかでも、氷上での安心・安全な走りを実現する発泡ゴムはブリヂストンが誇る唯一無二の技術。初めて発泡ゴムを採用した初代ブリザックを販売してから、発泡ゴムはこれまで約30年におよび進化し、今なおその技術を磨き続けています。
「発泡ゴムで、ハイグリップ」。1988年のリーフレットにはこんなコピーが書かれていました。スパイクタイヤに代わる新しいタイヤとして開発されたスタッドレスタイヤのコピーに"ハイグリップ"という言葉を用いたのは、世界初の技術である発泡ゴムを新たに採用した当時の技術者たちの自信の現れだったと言えるでしょう。しかしそのデビューはあくまでもスタート地点でした。開発チームはこの発泡ゴムの技術を驚くべきスピードで進化させていったのです。
1988年に販売を開始したBLIZZAK PM-10およびBLIZZAK PM-20は発泡ゴムを導入した初めてのスタッドレスタイヤでした。そのデビューから4年後となる1992年にグリップを強化した「エクストラのマルチセルコンパウンド」採用のBLIZZAK EXTRA PM-30を、そして、1994年には気泡を大径化してその大きさを均一化した「マルチセルコンパウンドZ」を採用したBLIZZAK MZ-01が登場します。さらにその3年後には除水および排水効果を飛躍的に向上させる水路を持つ「連鎖発泡ゴム」をBLIZZAK MZ-02に採用。続くBLIZZAK MZ-03では水路をさらに大径化し補強した「メガ発泡ゴム」へとその技術を進化させています。
2003年になるとBLIZZAK MZ-03の1.5倍もの太い水路と氷結路面に噛み付くバイト粒子を採用した「レボ発泡ゴム」を取り入れたBLIZZAK REVO 1が登場。これに続く2006年のBLIZZAK REVO 2では太い水路とバイト粒子をBLIZZAK REVO 1対比それぞれ5倍に増やした「レボ発泡ゴムZ」、そして2009年に登場するBLIZZAK REVO GZでは、タイヤの摩擦時に発泡ゴム内の気泡や水路が連結するコンティニューミクロパウダーを採用した「レボ発泡ゴムGZ」を開発しました。
そして現行モデルとなるBLIZZAK VRXが2013年に登場。この最新モデルには発泡ゴムに親水性コーティングを導入し、さらに吸水性能を高めた「アクティブ発泡ゴム」を採用しています。
ブリヂストンが1982年に初めて販売したスタッドレスタイヤ(非発泡ゴム)と最新モデルであるBLIZZAK VRXとの氷上性能には実に3倍もの進化がみられます。冬の路面での安心・安全を支える技術の核として発泡ゴムの進化が、制動距離を1/3にするのに貢献したということです。「タイヤはまだまだ滑ります。滑りにくいタイヤではなく、滑らないタイヤを目指し開発を続けていかなければなりません」と、スタッドレスタイヤの開発者は語ります。発泡ゴムはさらに今後も進化をつづけ、氷上での圧倒的なグリップ性能向上を探求し続けていきます。