ブリヂストン グローバルモータースポーツ推進部 マネージャーである山田宏。
2輪レースファンなら彼を知らない人はいないといえるでしょう。
その日、山田はサーキットではなく、長野・軽井沢におりました。
あるバイク雑誌の取材で、都内から軽井沢までツーリングを行い、最新のブリヂストンタイヤを履き比べ、インプレッションをするという企画でございます。
当日はYAMAHA MT-09に3つのタイヤを装着。
新コンパウンドの採用とタイヤ形状の最適化により、高いドライハンドリング性能とグリップ性能、安定性を実現したブリヂストンの新たなプレミアムハイグリップラジアル「BATTLAX RACING STREET RS10」。
T30を進化させ、ツーリングタイヤに特に強く求められる直進安定性能やウェット路面におけるグリップ力を向上させた「BATTLAX SPORT TOURING T30EVO」。
そして、従来のS20で好評であった乗りやすさを損なうことなく、スポーツ走行に求められる性能をさらに追及したハイパースポーツタイヤ「BATTLAX HYPERSPORT S20 EVO」。
世界最高峰の2輪レースにおけるブリヂストン責任者として世界のサーキットを転戦する山田のトップライダーたちとの長年の切磋琢磨によって培われたプロフェッショナルな言葉には鋭いものがありました。
取材とはいえ、山田にとって久々のロングツーリング。
緊張もあるなか、東京から軽井沢まで力強い走りを披露し、
的確なフィードバックで編集スタッフの期待に応えておりました。
取材を終え、つかの間のオフタイム。
「軽井沢はいいな~」
あふれる緑、木々のざわめき、小鳥たちのさえずり、心地よく優しい風のそよぎ。
世界を転戦する山田にとっては、のんびりとくつろぐ時間のみが極上の贅沢なのかもしれません。
肺いっぱいに空気を吸い込み、目を閉じる。
サーキットの喧騒を忘れるひとときでございました。
ふと、そのとき、木陰でうずくまっている女性の姿が目に入りました。
「おい、お嬢さん、大丈夫かい? 」
「あ、はい、、、」
「おや、あんたはさっきの出版社の記者さんじゃないか。いったい、こんなところでどうしたんだい?」
「え、いや、別に。。。。」
「わかった!朝からなんも食べてないんだろ?そうだよな~、雑誌社の記者さんは忙しいものなあ。」
「・・え、いや、、そうではなくて、、、」
「うん、わかったわかった。よし、なんか作ろう!とっておきにうまいの、作ってやる!
編集者諸君もみんな連れてきな!」
「さあ、できたぞ!ささ、あったかいうちに食べてご覧よ。
山田宏の“HIRO風お好み焼き”だ。広島風じゃないってところがポイントよ。一応いっとくけど、宏のHIRO風ね。」
「おいしい!!こんなにおいしいお好み焼き、初めて!」
「だろう?たっぷりの山芋を豪快に使うのがポイントなんだ。
ロッシもアッセンでこれを食って優勝したみたいなもんだ。」
「え?ロッシも食べたんですか?」
「お、おう、たぶんな。」
「料理が上手な男の人ってステキ!あこがれちゃうな~。そういう人と結婚したいよね~。」
「え?・・・」
「お料理が上手で、仕事もできて、優しくって、、、旦那さんとしては申し分ないもん。」
「そ、そ、冗談いっちゃいけないよ~。そんなこと言ったら、ほら、まじめな編集者のみなさんが本気にしちゃうじゃないの・・アハハ・・」
(ちくしょう、この娘、かわいいじゃねえか。。。)
「お!ひらめいた!お好み焼きとかけてバイクのタイヤと解く、その心は・・・」
「え~、なんだろう?」
「どちらも、素材をゆっくりじっくりこねるのが重要!っつってな!?・・・ははは・・」
「あ~、もうおなかいっぱい!眠くなっちゃった。。山田さん、今夜はどうもありがとう!おやすみなさい!」
「お、おう、そうだな、うん、じゃあ、このへんでお開きとしよう!いやあ、楽しい夜だなあ~!」
翌朝。。。
山田が泊まるホテルの部屋に彼女が訪ねてきました。
「山田さん。おはよう。私、結婚する!」
「え?誰と?」
「実はずっと悩んでて、昨日も落ち込んでたんだけど、山田さんのお好み焼きを食べて、気持ちが前向きになってね。お好み焼きのようにお互いをじっくりゆっくりこねることで、私たち、うまくグリップするんじゃないかなって。もし、山田さんに会えなかったら、私結局ひとりで悩んであきらめちゃったかも知れない。。」
そのとき、彼女の頬に一筋の涙がつたうのでありました。
「あれ、やだ・・・うれしいのに・・・」
「いいよ、泣きなよ。よかったじゃねえか。決心できたんだし!タイヤも人生も、走らせなきゃ、なんにも始まんねえって。ほら、今年のアルゼンチンでマルケスも「転倒から学ぶ」って言ってたしな!」
「うん、ありがとう!」
「お嬢さん、幸せになれよ」
そして、次のサーキットに向かうため、
白樺の森に山田宏のエグゾーストノイズが響きわたるのでありました。
(ロケ地:軽井沢)
山芋でふわふわ美味しい!ツーリング先でも手軽にできるお好み焼きレシピ。少し少ないつなぎによってキャベツのシャキシャキ感とたっぷりの山芋が美味しさの秘密。
材料: 豚バラ(又は豚小間切れ):100g、イカ、エビ、タコ等魚介類何でも。その他桜えび、紅生姜等好みで。キャベツ:4~5枚程度、もやし:1/2袋、小麦粉:2/3カップ、卵:1個、山芋すりおろし:50cc程度、水:100cc位、ダシ粉:少々、ソース、マヨネーズ、鰹節
レシピは、「レシピ検索No.1/料理レシピ載せるなら クックパッド」でご紹介しています。
1980年にブリヂストン入社。東京、小平にある技術センターでタイヤの性能を評価する試験部に配属される。
1990年に2輪ロードレース部門が強化されたときに異動し、全日本選手権の開発者となる。
1991年、開発者として世界GPに派遣される。
1992年より本社へ異動し、2015年まで世界GPのレース活動を担当。
また、趣味の枠を超えた「料理研究家」として、レースやイベントなどで手料理を振る舞っていることでも有名。
美容と健康が大好きで、今後は食べ物を主題とした健康食品や化粧品についての情報発信も始めたいと思います!山田さんの”HIRO風お好み焼き”はヘルシーで美味しかったです!★★★(星3つ)!
この物語は「ブリヂストンの山田宏」が、得意の手料理で人々をもてなし、元気にしていく物語です。
※この物語は一部を除いてフィクションです。