充電デバイス、Wi-Fi、広告ディスプレイに防犯カメラまで! ソーラーパワーベンチ「Steora」

ブリヂストンはBWSCを通じて、「Dream bigger. Go farther.」をテーマに人々の夢への挑戦を支えています。 ここではクロアチアのスタートアップが開発した、ソーラーで充電できる多機能スマートベンチをご紹介します。

クロアチアのスタートアップ企業INCLUDE社が開発した多機能スマートベンチ「Steora」。このスマートベンチがあれば、ただの道路やちょっとした街の片隅にも、思わず寄り道してしまうかもしれません。

2019年10月現在、5大陸260都市に1,100個以上の「Steora」が設置されています。観光地や海岸沿いだけでなく、ドイツでは動物園にも設置され、多くの人が立ち寄っているといいます。

ソーラーパネルから電源を確保でき環境にもやさしい

「Steora」には6つのモデルがあり、そのすべてにデバイス充電、無料Wi-Fi、照明、データ収集センサー、ダッシュボードを完備。

これらの機能はすべてベンチ上部に設置されたソーラーパネルから電源を確保しており、電池や電源プラグなしに継続的に使用が可能。太陽光でベンチが温まり35℃以上になると冷却システムが作動し、精密なセンサーを守ります。

「Steora」にはデバイス充電用のUSBポートが2つ付属していますが、それだけではありません。ワイヤレス充電器が統合されているため、ワイヤレス充電に対応したデバイスであれば、ベンチに置くだけで充電できるという手軽さです。

Wi-Fi速度は最大433 Mbpsで、利用者がソーシャルネットワークを使用したり、オンラインショッピングをしたりする間、内蔵されたコントローラーがセキュリティを管理してくれます。

加えて、ベンチの裏側部分にはコントロールパネルを完備。温度、湿度、降水量などの気候情報や、Wi-Fiユーザー数、インターネットのデータ消費などのベンチ使用状況を30分ごとに収集し、ダッシュボードで簡単に管理できます。

LEDライトが点灯する時間やWi-Fi名を変更することも可能。何か問題が発生した場合もすぐにアラートが表示されます。

多彩なオプション機能をもつ6つの「Steora」

標準モデルの「Steora Standard」を含む6つのモデルには、設置環境を考え、それぞれにオプションが搭載されています。

「Steora Hybrid」は、日照時間が少ない国で使用するための設計がなされており、ソーラーパネルからの充電が30%を下回ると、ACグリッド電源がオンになる仕組み。寒い国での使用を想定しているためシートヒーターも完備されています。

「Steora Urban」は、19インチのLCDディスプレイを搭載。ニュースや地域のお知らせ、企業広告などを表示できます。

「Steora Urban+」は、人通りの多い場所に置くことを想定された「Steora Urban」の上級モデル。高度なソフトウェアを内蔵しており、19インチのLCDディスプレイには動画や写真を簡単にアップロードすることが可能です。表示期間や頻度も設定できるので、広告利用に適しています。

「Steora CCTV」は公共スペースの安全性を向上させるために開発されました。ベンチの両側に計4つのカメラが装備されており、360度全方位の動画を記録。カメラには赤外線を内蔵した夜間録画機能や耐候性および耐破壊性もあり防犯対策に最適です。

「Steora E」はソーラーパネルがない唯一のモデルです。地下鉄、ショッピングセンター、空港など屋内向けで、多くの利用者を想定して設計されています。強力なACグリッド電源で作動します。

太陽光なしでも5日間作動できるパワフルなバッテリー

ソーラーパネルを搭載した「Steora」シリーズは、自然光が当たる場所であればどこにでも設置できます。エネルギーは強力なバッテリーシステムに送られ充電されるので、太陽が出なくても最大で5日間の稼働が保証されています。

利用者がいない場合や大雨や雪などの悪天候を認識すると、スタンバイモードになりサーバーに通知。ダッシュボード上で、どのベンチがスタンバイモードになっているかを確認できます。また、ベンチを使用している人がいないと想定される午前2時に機能をオフにする設定も可能です。

「Steora」は常に進化しています。ソフトウェア更新プログラムにより、内部システムは3~6か月ごとに更新され、より快適な環境をユーザーに提供し続けています。

クロアチアの若き起業家がスマートシティ化をサポート

INCLUDE社を創業したイヴァン・ムルボシュ氏は現在23歳。Forbes誌が選ぶ30 Under 30 Europe 2019にも選出されています。「Steora」を構想し始めたのは19歳のときで、最初の出資者は彼のおばあさまだったそう。

ムルボシュ氏は、「Steoraを導入すればすぐにスマートシティ化を始められる」と語ります。彼いわく、スマートシティプロジェクトを開始するためのコストと時間を削減できるのが「Steora」シリーズなのです。実際に、INCLUDE社最大の顧客は自治体だといいます。

日本でも、防犯カメラの代わりやイベントのWi-Fiスポットとしてなど、活躍する日が来るかもしれません。

出典:Steora