街中で急にスマホの充電が必要になったことはありませんか? そんなとき、ブランコをこいで充電するのはいかがでしょう。
オランダ最大の駅、ユトレヒト中央駅。16のプラットホームを持ち、1日17万人以上の人が利用し、900本以上の電車が出発します。そんなハブ駅に、楽しく、かつ無料で携帯電話を充電できる、巨大ブランコが設置されました。3台あるブランコには列ができ、このブランコに乗るために電車を見送る人も現れたといいます。
ユトレヒト中央駅に設置、待ち合わせ前に充電できる
いうまでもなく、このブランコの特徴は、大人も子どもも楽しみながらエネルギーを生み出せること。ブランコ横のボックスから伸びるコードに携帯電話をさし、緑のランプがつけば準備は完了。あとはブランコをこぐだけで、ブランコの動力によって充電されます。遊ぶことで現代人の需要に応えながらエコに充電できる、ユニークなアイディアなのです。
「Play For Power」と名づけられたブランコは、ユトレヒト州を拠点とする会社「ID310」がプロデュースしました。
2006年に創業したID310は、クリエイティブディレクターやグラフィックデザイナーが多数所属し、ユニークな切り口で体験型の製品やイベントの企画を行っています。今回は、持続可能性にフォーカスするサステナブルウィークの一環でこの駅に設置されました。
持続可能性を探るサステナブルウィーク
サステナブルウィークは、オランダ最大のサステナビリティイベント。2019年は、ユトレヒトのノイデ周辺において6月15日~22日の一週間開催されました。2016年に開催されて以来、徐々に規模を広げ、2019年は50団体が参加し150のイベントを実施。来場者数は1万人を超えたといいます。
ユトレヒト中央駅を運営するオランダ鉄道は、サステナブルウィークのコンセプトに共感し「Play For Power」のほか、列車の材料をリサイクルした商品を用いたポップアップストアやペットボトルのリサイクルステーションを設置。今後は運営するほかの駅でも、同様の取り組みを検討中とのことです。
サステナブルウィーク後常設へ 気軽に持続可能性に関心を
もともと、「Play For Power」はサステナブルウィーク終了後に撤去予定でした。しかし、メディアやSNSで話題を集め、存続を希望する声が続出。結果、駅構内に常設されることが決まりました。オランダ以外でもお目にかかれる日はそう遠くないかもしれません。
環境を考え我慢するのではなく、楽しみながら環境に配慮できる——。この取り組みが、持続可能性に関心を持つきっかけになるといいですね。
出典:Play For Power