『TEAM MARI モーターサイクル・レッスン』は、女性ライダーのみを対象としたライディングスクール。女性レーサーの先駆け・井形マリさんが1989年に取り組みはじめたライディング講習が母体となって生まれたもので、現在に至るまで四半世紀にわたり、埼玉、もてぎ、鈴鹿などでレッスンを開催し続けている。ブリヂストンはこのスクールのコンセプトに賛同して協賛を続けている。

「初心者に限らず、女性ライダーの多くはバイクの扱いがぎこちなく、よく転びます。これは男性のように筋力がなく体格が小さいからだと考えられがちですが、必ずしもそうとはいえないところがある。要は、ちゃんとしたライディングテクニックが身についていないだけ。私たちは、この危険で残念な状況をなんとかしたいと、各地で定期的にレッスンを展開するようにしているのです」

こう語ってくれたのは、2004年から『TEAM MARI モーターサイクル・レッスン』の総責任者を務めている井形ともさん。井形マリさんの妹で、かつては世界GPライダーとして名を馳せた人だ。レッスンでの指導中、身長160㎝体重49㎏という小柄にも関わらず大型バイクをいとも簡単に乗りこなしている姿を見ていると、その言葉にたしかな説得力がともなっていることがよくわかる。やはりバイクは力じゃない……。

実際、今回もてぎでのレッスンに参加した女性たちに感想を聞くと、みんな「参加者もインストラクターも全員女性だから気兼ねなく学べて楽しい」「毎回、自分のペースで着実にうまくなっていけるのがとても嬉しい」と口々に述べていた。そして、そのうちの何人かは10回以上も参加しているリピーターであり、冒頭に紹介した津田さんの80回参加はその最たる例ということになる。

「私たちは、津田さんのように大型バイクでも軽やかに操れる女性ライダーがたくさん誕生することを心より願っています。なにも必ず80回きてほしいとまではいいませんが（笑）、新たに免許をとった女性、あるいは大きなバイクを買ったばかりの女性で運転に不安がある方は、ぜひ数回にわたってレッスンに参加してみてほしいですね。練習を重ねれば、きっとより安全かつ美しいスタイルで公道を走れるようになるはずですから」

そう、公道で「わ、うまいなあ！」と思わせる女性ライダーに遭遇したら、それはもしかしたら、『TEAM MARI モーターサイクル・レッスン』参加者である可能性が少なくないということなのである。