世界が注目する105回目のIndy500®決勝レース開催!注目の結果は?
105回目となるIndianapolis 500® Mile Race(インディ500®)の決勝が5月30日にアメリカ・インディアナ州にあるインディアナポリス・モーター・スピードウェイで開催されました。今年は過去最多となる15カ国から33名のトップレーシングドライバーが参加し、このうち9名が歴代インディ500®覇者という例年以上に豪華な顔ぶれになりました。さらに予選ではスコット・ディクソン選手(チップ・ガナッシ/ホンダ)が平均時速231.685mph=372.861 km/hを記録するなど決勝前から話題は豊富。それに加えて2017年に初優勝し、昨年自身2度目の優勝を果たした佐藤琢磨選手(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング/ホンダ)の大会連覇&3勝目にも期待がかかる大会になりました。
■5,000本のタイヤとともにインディ500®に望むファイアストン&ブリヂストン
2000年以降インディ500®を含むインディカー・シリーズへレーシングタイヤを独占供給してきたファイアストンは、チームやドライバーからその安定性と信頼性により高い評価を得てきました。遡ること110年、1911年5月に行われたインディ500®第1回大会で優勝したマシンにもファイアストンのタイヤは装着されていました。今回を含め累計72回という他のタイヤメーカーの2倍を超えるインディ500®参戦記録を持つファイアストンは、2021年のシーズンに向けて製造する2万8,000本のレーシングタイヤの一部として、インディ500®では各チームにプラクティス、予選、決勝に使う34セット、計5,000本のレーシングタイヤを提供しています。
オハイオ州アクロンにあるキャンパスでは約70人がこのレースタイヤの開発&製造に携わっており、パフォーマンス・タイヤ・サービス・カンパニーの40人のスタッフがサポートしています。これらの2社と、テネシー州ナッシュビルにあるブリヂストン・アメリカス本社の関係者5名を合わせたサポートメンバーは、5月中はインディアナポリス・モーター・スピードウェイに滞在し、万全の態勢で決勝レースに臨みます。
チーフエンジニアでレースタイヤエンジニアリング&マニュファクチャリング ディレクターを務めるカラ・アダムスは「105回目のインディ500®に向け、オフシーズン中にテストを行い、その結果、2020年に使用したものと同じコンパウンドと構造を採用するタイヤが引き続き最高のパフォーマンスを提供すると判断しました。今年もインディ500®では優れたグリップ力と摩耗特性を示し、最適な耐久性とスティント間の一貫性を提供します」と決勝前に語っています。
■決勝は手に汗にぎるバトルが展開、佐藤琢磨選手も優勝争いに加わる
5月18日から始まったプラクティスを経て、22日に行われた予選1日目ではスコット・ディクソン選手がトップに。佐藤琢磨選手は惜しくも上位に食い込めず15番グリッドからの決勝スタートが確定しました。翌23日にはポールポジションから9グリッドを競い合うファストナイン・シュートアウトが行われ、前日に続きスコット・ディクソン選手がトップに立ち、自身4度目となるインディ500®ポールポジションを獲得。予選2番手にはコルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート/ホンダ)、3番手にリナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター・レーシング/シボレー)がつけ、決勝レースのフロントローが決まりました。
迎えた決勝レースではポールポジションからスタートしたスコット・ディクソン選手に加え、アレックス・パロウ選手(チップ・ガナッシ/ホンダ)、パトリシオ・オワード選手(アロー・マクラーレンSP/シボレー)、そしてエリオ・カストロネベス選手(メイヤー・シャンク・レーシング/ホンダ)らが序盤から超高速レースでの熾烈なバトルを繰り広げました。また予選15番手からスタートした佐藤琢磨選手も巧みな戦略によって終盤には首位へと浮上し、優勝争いに加わる場面も。勝利の行方がわからない、まさに手に汗にぎる展開はラスト2周まで続き、198週目にアレックス・パロウ選手のオーバーテイクに成功したエリオ・カストロネベス選手がそのまま逃げ切り、今年のインディ500®を制しました。佐藤琢磨選手はラスト7周を迎えたところで給油のためのピットインを余儀なくされポジションを落とし14番手でレースを終えました。
■優勝はエリオ・カストロネベス選手!歴代最多優勝タイ記録に並ぶ
見事優勝したエリオ・カストロネベス選手は2001年からインディ500®に参戦するベテランドライバーで、2001年、2002年、2009年に同大会で優勝。そして今大会で4度目の優勝を決めました。通算4勝はインディ500®において歴代最多優勝タイ記録となり、AJフォイト、アル・アンサー、リック・メアーズといったレジェンドドライバーたちの仲間入りを果たしたことになります。エリオ・カストロネベス選手は自身のインディ500®初優勝から20年目、46歳という年齢で4勝目を勝ち取りましたが、年齢を感じさせないその走り(そしてレース後に金網によじ登る名物パフォーマンスも披露するタフさ)を見ていると、歴代勝利記録更新となる5勝目も夢の話ではないかもしれません。
約4割の制限とはいえ13万5000人もの観客がサーキットに戻り、大盛況のうちに終わった今年のインディ500®ですが、NTT IndyCar® Series(インディカー・シリーズ)はシーズン中盤を迎えたばかり。次回は6月12日にミシガン州デトロイトで第7戦が行われます。ファイアストン/ブリヂストンは同シリーズの素晴らしいレーシングバトルを足元から支えていきますので、引き続きご注目ください!