建設・鉱山車両用タイヤの進化を支えるブリヂストン独自の革新技術
強靭な耐久性能の追求による鉱山現場の生産性向上に貢献
鉱山はタイヤにとって最も過酷な使用環境のひとつです。車両重量260トン、積載重量370トンの鉱山車両では、総重量を6本のタイヤで支えるため、1本あたり100トンもの荷重がかかります。そのような環境の中、一度の車両の稼働でより多くの鉱石を積載しより速く運搬して車両運搬効率を向上させることが、生産性向上のための重要な課題になっています。ブリヂストンでは、その課題を解決すべく、断トツの商品と断トツのメンテナンスサービス、断トツのサービスネットワークをリアルとデジタルで組み合わせることで、鉱山事業者の安全性・環境性・経済性・生産性に貢献する鉱山ソリューションを展開しています。
そのソリューションの土台となるのが超大型のダンプトラックを支える建設・鉱山車両用タイヤ(以下、ORタイヤ)です。当社は、ORタイヤに求められる強靭な耐久性能を追求すべく、タイヤの素材開発・構造設計・製造技術の知見を結集した独自の技術開発に取り組んでいます。
更なる耐久性能の向上を可能にした技術
一度の運行でより多くの鉱石を積み、車両を速く走らせ、タイヤ交換による車両の稼働時間の減少を抑えるためには、耐荷重性や速く走るための耐熱性、タイヤ交換回数の低減につながる摩耗しにくさ(耐摩耗性)等の強靭な耐久性能を向上させる必要があります。ブリヂストンでは、ORタイヤの更なる耐久性能向上を実現するため、これまで培ってきたタイヤ・ゴム事業の強みを活かし、素材、構造、製造技術が一体となった当社独自の技術を開発しました。
・タイヤの骨格部材に搭載する当社独自のスチールコードコーティング技術「Metal Surface Coating Technology」を開発。
従来ゴムに配合していた接着触媒をスチールコードの回りにコーティングすることで、スチールコードとゴムの接着力を画期的に向上させることを可能にする技術
・自社で開発し生産する内製の防錆スチールコード製造技術
・接着触媒を大幅に低減することで、ゴム自体の強度を格段に向上させた新ゴム配合技術
・空気の流れを制御してタイヤ踏面を冷やす空冷技術を搭載したタイヤパターン構造設計技術
これにより、断トツの高耐久性能を有するORタイヤの更なる進化を実現しています。
鉱山現場の生産性向上に貢献するORタイヤ
「Bridgestone MASTERCORE(マスターコア)」
当社はこれらの技術を結集し、鉱山現場の生産性向上に貢献するORタイヤ「Bridgestone MASTERCORE(以下、MasterCore)」を開発しました。「MasterCore」は、他の性能を犠牲にすることなく強靭な耐久性能を実現し、お客様ごとに異なる鉱山の現場やオペレーションの計画に合わせて「カスタマイズ」することで、最適な性能を提供することが可能な断トツの商品です。世界中の主要な鉱山のお客様のテストマーケティングでは、お客様のニーズに対応した耐久性能の向上を確認しています。当社は、この断トツ商品に、すでに世界各地に展開している現場密着のサービスと車両の運行データやタイヤの温度・空気圧などの情報をリアルタイムで把握することが可能なセンサー技術を掛け合わせ、将来に向けて鉱山オペレーション全体を支えていくことを目指します。
当社は、今後もタイヤ・ゴム事業の強みを活かした技術イノベーションによって断トツの商品を開発し、様々なお客様のニーズにお応えするソリューションを進化させていきます。また、そのソリューションを推進することで得られるデータや知見を社内へ継続的にフィードバックし、更なる断トツ商品や、それを進化させる技術の開発に繋げていきます。