エコ・プロジェクト ブリヂストンこどもエコ絵画コンクール 第12回テーマ 「みつけよう おもしろい しぜん」

審査風景

厳正なる1次審査、2次審査、最終審査を経て、応募総数38,929点の作品の中からブリヂストン大賞5点をはじめ101点の受賞作品と各賞を決定させていただきました。審査会の様子、審査員の感想、選評をご紹介いたします。

1次審査

審査風景

1次審査 会場風景

審査員のコメント
五十嵐たかし様(アートディレクター)

技術がつたなくても裏のコメントを見るとすごく可愛かったりして、年齢と内容を見比べながら審査しました。表現したいものができていればよし、としています。絵を描くことが苦手でも、思ったことを描いてみてください。うまくいけば楽しいし、続けていれば「ものを見る目」を養えると思います。

いわせななみ様(絵本・人形クリエーター)

大人の絵よりもパワーが強いものがたくさんあり、見ていてこちらも楽しいなと思いました。飼っている猫ちゃんだったりウーパールーパーだったり、自分が愛情を注いでいるものの絵は、見ているこちらにもその気持ちが伝わってきて、とてもいい絵が多かったです。

川添むつみ様(東洋美術学校非常勤講師、イラストレーター)

自分がどういう動物が好きでどれくらい愛情があるかが、技術ではなく細かさ等で表現されている「対象物をよく観察している絵」が印象に残りました。自分の楽しいものや好きな場所、思い出をたくさん作って、今回に限らずたくさんの絵や作品を作っていってほしいです。

小林ひろみ様(画家・イラストレーター)

これからきっと、お子さんたちの色々なものを見る目線が変わってくるのかしら、と考えながら審査させていただきました。私の知らない小さな海の生き物の絵を見たときは、こちらが「見つけ」させて貰った気になりました。絵の中の感動に出会い、気持ちが若返っていき、楽しかったです。

西野沙織様(イラストレーター)

みなさんの純粋さや無垢な想いが絵に表れていて、その時にしか描けないものだと感じました。好きなものを好きな色で楽しみながら描いていると、見る人にも伝わってきます。自分自身が「描きたいな」「こういう絵が好きだな」「満足!」と思えるものを描いていってください。

藤田伸様(多摩美術大学非常勤講師、グラフィックデザイナー)

自然界には、さまざまな色があります。工夫をしている人は、絵具を混ぜたり、薄くしたり、濃くしたりしながら描いていましたが、絵具のまま塗っている人もいたように思います。自然は色が豊かで、デリケートな色、強い色、絵具にはない色がたくさんある。そこをきちんと見つけている絵がよかったですね。

八木恵一様(アートディレクター)

自由な感覚で描き上げた子供達の世界は、どれも楽しく素敵な作品ばかりでした。選ぶのは大変でしたが、楽しい時間でした。上手い下手ではなく、お子さんの個性や気持ちが表れているものを選びました。一枚の絵に込められた、子供達の自然を見つめる目と、温かな心を見つけた時は幸せでした。何を描いたら良いのか、解らない、困ったなと思ったら、10分間、身近な自然を見つめてください。きっと描きたいものが見えくると思います。

2次審査

審査風景

2次審査 会場風景

審査員のコメント
遠崎高平様(画家)

構図の面白い絵で印象的なものがありました。絵とコメントを見比べ衝撃を受けたり、大人ではなかなか思いつかないような作品にも出会え、楽しく審査することができました。“何を発見するか” “それをどのように描くか” が、絵の面白さの一つだと思います。毎日の生活の中でたくさんのことを発見し、素直に楽しく絵を描いていって下さい。

マツモトヨーコ様(画家・イラストレーター)

身近な自然を“発見”している絵に目が止まりました。目の前で起きている自然の小さな出来事を主役にとらえた作品があり、とても印象に残っています。小さなことでもいいので、自分の目で発見したものや体験したものを大事にして絵を描いてください。一見地味であっても、きっと感動を呼ぶ作品になると思います。

最終審査

審査風景
   

素晴らしい作品ばかりです

 

選んだ作品に花をそえます

 

たくさんの作品の中から賞が選ばれました

審査員のコメント

津谷 正明
(株式会社ブリヂストン 代表取締役CEO 兼 取締役会長)

自然という大きなテーマの中でも、緑のイモ虫が白い蝶に「変わる」ことに着目した点に惹かれました。イモ虫を主役に描き、蝶が端にいる構図も面白いと思います。絵をさらによく見ていくと所々に黒い点のようなものがあり、「これは何だろう?」と思わず引き込まれました。全体に落ち着いた色調で、見ていて非常に心が落ち着く素晴らしい作品だと思います。

大阪府 八木 喬基 「なぜ虫は、かたちが変わるのか?」

ヒサ クニヒコ氏
(漫画家)

カエルがとても楽しそうに描かれていますよね。その楽しそうな様子を絵に映し出せているところに、とても感動しました。描いた本人まで一緒に「楽しい!」と感じていることが、丁寧に描かれているヒマワリ・朝顔など絵の隅々にまで表れていると思います。
生き物や自然に対するやさしい気持ちを、ぜひこれからも絵や文章にしていってください。

千葉県 梁田 菜摘 「雨にぬれてたのしそうにしているカエル」

ミロコマチコ氏
(画家・絵本作家)

「どう描いたら伝わるのか」松を一生懸命観察して、工夫しながら描いたことが伝わってきました。下から見上げたときの枝1本1本のうねり、幹のひび割れた模様、針のような葉っぱ、といった様々な発見が子供ながらの目線で描かれていて感動しました。
この松が1年間どのように過ごしているのか、たまに見上げて、また絵にしてもらえたら嬉しいです。

静岡県 開澤 快 「見上げたら、松」

貝塚 健様
(ブリヂストン美術館 学芸部長)

作者の伊沢さんはおそらく実際に牛を撫で、大きさやにおい、親子の愛情を感じ、強く心を打たれてこの絵を描いたのではないでしょうか?牛の毛など細かい部分まで念入りに描かれている点から、そのことが伝わってきます。地球に生きていて、目の前にある世界からどのように環境が大きく広がっていくのかを、お子さんなりにつかめている作品だと思いました。これからも色々な自然との出会いを楽しみ、大切にしてほしいです。

徳島県 伊沢 直留 「ウシの親子」

川村 修氏
(日産自動車株式会社 CSR部 課長)

「木の枝が動いたと思ったら、ナナフシという昆虫でした。」というコメントの通り、面白い自然を発見している点が、今回のテーマに合っていたため選ばせていただきました。大きな木をよく見ると、とても細かく描かれており、その表現力にも驚きました。ナナフシという昆虫の存在に気づき面白いと感じたときの気持ちを大切に、これからも楽しい絵を描き続けてください。

千葉県 内田 百奏 「なにが見えるかな?」