データサイエンティスト×ブリヂストン DX人材が創出する新たな価値 デジタルAI・IoT企画開発部 デジタルAI開発課 武富 尚吾

データサイエンティスト×ブリヂストン DX人材が創出する新たな価値 デジタルAI・IoT企画開発部 デジタルAI開発課 武富 尚吾

ブリヂストンでは、DX(デジタルトランスフォーメーション)によって、これまで現場で長年培われてきた強い「リアル」に「デジタル」を組み合わせることで、「より大きなデータで、より早く、より容易に、より正確に」をテーマとして、「断トツ商品」・「断トツソリューション」の開発、展開に繋げることを目指しています。その鍵を握るのが、社内で活躍するデータサイエンティストたち。その挑戦と描く未来像について話を聞きました!

材料開発からDX推進を担うデータサイエンティストのキャリアへ

――現在どんなお仕事をしているのですか?

ブリヂストンの各事業部門が抱える課題を、デジタル技術を使って解決することが私の部署のミッションであり、その中で私はAIのシステム開発を担当しています。現場の方々とディスカッションしながら現実的な課題設定に落とし込み、AIやIoTなどを活用したソリューションの実装や展開支援までサポートしています。

――現在のキャリアに至るまでにどのような経験を積んできましたか?

学生時代は、修士課程で生物化学工学を専攻していました。天然ゴムをはじめとするタイヤの素材に興味があり、2007年にブリヂストンに新卒で入社しました。東京・小平市の技術センターでタイヤ材料の製造技術開発に従事した後、山口県にある下関工場および防府工場の圧延工程の生産現場で最適な加工条件を検討するなどの業務も経験しました。
入社7年目の2014年に、人財を求める部署が募集職種を社員に公開し、応募者から選抜する人事異動制度「社内公募制度」を活用して天然ゴムの材料開発部門に異動しました。そこで、天然ゴムなどの材料の分析結果を統計的手法で解析し、新たな知見を導き出す取り組みに携わり、その頃からデジタルやデータサイエンスに興味を持ち始めましたね。2016年に現部署であるデジタルAI・IoT企画開発部の前身となる部署に異動して現在に至ります。

AIの力でロードサービスを行う「施設配置問題」を解決

――今の部署で、データサイエンスをどのように活用しているのでしょう?

これまでに私が関わった一例として、トラック・バス用タイヤの緊急ロードサービスに関する取り組みがあります。在庫や装備品を、限られた予算の中でどの店舗に置けばいいのかという「施設配置問題」の最適解をAIで導き出しました。
また、タイヤにセンサーを貼り付け、センサーからの信号を分析し、タイヤの摩耗状態や負荷を推測する技術開発にも携わり、一定の成果を挙げることができました。

デジタルAI・IoT企画開発部 デジタルAI開発課 武富 尚吾さん

働きながら博士号を取得

――AIや統計に関する知識はどのように身につけたのですか?

初めは独学でした。しかし根本的な知識の理解をする際にギャップを感じ、自信が持てませんでした。そんななか、上司に働きながら大学で勉強する道(制度)もあることを教えられ、2019年から博士課程に進むことにしました。統計的モデリングや機械学習の技術をビジネスや社会課題に適用して解決する応用研究を学び、3年経った今年の9月にようやく修了しました。
博士課程で学んで強く感じたのは、勉強を始めるのに遅すぎることはないということです。進学を決めた時は、子どもが産まれて間もない頃で、共働きの育児を始めるタイミングでの進学で、やりきれるかどうか非常に不安でした。しかし、チーム内で業務を調整してくれたこともあり、今振り返れば、スキルと幅広い視点を身につける貴重な機会になったと感謝しています。

働きながら博士号を取得

デジタルを活用した新たな価値創出のために

――社内に独自でデータサイエンティストを育てる風土があるのですね。

そうですね。会社としてDXに前向きに取り組んでいますし、人財を増やしていくことにも積極的で、育成のスキームが確立されてきたと感じます。
社内でデータサイエンティストを育成することのメリットとして、まず事業部門のドメイン知識やニーズや置かれている状況を細かいところまで理解し、より実践的なシステムを開発できること、またそこで得たノウハウを社内に蓄積できることが、ブリヂストン独自の事業の新たな価値を創造することにつながると思います。

――武富さんが仕事をする上で大切にしていることは何ですか。

やはりコミュニケーションです。事業部門が実現したいことと、デジタルが実現できることがマッチすることは、初期の段階ではほとんどありません。相手の要望に耳を傾け、擦り合わせてこそ、本当に役立つシステムができると考えています。とかくAIやデータサイエンスは万能なものとして捉えられがちですが、現在の技術の限界も踏まえた上で落とし所を探っていくことを心がけています。時には、事業部門の仕事のやり方を変えることをお願いすることもあります。ビジネス部門にも変革を促しつつ、DXを進めています。

新たな働き方と社内のデータサイエンスをリードする存在に

――ワークライフバランスは取れていますか?

フルタイムで働く妻と、保育園に通う5歳の娘がいます。妻とよく話すのは、「ワークのためにライフを、ライフのためにワークを疎かにしたくない」。互いのスケジュールを共有してやりくりしています。現在は、8割が在宅勤務であるためその辺は融通が利かせやすくなっているので助かっています。
仕事自体は、正直、繁忙期とそうでない時期の波はありますが、各部門から寄せられる要望について部内できちんと交通整理しているため、業務はきちんとコントロールされていると感じます。
この3年間、業務と大学の研究と子育てに追われていましたが、これからは少し落ち着いて自分と家族がより充実した時間を過ごせるようにしていきたいですね。

――武富さんがブリヂストンで実現したい夢を教えてください!

研鑽を忘れることなく、日進月歩のデータサイエンス分野に長く携わっていきたいです。現物現場を知る技術者として、ブリヂストンのDXをリードし、会社もお客様も社会も幸せになるようなシステムづくりを進めていきたいです。

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