創立90周年企画:御料車「プリンス・ロイヤル」と名車「スカイライン」の歴史
■国産車初の御料車「プリンス・ロイヤル」
昭和天皇および今の上皇陛下が天皇陛下であられた際に使われた国産車初の御料車「プリンス・ロイヤル」がブリヂストンの創業者 石橋正二郎と深く関わりがあることをご存じでしょうか。
「プリンス・ロイヤル」は石橋正二郎が会長を務めていたプリンス自動車工業が開発したクルマです。このクルマが宮内庁に納車された1967年にはプリンス自動車工業は既に日産自動車と合併して社名はなくなっていましたが、クルマを開発したプリンスの名前をとって、「プリンス・ロイヤル」(※正式名称は「ニッサン プリンス ロイヤル」)という車名がつけられました。プリンスの名前は今でも日産のプリンス系販売会社に残っています。
実際に御料車として使われていた「プリンス・ロイヤル」の1台は、現在東京・立川市にある昭和天皇記念館に展示されています。
■日産を代表するクルマ「スカイライン」の秘話
また、現在日産を代表するクルマの1つである「スカイライン」も石橋正二郎が名付けたものだそうです。1957年、プリンス自動車工業の前身で石橋正二郎が会長を務めていた富士精密工業で「スカイライン」は誕生しました。
当時ブリヂストンでは、「ブルースカイ」、「スカイウェイ」など「空」に因んだブランドでゴルフボールを販売していたことから、石橋正二郎はこのクルマにも「山並みと青空を区切る稜線」という意味で、清冽なイメージを持つ「スカイライン」という名前をつけました。
その後1966年に、プリンス自動車工業と日産自動車の合併に伴い、「スカイライン」は日産自動車に引き継がれ、今でも多くの方に愛されています。
ちなみに、プリンス時代も含めた歴代の「スカイライン」が展示されている「プリンス&スカイラインミュウジアム」が長野県にあるようです。機会があれば一度訪れてみてはいかがでしょうか。