低燃費タイヤの反対は免震ゴム? 高減衰ゴムが地震の揺れを吸収
前回は「建物を支える」機能について、ミルフィーユに例えてご紹介しました。今回はもうひとつの機能「地震の揺れを吸収する」についてご紹介します。
今回もわたし「めんしんクン」が免震ゴムについて紹介します。
みなさまは、車のタイヤを低燃費タイヤに替えてアクセルを踏んだとき、いつもより軽やかに車が進むことを体験したことがありますか?低燃費タイヤでは、タイヤが転がる際に駆動エネルギーが無駄なく路面に伝わることで、車が軽やかに進みます。逆に駆動エネルギーがうまく伝わらないと、抵抗が大きく、車が進みにくくなります。このエネルギーがうまく伝わらないこと、つまりエネルギーの無駄が高減衰ゴムのからくりです。
具体的には、地震の際に地面からの揺れを免震ゴムが受け、ゆったりとした揺れに変換する際、その揺れのエネルギーをそのまま建物に伝えずに一部を熱に変換し、エネルギーを無駄に消費させることで、建物の揺れの幅を抑え、かつ早く収束させているのです。この性能を減衰と呼びます。高い減衰性能と柔らかいばね性能を1つのゴムで併せ持つのが高減衰ゴムです。
ちなみに高減衰ゴム系の免震ゴムに対して、減衰性能を持っていない免震ゴムで建物を支えた場合は、建物が振り子のように長い間揺れ続けてしまうため、減衰性能のみを持つダンパーという部材を別に設置する仕組みです。
このようにして免震ゴムは「地震の揺れを吸収する」機能を果たしています。