ニュースリリース

次世代放射光施設「NanoTerasu」を活用した技術イノベーションを加速

共創によりカーボンニュートラルなモビリティ社会の実現を支える

2023年12月15日

 株式会社ブリヂストンは、国立大学法人東北大学(以下、東北大学)と同学青葉山新キャンパス内で整備を進める次世代放射光施設NanoTerasu(ナノテラス)※1を活用しデータドリブン※2で革新的な材料開発の実現に向けた研究開発チームを結成しました。同学が設置しているグリーンクロステック研究センターを拠点とします。

次世代放射光施設 NanoTerasu

 拠点となるグリーンクロステック研究センターは、科学・工学とデータサイエンス・ITをはじめとする先進テクノロジーの融合による実学研究により、グリーン分野に関連する社会課題・ビジネス課題の解決をゴールとした産学共創イノベーション拠点です。ブリヂストンは東北大学との連携を強化する為、同研究センターに人材を教授として参画させ、当社の強みとするゴム材料科学と東北大学の強みである最先端の計測科学および計算科学を融合することにより、データドリブンな開発基盤を作り、効率的に革新材料を創出しつづける基盤技術の構築に取り組んでいます。当社は、2018年からナノテラスの産学連携スキームであるコアリション※3(有志連合)に加入しており、今後、コアリションメンバーとして2024年4月に本格運用開始するナノテラスを活用し研究を加速してまいります。これにより、従来不可能であったナノレベルでのゴムの挙動観測を通じて得られたビックデータを分析することが可能となり、耐摩耗や低燃費等の性能を高次元に進化させた材料や、資源循環率を極限まで高めたゴムの開発を進めていきます。この成果を「走る実験室」であるモータースポーツ活動などの現場での性能実証を通じて、「Bridgestone MASTERCORE」※4や商品設計基盤技術ENLITEN®※5を搭載した「断トツ商品」※6へ実装し、社会価値・顧客価値の提供を目指します。

 ブリヂストンは、「ゴムを極める」「接地を極める」「モノづくりを極める」の3つの「極める」を軸に、技術イノベーションを加速させています。ゴムの挙動と性能の関係を解析し得られた強いリアルとデジタルを組み合わせ、マテリアルインフォマティクスの強化や高度な設計シミュレーションなどにつなげることで、「ゴム・接地を極める」を更に進化させていきます。今後もこの様な共創を推進しながら、企業コミットメント「Bridgestone E8 Commitment」※7で掲げる「Energy カーボンニュートラルなモビリティ社会の実現を支えること」「Ecology 持続可能なタイヤとソリューションの普及を通じ、より良い地球環境を将来世代に引き継ぐこと」にコミットしていきます。

  1. ※1世界最高クラスの軟X線放射光施設。国内の従来施設の約100倍の強度で発生させられる軟X線を用いることで、モノの構造や機能をナノレベルで可視化します。
    軟X線・・・ゴムなどの高分子材料の観察に適したエネルギーを有するX線
  2. ※2行動や意思決定をデータの分析結果に基づいて行うようにすること。
  3. ※3産学双方が強力な一対一の新たなチームを結成し、厳格な情報管理のもと、共創で課題解決するスキーム。
  4. ※4鉱山の生産性向上に貢献する建設・鉱山車両用タイヤ「Bridgestone MASTERCORE(マスターコア)」を発表
    https://www.bridgestone.co.jp/corporate/news/2020080701.html
  5. ※5「ENLITEN」は、従来のタイヤ性能を向上させた上で、タイヤに求められる多様な性能をお客様ごと、モビリティごとにカスタマイズする商品設計基盤技術です。お客様に寄り添い、タイヤへのニーズやウォンツを叶えるだけでなく、お客様をインスパイアさせる性能にエッジを効かせ、お客様が想像もしえない新たな価値を「究極のカスタマイズ」で実現します。
  6. ※6「断トツ」とは企業としての目標を指します。
  7. ※7「Bridgestone E8 Commitment(ブリヂストンイーエイトコミットメント)」
    ブリヂストンは、「2050年 サステナブルなソリューションカンパニーとして社会価値・顧客価値を持続的に提供している会社へ」というビジョンの実現に向けて、企業コミットメント「Bridgestone E8 Commitment」を制定しました。これを未来からの信任を得ながら経営を進める軸とし、ブリヂストンらしい「E」で始まる8つの価値(Energy、Ecology、Efficiency、Extension、Economy、Emotion、Ease、Empowerment)を、ブリヂストンらしい目的と手段で、従業員・社会・パートナー・お客様と共に創出し、持続可能な社会を支えることにコミットしていきます。
    https://www.bridgestone.co.jp/corporate/news/2022030101.html
  8. 本件に関するお問い合わせ先

    <報道関係> 国内広報部 TEL:03-6836-3333
    <お客様> お客様相談室 TEL:0120-39-2936

    以上