ニュースリリース

独自のアルゴリズムを活用したタイヤ耐久予測による鉱山ソリューション新サービスをBHP社Spence鉱山で提供開始

モビリティを支え、オペレーションの生産性を最大化

2023年11月09日

 株式会社ブリヂストン(以下、ブリヂストン)は、BHP社※1がチリに保有するPampa Norte Spence鉱山(以下、Spence鉱山)にて、独自開発したアルゴリズムを活用したタイヤ耐久予測によって最適なタイヤのメンテナンスタイミングや走行ルートを提案する鉱山向け新ソリューションサービスの提供を2023年7月から開始しました。

<鉱山現場での作業風景>

 ブリヂストンは、新たなプレミアムとする鉱山車両用タイヤ「Bridgestone MASTERCORE」※2を軸に、強いリアルとデジタルを組み合わせて、鉱山オペレーションの最適化へ貢献する鉱山ソリューションの展開に取り組んでいます。本サービスでは、新たな鉱山ソリューションの挑戦活動として、現物現場で培ってきたタイヤに関する膨大な経験・知見とAIなどデジタルの融合を駆使した独自のアルゴリズム構築を軸に、従来のタイヤ摩耗予測を強化し耐久予測へソリューションを進化させています。鉱山事業者の大きな困りごとであるタイヤの熱起因故障を未然防止するため、お客様との信頼をベースに鉱山車両情報も共有頂きながら、鉱山車両向け次世代タイヤモニタリングシステム※3「Bridgestone iTrack」※4から取得できるタイヤの温度や空気圧、車両位置情報や走行速度などのデータやタイヤ装着履歴をもとに、AIを活用した独自のアルゴリズムによるタイヤ耐久を予測し、最適なタイヤメンテナンスタイミング、車両運行ルートをご提案します。これにより、タイヤにかかるコスト削減や、車両のダウンタイム削減といった鉱山オペレーションの生産性、経済価値の最大化へ貢献していきます。また、タイヤを安全に長く使用いただくことでタイヤ使用本数を削減でき、資源生産性の向上によるサステナビリティへの貢献も実現します。

 今回導入するSpence鉱山では様々なモノの電動化に必要不可欠な材料である銅を生産し、電気自動車や住宅、家電などに使われています。銅は今後数十年高い需要が見込まれており、確実で効率的な供給を行う為に鉱山での生産性の向上が求められています。その様な中、タイヤが予期せぬダメージを受けることで発生する計画外の修理・タイヤ交換等のメンテナンスが、非効率な車両運行オペレーションやコスト増へ繋がると共に、環境負荷増の要因になっていました。そこで、ブリヂストンはタイヤの最適なメンテナンスタイミングをお知らせするサービスと広範な温度環境下での適正な内圧充填をサポートするツールの提供を開始しました。このメンテナンスタイミング通知サービスは、ブリヂストン社内で育成したデジタル人財が独自のアルゴリズムとして開発したものを活用しており、「Bridgestone iTrack」で取得したデータとSpence鉱山の車両運行管理データ、ブリヂストンの持つタイヤに関するリアルの知見を基に、タイヤ一本一本の状況を分析し、ユーザーへ最適なメンテナンスタイミングを通知しています。

BHP社Spence鉱山 鉱山プロダクションマネージャー カルロス ルス氏のコメント
 BHP社のSpence鉱山では、タイヤのパフォーマンスを改善し1本1本をより長く上手に使うことだけでなく、鉱山全体の生産性改善と廃棄物の削減を実現したいと考えています。我々は適正なタイヤオペレーションの管理、モニターを行い、最適なタイヤメンテナンスの実施と予定外の生産停止を防ぐためにブリヂストンと協働することを決めました。既にブリヂストンの新しいテクノロジーを使用したこの管理ツールを活用した新たなプロジェクトを開始しておりますが、これらのツールの導入を進める中で、私たちはブリヂストンのチャレンジ精神や行動力、改善提案の姿勢を高く評価しています。

株式会社ブリヂストン 常務役員 G-MICA管掌(グローバル鉱山・産業・建設車両用・航空機用タイヤ・ソリューション)田村亘之のコメント
 今回の新ソリューションサービスは、当社にとって新たな挑戦活動のひとつであり、当社の「断トツ商品」※5と、タイヤ知見に基づくデータ解析を組み合わせることで、お客様へ新たな「価値」を提供するものです。この度、BHP社 Spence鉱山との共創によって具現化した当ソリューションで、オペレーション改善に貢献できることを嬉しく思います。今後もお客様に寄り添った当社独自開発のソリューションで、鉱山オペレーション最適化や資源生産性向上を目指してまいります。

 ブリヂストンは、デジタルとサービスを組み合わせた鉱山ソリューションを提供することで、企業コミットメント「Bridgestone E8 Commitment」※6で掲げる「Efficiency モビリティを支え、オペレーションの生産性を最大化すること」、「Ecology持続可能なタイヤとソリューションの普及を通じ、より良い地球環境を将来世代に引き継ぐこと」にコミットしていきます。

  1. ※1オーストラリアに本社を置く世界最大級の資源メジャー。
    主にオーストラリア、南米に鉱山を保有し、鉄鉱石や銅、ニッケルを採掘。
  2. ※2鉱山の生産性向上に貢献する建設・鉱山車両用タイヤ「Bridgestone MASTERCORE(マスターコア)」を発表
    https://www.bridgestone.co.jp/corporate/news/2020080701.html
  3. ※3従来の空気圧モニタリングシステムで取得していたタイヤ温度・空気圧のタイヤデータに加え、位置情報・走行速度などの車両データの取得が可能。
  4. ※4Transense Technologies社のiTrackソリューション事業を買収
    https://www.bridgestone.co.jp/corporate/news/2020062501.html
  5. ※5「断トツ」とは企業としての目標を指します。
  6. ※6「Bridgestone E8 Commitment(ブリヂストンイーエイトコミットメント)」
    ブリヂストンは、「2050年 サステナブルなソリューションカンパニーとして社会価値・顧客価値を持続的に提供している会社へ」というビジョンの実現に向けて、企業コミットメント「Bridgestone E8 Commitment」を制定しました。これを未来からの信任を得ながら経営を進める軸とし、ブリヂストンらしい「E」で始まる8つの価値(Energy、Ecology、Efficiency、Extension、Economy、Emotion、Ease、Empowerment)を、ブリヂストンらしい目的と手段で、従業員・社会・パートナー・お客様と共に創出し、持続可能な社会を支えることにコミットしていきます。
    https://www.bridgestone.co.jp/corporate/news/2022030101.html
  7. 本件に関するお問い合わせ先

    <報道関係> 国内広報部 TEL:03-6836-3333
    <お客様> お客様相談室 TEL:0120-39-2936

    以上