雨の日でもグリップ力を維持! タイヤの溝深さはとっても重要
濡れた路面でも安心して走れるのは、タイヤの溝が路面の水膜を掻き出してくれるから。そんなお話しを前回のブログで紹介しましたが、タイヤは走れば走るほど摩耗によってすり減ります。当然、水を掻き出す溝の深さも変わってきます。今回は残り溝と濡れた路面での性能変化についてご紹介しましょう。
タイヤは法律によって主溝の深さが1.6mm以下での使用が禁じられています。ひと目でその交換時期がわかるよう、主溝(大きな溝)にはスリップサインが設けられており、この突起によりタイヤの使用限度がわかるようになっています。しかし濡れた路面でも安心して走れる性能が残り溝1.6mmになるまでずっと同じレベルで維持できているわけではありません。
滑りの原因となるハイドロプレーニング現象(タイヤが水膜によって浮いてしまう現象)は、新品タイヤでも速度をあげていくと発生します。そして溝が浅くなるとより低い速度からその現象が発生することが試験によって確認できています。
ブリヂストンでハイドロプレーニング現象のテスト(時速80km)を行ったところ、新品タイヤ(残り溝7.5mm)は一部タイヤが水膜に浮いている部分があるものの、殆どの部分は路面にしっかりと接地していました。一方、約50%摩耗したタイヤ(残り溝3.2mm)はかなりの部分が水膜の上に浮いてしまい、さらにタイヤの使用限度となる残り溝1.6mmになると、タイヤは殆ど路面に接地できておらず、水膜の上に浮いている状態になるという結果が得られています。
(参考URL:https://tire.bridgestone.co.jp/about/maintenance/driving-rainy/index.html)
つまり、溝が少なくなるほど雨の路面で水を掻き出す性能は大幅に落ちていくのです。当然、残りの溝が少なくなるほどブレーキング時の制動距離も伸びていきますから注意が必要です。
雨の日でも安心してドライブを楽しんでいただくために、ブリヂストンでは水を掻き出す性能を高める設計に取り組み、その性能を長く維持するために摩耗しにくい素材開発を行っています。しかしそれでもタイヤは減っていきます。雨が降る日が多くなるこの季節、ドライブ前にはタイヤの残り溝をしっかり確認しておくことをおすすめします。
なお実際にタイヤを交換されているお客様の約4割が残り溝3〜4mmで交換をされています(ブリヂストン調べ)。濡れた路面での性能が変わり始めるこのタイミングでの交換は理想的と言えるでしょう。