2023.07.11

コンセプトハンド「Dialogue」が「iF Design Award Gold Award」を受賞。授賞式の舞台裏とメンバーの想い。

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2023年5月15日(月)、ブリヂストン ソフトロボティクス ベンチャーズのメンバーは東京から約8,900km離れたドイツ、ベルリンにいた。

目的はドイツを拠点とするデザイン振興のための組織「iF International Forum Design GmbH」が主催しているデザイン賞で、毎年全世界の工業製品を対象に優れたデザインを選出する「iF Design Award」の授与式に参加すること。世界56の国と地域から寄せられた約11,000件の応募の中で75件のみ選ばれる最高賞「iF Gold Award」を受賞した我々も招待されたのだ。
こちらの記事では授与式の様子を出席したメンバーの思いも交えながら紹介したい。

今回受賞したソフトロボットハンドのコンセプトモデル「Dialogue」は、たなごころ(掌)をイメージし、ロボットハンドが環境や状況と「対話」し、モノを「いい感じ」につかむという機能的価値を体現するとともに、ソフトロボティクスという新しい分野でブリヂストン自らがコンセプトを作り社会実装を進めていくという意思をそのデザインに込めている。

「工場だけではなく日常の多様なシーンにロボットが進出した近年では、ロボットと人が直接に触れ合う機会が増加。人との"タッチポイント"を担うロボットのあり方が社会的にも模索される中で、蓄積してきた技術を使ってソフトロボティクスに再挑戦しようと、プロジェクトがスタートした」

プロジェクト発足時をソフトロボティクス ベンチャーズCEOの音山は振り返る。

(受賞作品についての詳細はこちら→)https://www.bridgestone.co.jp/products/softrobotics/concept-model/ 


緊張した面持ちで会場近くのホテルを出発する一同。向かった先は、ベルリン中心部に位置する今回の会場「フリードリヒ・シュタッド・パラスト」。欧州最大のこの歌劇場に、世界中から約1,700名が集った。AppleやSONYなど世界の名だたる企業のデザイナーも参加しており、一層気持ちが引き締まる。

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(写真)会場に到着し、iF Award受賞者一覧ボードから「Bridgestone」を見つけ喜ぶ一同

授与式がスタート。ゴールドアワード受賞者へは、CEOから直接トロフィーの授与が行われた。ブリヂストンのメンバーが壇上へ上がると、受賞作品について次のような講評をいただいた。

「このモデルはロボットと人が共生する未来への素晴らしい提案です。この斬新なビジョンに向けて、柔らかな素材と3Dの無縫製ニット、さらにコントラストが強いカラーリングを組み合わせることで、親しみやすく楽しいイメージを想起させ、従来の型にはとらわれないコンセプトモデルに仕上げられています。」

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(写真)iF CEOのUweさんと今回の授与式に参加したプロジェクトメンバー

我々が壇上に上がる際、これまでも当社のタイヤなどプロダクトデザインの業務に携わり、今回「Dialogue」のデザインを手がけたブリヂストン プロダクトデザイン室の藤田はあるものを用意していた。

それは、授与式参加が叶わなかったメンバー含め、これまでプロジェクトに関わった全員が掲載されたポスターだ。
「このプロジェクトを完成させるにはメンバー一人ひとりの協力が不可欠で、とても誇りに思っています。そのことを会場の皆さんにも知っていただきたくて、出発2日前に急遽準備しました」藤田は語る。

メンバーがポスターを掲げると、会場がこの日一番の大歓声に包まれた。「離れていても仲間を想う気持ちが素晴らしい」と授与式終了後に声をかけてくださる方もいたほどだ。

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授与式のあとは会場を貸し切ってのパーティーに参加。賑やかな雰囲気の中、完成までの約1年間に一同は思いを馳せた。

 「Dialogueは、いわばゴム人工筋肉の原理技術に"服を着せた"もの。これからソフトロボティクスという分野にどのような可能性や将来性があるのかを、コンセプトデザインとして示す必要がありました。それが受け入れられ、未来に向けて期待された結果が今回の受賞だと思うと非常に感慨深いです。」

ソフトロボティクスベンチャーズの創業メンバーとして2020年からプロジェクトに関わる安井仁は、そう語った。

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(写真)パーティー会場にて他社デザイナーと親交を深めた

また、滞在中には授与式のほか、ベルリンの有名な観光地、ブランデンブルク門にほど近い「iF Design Lounge」に集まってデザイナー同士の交流を実施。

これまでも当社のタイヤなどプロダクトデザインの業務に携わり、今回「Dialogue」のデザインを手がけたブリヂストン プロダクトデザイン室の藤田は「世界最高峰のデザイナーたちと交流できるチャンス。この貴重な機会を今後のデザイン活動につなげていきたい」と意気込んでいたが、実現がかなった。

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このような歴史や権威ある賞を受賞することができたブリヂストンのソフトロボットハンド。今後ブリヂストンがソフトロボティクスをどのように進化させていくのか、読者の皆様にはぜひ楽しみにしていてほしい。

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