2022.12.20

ヒト型双腕ロボットとソフトロボットハンドが魅せる新しい景色

 物流・製造現場の人手不足解消への貢献が期待されている双腕ロボット。協働型でかつ画像認識機能も兼ね備えた、柔軟で器用な動きを実現する双腕ロボットも登場しています。本コラムでは、注目のヒト型双腕ロボット カワダロボティクスの「NEXTAGE(ネクステージ)」と当社ソフトロボットハンドのコラボが魅せる新たな可能性についてご紹介いたします。

<目次>  
1. 双腕ロボットとは
2. 双腕ロボットのトレンド
 ・協働型の活用例が増えてきた
3. 注目のヒト型双腕協働ロボット
 ・画像認識も兼ね備えたヒト型双腕ロボット
 ・人に近い柔軟な動きをするロボットがこれからの社会を支える
4. ヒト型双腕ロボットが柔軟なハンドを身につけたら
 ・コラボレーション動画紹介
 ・実現できる動き
 ・コラボレーションのその先の未来

双腕ロボットとは

 双腕ロボットとは、その名の通り2本のアームにより作業を行うロボットを指します。2本のアームの動きを組み合わせることで、アームが1本だけの単腕ロボットでは不可能な、より人の動きに近い複雑な作業を行える点が特徴です。

 基本的な構造は単腕ロボットと変わらず、人間の腕の関節に相当するジョイント部分と、骨に相当するリンク部分、そしてモノをつかむハンド部分で構成されています。ハンド部分は旋回や回転、前後や上下の移動といったさまざまな動作ができるようになっています。

 最近では、力の方向や大きさを知覚する力覚センサーや画像認識センサーなどが備えられている双腕ロボットも登場しており、より繊細で器用な作業が可能となっています。

双腕ロボットのトレンド
協働型の活用例が増えてきた

 近年はより高度で柔軟さが求められる作業を人と共に行うことができる「協働ロボット」に注目が集まっています。
 従来の産業ロボットは、高速かつ非常に大きな力で稼働するため人と隔離された空間でのみ作業が可能でした。しかし、多くの現場では「人の器用さが必要な作業」と「ロボットに任せられる作業」が混在しており、そのような現場においては、ロボットが人と同じ空間で協働する必要があります。このようなニーズが多くの現場で求められる中、協働ロボットは、人と同じ空間で作業しても安全であるように設計されている点が強みです。


注目のヒト型双腕協働ロボット

画像認識も兼ね備えたヒト型双腕ロボット

 中でも、カワダロボティクス株式会社のヒト型双腕ロボット「NEXTAGE」は、大きな注目を集めています。
 NEXTAGEは「人と一緒に働くヒト型ロボット」というコンセプトのもと、製造現場の安全性確保と生産性の向上を目的に開発されました。周囲の環境や作業対象を認識しながら作業できる高い汎用性を生かし、電機・電子部品、三品などの幅広い業界で、組み立て・検査・梱包など従来人に頼っていた作業の自動化を実現してきました。

 たとえば、化粧品を製造するある企業では、少量多品種化粧品のパウチビニール袋詰めの工程に3人の人手が必要であり、慢性的な人手不足解消のため協働型の双腕ロボットと周辺設備を導入しました。双腕ロボットに人の細かな動作をトレースさせることで多品種の袋詰め作業を実現し、その結果、3人で行っていた作業を1人で行えるようになりました。また、数量入れ間違いも無くなり品質向上に成功しています。

 ブリヂストンSoftrobotics Labは、NEXTAGEのコンセプトに加え、人のように器用な動きをする点にソフトロボットハンドとの親和性を強く感じております。

<NEXTAGEの3つの特長>
① コンパクトスペース:人と同様のスペースで作業可能
② 簡便設置:レイアウトの変更・移動作業が容易に実現可能
③ オールインワン:双腕・ビジョン・コントローラ・統合型ロボットシステム

 ※ヒト型双腕ロボット NEXTAGE専用ウェブサイト : https://nextage.kawadarobot.co.jp/

人に近い柔軟な動きをするロボットがこれからの社会を支える

 現在、製造や物流の現場では扱う品種が増えてきたことに加え、Eコマース等の需要急増により、複雑で繊細な作業に対しても"自動化"が強く求められています。今までは人がその社会ニーズを支えていましたが、現在、既に深刻な人手不足が顕在化しており、これからも同様に人に頼り続けることは現実的ではありません。
そこで、今まで人に頼っていた柔軟で繊細な動きの自動化を可能とする、ヒト型双腕ロボットの活躍が期待されます。皆さんが普段使用されている商品の製造・物流の過程では、実はこのヒト型双腕ロボットが携わっているかもしれません。

ヒト型双腕ロボットが柔軟なハンドを身につけたら

 ブリヂストン Softrobotics Labでは、人工筋肉「ラバーアクチュエーター」の技術を活用したソフトロボティクス事業を推進しており、「人に身近な"やわらかいロボット"で、すべての人が自分らしい毎日を歩める社会の実現」を目指しています。一方、川田テクノロジーズとカワダロボティクスはNEXTAGEを使った社会課題の解決を推進し、「人に寄り添い、人を支えるロボティクスの新しいカタチ」を社会に提示しています。
3社が描く「これから創っていきたい、ロボットと人の協働社会」に互いに強く共感し、この度、ヒト型双腕ロボットNEXTAGEと人工筋肉ソフトロボットハンドのコラボレーション活動へと繋がりました。柔軟な"知能と体"を持ったロボットが、今までにない柔軟な"手"を身に着けたら何が起きるのか。ともにワクワクしながら、様々な動作にチャレンジした様子を以下の動画に収めております。

コラボレーション動画紹介(以下クリックすると動画ページへ遷移します。)

カワダ動画サムネ①再生ボタン.PNG

実現できる動き
 今回のコラボレーション動画では、製造や物流倉庫での作業を想定し、さまざまな動作にチャレンジしてみました。動画内では以下の動作を実現していますが、現場でのニーズをもとにチャレンジを続けることで、さらなる価値の可能性を見出すことができると考えています。

<生産性を向上する動き>
・両手それぞれで同時にモノをピック&プレイスする。
・片手で箱の中のモノを寄せながら、もう片方の手で別のモノをピック&プレイスする。
・複数のモノを両手でガサッとピックする。

<ピック&プレイスの質を向上する動き>
・箱の中のモノを寄せて、整理する。
・適した向きで置けるように、両手でモノを持ち替える。

<付帯動作まで自動化する動き>
・両手で箱を持ち上げる。
・片手で箱のふたを開けながら、もう片方の手で箱の中身を整理する。


コラボレーションのその先の未来

 「ロボットと人が寄り添い、支えあうことで様々な課題が解決された社会」を目指し、両社ともに引き続きチャレンジしていきます。是非、これからも両社の取り組みにご注目ください。あなたの生活空間のすぐそばで柔軟なロボットが活躍している景色は、想像している以上に早く到来するかもしれません。

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【株式会社ブリヂストン ソフトロボティクス事業準備室 概要】
会社/部署名:株式会社ブリヂストン ソフトロボティクス事業準備室
所在地:東京都中央区京橋三丁目1番1号
代表者:ソフトロボティクス事業準備室 室長 音山 哲一
事業内容:ソフトロボティクスを活用した社会課題の解決
URL:https://www.bridgestone.co.jp/products/softrobotics/

【川田テクノロジーズ株式会社 グループ経営戦略室・技術研究所 概要】
会社/部署名:川田テクノロジーズ株式会社 グループ経営戦略室・技術研究所
所在地:東京都北区赤羽西1-7-1 パルロード3 10階
担当者:グループ経営戦略室長 川田太郎
    技術研究所 主幹 星野由紀子 
URL  :https://www.kawada.jp/

【カワダロボティクス株式会社 会社概要】
会社名 :カワダロボティクス株式会社
所在地 :東京都台東区松が谷一丁目3番5号 JPR上野イーストビル7F
設立  :2013年4月1日
代表者 :代表取締役社長 川田 忠裕
事業内容:各種機械・装置及びシステムの開発、設計、製作、販売及び保守
URL  :https://www.kawadarobot.co.jp/

【カワダロボティクス ヒト型協働双腕ロボットNEXTAGEの詳細】
NEXTAGE専用ウェブサイト : https://nextage.kawadarobot.co.jp/

本件に関するお問い合わせ先

 株式会社ブリヂストン ソフトロボティクス事業準備室
email: softrobotics.bs.tsg.bsj@bridgestone.com
Website: www.bridgestone.co.jp/products/softrobotics
TEL:070-3187-2009

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