ブリヂストン、アストロボティック社と月面探査車向けタイヤ開発の協業契約を締結
2024年11月01日
株式会社ブリヂストンは、アストロボティック テクノロジー社(以下、アストロボティック社)と月面探査車向けタイヤ開発の協業契約を締結しました。
90年以上にわたるタイヤ開発を通じて世界の道を知るブリヂストンは、その知見を活かし2019年から月面探査車用タイヤの研究開発に取り組んでいます。これまでに第1世代と第2世代のタイヤコンセプトモデルを開発し、地上走行試験やシミュレーションを重ねてきました。この活動を通じて、パートナーに「自ら極限へ挑戦する姿」を示し、宇宙ビジネスのネットワーク拡大と共創機会の創出を進めています。
今回、ブリヂストンとアストロボティック社は協業契約を締結し、スペースモビリティの進化に向けた共創への一歩を踏み出しました。アストロボティック社は、6種類の月面探査車開発やNASAからのローバー技術契約37件受託など、17年間にわたる月面探査車の開発実績を持つ宇宙探査と技術開発のリーディングカンパニーです。
ブリヂストンは、モータースポーツなど「極限」の環境で技術イノベーションを磨き続けることで、地球のあらゆるモビリティの進化を支えてきました。次のステージとして、月面という人類が活動する新たな「極限」に挑戦することで安心・安全な人とモノの移動を支え続け、スペースモビリティの進化を足元から支えていきます。本プロジェクトを通じて、モビリティの未来になくてはならない存在となることを目指します。
今回ブリヂストンと共同開発したタイヤを装着予定のアストロボティック社の月面探査車「24U CubeRover(トゥエンティーフォー ユー キューブローバー)」は、月面における科学調査機器とペイロード(積載物)の移動手段となり、電力、通信を提供するよう設計されています。「24U CubeRover」は中型サイズで、優れたハンドリング性能やサスペンション、長距離通信機能を兼ね備え、過酷な月面環境でも卓越した性能を発揮します。
「24U CubeRover」向けに開発するブリヂストンのタイヤは、金属製スポーク※1を採用し耐久性を確保しながらも柔らかく変形することで、月面にある岩などの障害物を乗り越えて走行することが可能です。この構造により外部からの衝撃を吸収し、さらに走破性およびエネルギー効率の向上にも繋がるため、月面探査車の駆動系への負担が軽減され、月面探査ミッションを長期間足元から支えることが可能になります。近い将来、アストロボティック社とブリヂストンは月面への打ち上げおよび宇宙での熱環境におけるタイヤの耐久性も確認する予定です。
ブリヂストンは、月面探査車用タイヤ開発を通じて宇宙モビリティの進化を支えることで、企業コミットメント「Bridgestone E8 Commitment」※2で掲げる「Extension 人とモノの移動を止めず、さらにその革新を支えていくこと」にコミットしていきます。
ブリヂストンの月面探査車用タイヤの技術概要については、こちらのWEBサイトをご参照ください。
アストロボティック テクノロジー社については、こちらのWEBサイトをご参照ください。(英語のみ)
- ※1タイヤの接地面とホイールを繋ぎ、荷重を支えるとともに衝撃を吸収する機能を持つ部材
- ※2「Bridgestone E8 Commitment(ブリヂストンイーエイトコミットメント)」
ブリヂストンは、「2050年 サステナブルなソリューションカンパニーとして社会価値・顧客価値を持続的に提供している会社へ」というビジョンの実現に向けて、企業コミットメント「Bridgestone E8 Commitment」を制定しました。これを未来からの信任を得ながら経営を進める軸とし、ブリヂストンらしい「E」で始まる8つの価値(Energy、Ecology、Efficiency、Extension、Economy、Emotion、Ease、Empowerment)を、ブリヂストンらしい目的と手段で、従業員・社会・パートナー・お客様と共に創出し、持続可能な社会を支えることにコミットしていきます。
本件に関するお問い合わせ先
<報道関係> 国内広報部 TEL:03-6836-3333
<お客様> お客様相談室 TEL:0120-39-2936
以上