ニュースリリース

免震構造設計用の高減衰系積層ゴム解析モデルが構造解析ソフトETABS及びSAP2000に実装

2018年07月24日

 株式会社ブリヂストンは、東京工業大学 笠井和彦特任教授および北海道大学 菊地 優教授の協力のもと、当社の免震ゴムのラインアップの1つである高減衰系積層ゴム※1の地震応答解析モデルを開発しました。この解析モデルは、海外でビルや橋等の構造物の設計に最も広く利用されている構造解析ソフトETABS及びSAP2000※2(共に米国Computers and Structures社製)にメニュー化(実装)され、当社の高減衰系積層ゴムを適用した免震構造設計の精度向上に貢献しています。

 この解析モデルは、変形履歴積分型弾塑性モデル(Deformation-History Integral type: DHIモデル)と呼ばれ、モデル化が困難であった高減衰系積層ゴムの非線形な特性※3を高精度に再現することが可能です。海外の免震構造物設計で最も広く使用されているソフトへの実装により、海外の免震建物において当社の高減衰系積層ゴムを適用した際の構造解析が容易となり、より精度の高い設計が可能となります。

 当社は、お客様の多様なご要望にお応えするために幅広い免震ゴムのラインアップを取り揃えています。その1つである高減衰系積層ゴムは、1988年に物件に初採用されて以来、マンションや物流倉庫、病院、工場など700以上の物件※4に採用されてきました。当社は、今後も高度な高分子技術を活かし、幅広い商品群からお客様のご要望にお応えする商品・サービスをご提案していくことで、「人と暮らしを足元から支え、安全・安心を提供する」ことに貢献していきます。

  1. ※1 エネルギー吸収性を高め、地震の揺れを収束させる機能をゴム自体に付加した積層ゴム。
  2. ※2ETABS ver.17.0.0以降、SAP2000 ver.19.2.0以降に実装。
  3. ※3一般的な天然ゴム系積層ゴムはエネルギー吸収性が低いため、せん断力が変化しにくく、履歴曲線は下図1のように直線に近い線形のグラフになります。高減衰系積層ゴムはエネルギー吸収性が高いため、免震ゴムが地震の揺れによって変形し、その形状が戻ろうとする際にエネルギーを吸収することでせん断力が弱まるため、下図2のように四角い軌跡をえがき、非線形のグラフとなります。
図1
図2
  1. ※4 2017年12月現在。

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<報道関係> 広報第2課   TEL:03-6836-3333
<お客様>  お客様相談室 TEL:0120-39-2936

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