ソーラーカーの製作自体は、実は技術的にそれほど難しいわけではありません。しかし、BWSCに参戦する車両は、高いエネルギー効率と安全性を要求する厳しい大会規定ルールを満たすことが求められており、挑戦の難易度は格段に高いといえます。
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TConvention
Highlights大会の見どころ
Bridgestone World Solar Challenge(BWSC)は、ただ環境に優しいというだけのソーラーカーレースではありません。大会主催者のクリス・セルウッド氏から、本イベントの見どころをご紹介します。
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EHighlights of the tournament
01 - CHALLENGEチャレンジ
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Efficiency効率性
チャレンジャークラスの場合は「誰よりも早くフィニッシュラインを越えるため」、クルーザークラスの場合は「与えられた時間内に走破するため」、ソーラーカーは太陽光エネルギーを動力に効率的に変換する必要があります。
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Reliability信頼性
ソーラーカーは、約3,000kmを縦断できる耐久性があり、公道を安全に走行できるものでなければなりません。
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Constraints設計上の制約
参戦車両は主催者専属の技術部門が定めた細かなルール、並びに通常の交通ルールを満たす設計であることが求められます。大会独自のルールは、参加チームが常に挑戦し続けられるよう、定期的に精査・更新します。簡単な挑戦でチームが興味を失ってしまうことのないよう、容赦なく高い難易度に設定しています!
クルーザークラスの鍵は、実用性にあります。交通ルールに従うのはもちろんのこと、エンドユーザーにとっても魅力的な自動車であることが重要で、それらの達成を目指すことによって、チームは実際のクルマづくりの醍醐味を直接経験することになるでしょう。
最近では大会を超え、自分たちのソーラーカーを商品化するチームも出てきており、まだソーラーカーのような軽量な電気自動車が公道を走ることを想定していない当局は困っているみたいですね。
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02 - ADVENTUREアドベンチャー
BWSCは壮大な冒険です。オーストラリアのアウトバックは、現地のオーストラリア人が「距離の暴虐」と呼ぶほどの辺鄙な場所です。ロードハウスと呼ばれる、燃料や生活必需品を提供する場所が数百キロ間隔で配置されていますが、それ以外の場所には都会や街に暮らす人々が慣れ親しむものは本当に何もありません。一方でそこには、先住民の生活を何万年と支えてきた全てがある、ともいえます。これこそが冒険なのです。この大地を駆け抜けるには、緻密な計画、そしてチームとしての秩序が必要です。
大会のルール上、各チームは8:00~17:00までの間しか走行することができません。ちょうど17:00に快適なモーテルにたどり着くことはまずなく、参加者は砂漠のどこであろうとテントを張り、自給自足で過ごします。南半球の億千の星の下でのキャンプは、忘れられない体験となるでしょう。自分たちのソーラーカーの修理とメンテナンスといった自足能力も、この挑戦に欠かせない要素です。
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SHighlights of the tournament
03 - SPRITSスピリッツ
BWSCには非常にユニークな文化があります。この特殊な大会に挑む中で生まれる、チーム同士の仲間意識です。大会のあらゆる要素に切磋琢磨の精神が浸透しており、チーム間での協力も見られます。
お互いにスペアパーツを分け合ったり、新参チームにアドバイスしたり、お互いに励まし合ったり…この大会では、スポーツマンシップを見せたチームには「BWSCスピリット」賞を与えています。