データサイエンティスト×ブリヂストン DX人材が創出する新たな価値 デジタルAI・IoT企画開発部 デジタルIoT開発課 町田 雄太

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ブリヂストンでは、DX(デジタルトランスフォーメーション)によって、これまで現場で長年培われてきた強い「リアル」に「デジタル」を組み合わせることで、「より大きなデータで、より早く、より容易に、より正確に」をテーマとして、「断トツ商品」・「断トツソリューション」の開発、展開に繋げることを目指しています。その鍵を握るデジタル人財に、その挑戦と描く未来像について話を聞きました!

タイヤ内の新しいセンサーを開発

――ブリヂストンでどんなお仕事をしているのですか?

2017年12月にブリヂストンに中途入社して、最初の3年はタイヤの荷重と摩耗状態を推定する技術「Smart Strain Sensor」の電気電子回路部・ソフトウェアの開発を主として担当しました。走行時にタイヤが路面と接触したときに発生するひずみを計測することで、タイヤの荷重と摩耗状態を推定します。センサーそのものはもちろん、センサーを動かすトリガーとなるツールやセンサーから情報を受けてクラウドにデータを流すエッジデバイスなど、一貫したシステムとなるよう全体を統合的に開発し、当社で初出展の展示内容として米ラスベガスのハイテク技術見本市「CES 2020」への出展を実現することができました。
その開発がひと段落した今は、本社部門としてDXの全体像を描き、デジタルの観点から各事業のビジネスをサポートするビジネスアナリティクス業務を担当しています。事業部に依頼されたことを技術的に実現するだけではなく提案も行うことで、日々、協業する事業部の方々にとって0.01%でも良い成果を持ち帰ってもらえるよう努力を重ねています。

「CES 2020」に出展した際の様子

「技術の根幹」に迫ることのできる仕事

――前職ではどのような経験を積んできましたか。なぜブリヂストンに入社しようと思ったのでしょう。

学生時代は電気工学を専攻し、プログラミングについても一通り学びました。修士課程では、人体通信の研究に取り組んでいました。人体の表面に微弱な静電気を流すことで人体の表面上だけで通信を実現するもので、例えば背面に電極をつけた時計と、ポケットの中のスマートフォンが人体を介して通信するといった用途での活用が想定されています。2014年に、日本の精密機器メーカーに入社し、ウェアラブルデバイスの要素技術の開発を進めてきました。
当時はスマートウオッチの黎明期。仕事自体のやりがいはありましたが、米大手が先行し製品化は難しい状況で、きちんと市場から求められるものを開発したいと考えるようになりました。転職活動では、製品自体を企画する上流側と技術の深掘りの両方をやりたいという贅沢な希望を出していたのですが、ある企業との中途採用面談で「それができるのはブリヂストンだね」と言われたことが、今の会社を意識するきっかけとなりました。

――入社して、その要望はかなえられましたか。

そうですね。新しいセンサーの開発における私の業務は、自分で手を動かしてプログラミングするのではなく、システム全体構想とアーキテクチャー検討から始めて仕様書を作成し、協業するベンダーの方々に仕様通りの技術を作り込んでいただくこと。前の会社では部長、課長が担うようなポジションを任せてもらい、法人のお客様の業務や社会に求められるニーズから必要な価値を発揮するための技術に落とし込み、一つの開発毎に数十ページにもなる仕様書を作り込みました。お客様の利用現場・技術の全体像や根幹に迫ると同時に技術の細部まで把握していないとできない仕事で、まさに自分のやりたかったことを実現することができました。

自由な裁量と豊富なサポートのある職場環境

――現在の業務はどのように進めていますか。

今の部署は、どこで勤務しても良いスタンスで、仕事の裁量も与えられています。その分、質の高い成果が求められるので責任も大きいと感じます。
最初に触れた通り、現在はさらに上流、事業部の課題にまで踏み込んでサポートしています。そうした能力を身につけるため、ビジネス基礎スキルに精通した外部プロフェッショナルにメンターとしてついてもらい、資料のまとめ方、会議の進め方など都度フィードバックをもらっています。繰り返し指摘され、修正していく中で、次第に自分なりの進め方が見えてきた時に自分の成長を感じます。
また、私のバックグラウンドがハードウェア寄りのため、よりデジタル人財の専門性を高める必要性があることから、リスキリングとしてAIやディープラーニングについて、今後大学院で研究員として1年間学ぶことが決まっています。人財に幅広く投資してくれる会社だと実感しています。

仕事以外の時間も充実

――オフの過ごし方についても教えてください。

学生時代からの趣味で、週2回、自宅近くのスタジオでバイオリンを弾いています。テレワークで通勤時間がない分自由に時間を使えるので、ワークライフバランスは恵まれていると思います。今後もメリハリをつけて業務に取り組んでいきたいですね。

グローバル最適を考えたデータ分析での支援を

――町田さんの今後の目標について教えてください。

技術の細部からより上流へと遡ってきましたが、これからはもっと上流を目指したいです。具体的には、グローバルな視点で最適化を考えたビジネスアナリティクスによる支援を行っていくことです。ブリヂストンには欧州、米国にも大きな拠点があり、環境面や技術面でそれぞれ独自の強みがあります。その中で日本にいる技術部隊としてどう価値を発揮していくか。互いの強みを意識して、ブリヂストン全体の成果に繋がるような貢献をしていければと考えています。

――ブリヂストンへの就職、転職を考えている方へのメッセージをお願いします。

海外出張の際にLAの大学を見学する機会も

細かい要素技術を突き詰めることにとどまらず、技術の根幹に迫りたい方、より大きな裁量での業務を通じて自らの技術力を横にも縦にも広げていきたいという方に向いている職場だと思います。
DXによって事業を分析して支援する領域においても、外部からでは計り知れない技術の根幹や事業の本質、組織風土まで踏まえた提案を行い、提案による成果の刈り取りまで長く関わっていくことのできる仕事です。
また、世界トップのタイヤメーカー、グローバル企業として社会全体に大きな価値を提供できるポテンシャルを秘めています。そうしたところに魅力を感じる方とぜひ一緒にお仕事ができればと思います。