ビッグデータを活用するデータサイエンティスト育成への取り組みをご紹介します! 【ブリヂストンのデジタルシリーズ第3弾】

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データサイエンティストとは、データから価値を創出し、ビジネス課題を解決するスペシャリストです。当社は、2017年よりデータサイエンティスト育成を開始しています。

ブリヂストンは、商品戦略から製品開発、調達、生産計画、製造、物流、販売、そして顧客使用など、各バリューチェーンの段階での様々で膨大なデータを保有しています。そのビッグデータを分析・解析することで、迅速にお客様の課題解決に貢献していきたいと考えています。

例えば、乗用車用タイヤでは「REGNO」や「Playz」、「ECOPIA」などの各ブランドを揃え、「REGNO」ブランドも車種別に3商品(「REGNO GR-XⅡ」「REGNO GRVⅡ」「REGNO GR-Leggera」)あります。「REGNO GR-XⅡ」は車両に合わせて68サイズラインアップしているので、自動車メーカーに納入する新車装着タイヤも含めると膨大なスペック数になります。
タイヤのスペック毎に異なる製造方法や所要時間のデータを解析し、生産スケジュールや設備点検のタイミング、人員配置などを最適化することで、生産効率を向上することが可能になると考えています。

データサイエンティストに必要なスキル
情報処理能力が高くデータ解析ができる人材がデータサイエンティストとして最適かというと、そうではありません。例えばタイヤのデータを解析するには、タイヤの知識が必要なように、解析するデータに応じたエリア/分野などの知識が必要です。また、データ解析を活用するビジネス領域や状況などを理解・把握することも重要です。それらがないと、最適解は見つけることは難しいです。

一般社団法人データサイエンティスト協会は、データサイエンティストに求められる3つのスキルを次のように定めています。

ビジネス力
課題背景を理解した上で、ビジネス課題を整理し、解決する力
データサイエンス力
情報処理、人工知能、統計学などの情報科学系の知恵を理解し、使う力
データエンジニア力
データサイエンスを意味のある形に使えるようにし、実装、運用できるようにする力

上記は一般社団法人データサイエンティスト協会が発信したニュースリリースから引用したものですが、当社もデータサイエンティストに必要なスキルと考えています。そこで、2017年より社内でデータサイエンティストの育成をスタートしました。

データサイエンティストの階層別育成プラン
ブリヂストンでは、データサイエンティスト(DS)を4つの階層に分けました。

階層別に分け、知識やデータ分析手法など経験に合わせて育成プランを組み立てました。そして、ブリヂストンの社員をデータサイエンティストとして育成を開始しています。

ブリヂストンのデータサイエンティスト育成は3段階で行っています。

第1ステップ第2ステップ第3ステップ
項目 アシスタントDSの育成 アソシエートDSの育成 フル/シニアDSの育成
目標 アソシエートDSの指示のもと、データ加工やデータ探索を行い、モデル構築ができる ビジネス課題をデータ分析の問題へ落とし込み、データ分析結果に基づいた解決策を現場へ実装提案できる 組織横断的なデータ分析のプロジェクトにおいて、アソシエートDS以下を指導・牽引し課題解決できる
内容 ■ アシスタントDS研修の推進
・データ分析の進め方
・データ分析の基礎知識
■ アソシエートDS研修の推進
・機械学習の基礎理論
・統計解析ツールの操作と演習
・実際の業務テーマでの演習
■ 国内外の大学院への社員派遣・留学
■ 外部コミュニティ参画
■ 研究機関との共同研究

上記ステップの人材育成により、それぞれのビジネスに携わる従業員がデータサイエンティストとなることで、データを活用してより迅速かつ効果的に最適解を導くことができるようになります。

実際に、データサイエンティスト育成プログラムを推進している、当社デジタルソリューション本部の岩﨑社員に、データサイエンティスト育成にあたり重要なことを伺いました。

岩﨑 データサイエンティストと聞くと、統計学などの高い専門性と高度なプログラミングスキルを想像し、ハードルが高いと思われるかもしれませんが、重要なのは技術の高さではなく、“データを活用して如何に課題を解決するか”という点です。
また、“データを読む力”、“データを活用する力”は現代の“読み・書き・そろばん”と位置付けられ、これからの時代の必須のスキルと言われています。
そういった背景から、現場の課題を熟知した多くの社員にデータ活用のコツを身につけてもらうことが重要と考え、社内研修を行っております。

ブリヂストンは、2017年に独自のデータサイエンティスト育成プログラムを開始し、今までに延べ100名のデータサイエンティストを育成しました。現在もより多くの、より高いレベルのデータサイエンティストの育成を継続しており、ビッグデータを活用して、お客様により迅速かつ効果的なソリューション(課題解決)を提供していきたいと考えています。