ホイールにも第2の人生?ホイールのリユース工場に行ってみた

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クルマにとって唯一、路面と接地している部品であるタイヤ。前回そんなタイヤが摩耗して使われなくなったらどうなるか、大阪にあるブリヂストンタイヤリサイクルセンター大阪(株)の取り組みについてお伝えしましたが、同社にはタイヤ以外のリユース事業があります。

それは、「パンクノンサービスセンター」と呼ばれる施設です。
「パンクノン」とは、ブリヂストンのタイヤの名前で、空気を入れる代わりに内部にゴムが詰まった特殊な構造のタイヤです。フォークリフトなどに装着されています。 以前当ブログでも「パンクしないタイヤ」ということでご紹介しました。

「パンクノンサービスセンター」で何をしているかというと、ホイールを「パンクノン」に組み込み、ブリヂストンの各拠点(営業所・販売店)へ発送しています。

タイヤチェンジャー(写真①)

なぜホイールの組み込み作業を一ヶ所で行っているのか?販売店でできるのでは?と疑問に思われるかもしれません。 「パンクノン」は空気入りタイヤと違ってゴムが詰まっているため変形しにくく、ホイールを組み込むには非常に強い力を加える必要があります。パンクノンサービスセンターでは専用の機械「タイヤチェンジャー(写真①)」を用いてホイールの組み込みを行っています。

チェンジャー用専用部品(写真②)

また、産業用タイヤのホイールには二つの部品を合わせて使う構造のホイールもあります。このホイールは二つ割リムと呼ばれ、二つの円盤状の部品でタイヤを挟みボルトとナットで締め付けて使用します。このタイプのホイールを組み込む際にはタイヤチェンジャー(写真①)の土台に専用部品(写真②)を取り付け、高い圧力でタイヤとホイール密着させてからボルトとナットで締め付けます。
この専用機械を使って、年間22,000本以上のタイヤにホイールを組み込み日本全国に供給しています。

そして、お客様が使用され擦り減ったタイヤは再び「パンクノンサービスセンター」で引き取り、タイヤからホイールを取り外します。ホイールは点検して問題がなければ、研磨・再塗装し新しいタイヤを取り付けてリユースされます。(「ホイールリンクシステム」)

使用後のホイールは、目視で点検した後上図の機械を使って表面を研磨します。そして再び塗装した後、新品の「パンクノン」に組み込みます。

ブリヂストンでは、この「ホイールリンクシステム」の運用を通じて、「パンクノン」を使用して頂いている全国のお客様の足元を支えているとともに、環境負荷の低減にも貢献しています。

また【前編】でご紹介したように、使用した「パンクノン」は専用の機械で裁断され、燃料として再利用されます。

案内して頂いた、ブリヂストンタイヤリサイクルセンター大阪(株)
澤井賢史 パンクノンサービスセンター工場長代理(左)と 仲野 元庸 営業本部統括課長(右)

ブリヂストンタイヤリサイクルセンター大阪(株)は、ブリヂストングループにおいてタイヤ・ホイールのリサイクル・リユースを専門とする国内唯一拠点として、タイヤビジネスの環境負荷低減に貢献する重要な役割を担っています。