タイヤにも第2の人生?タイヤのリユース・リサイクル工場に行ってみた
クルマにとって唯一、路面と接地している部品であるタイヤ。タイヤはクルマにとって必要不可欠なものです。 そんなタイヤが摩耗して使われなくなったらどうなるか、大阪にあるブリヂストンタイヤリサイクルセンター大阪(株)の取り組みについてご紹介します!
1970年代の高度経済成長期に産業廃棄物の不法投棄が社会問題となったときに、大阪地区の企業114社が様々な環境・リサイクル活動に取り組み始めました。 その後タイヤのリサイクル事業を(有)大阪サービスが引き継ぎ、現在はブリヂストンタイヤリサイクルセンター大阪(株)としてタイヤのリサイクル事業を行っています。
廃タイヤは、細かく裁断して燃料としてリサイクルされます。
このリサイクルセンターでは、ひと月に乗用車用タイヤ約1,000トン、トラック・バス用などのタイヤ約300トンがリサイクル用に処理されています。
具体的には、
- ①不要となったタイヤを32分割(水平方向に2つに割り、放射線状に16分割)
- ②そのタイヤ片を、製鉄所や製紙工場に輸送
- ③製鉄所などの高炉で、燃料として使用
タイヤは天然ゴムや石油から作られた合成ゴムを主原料としており、燃焼温度が高いため、製鉄所で鉄鉱石を溶かして鉄を取り出す高炉の燃料として再利用されています。
ブリヂストンタイヤリサイクルセンター大阪(株)はブリヂストングループの国内唯一の廃タイヤ処理施設をもち、周辺地域のタイヤのリサイクルに貢献しています。
ブリヂストンはタイヤを製造するだけでなく、リサイクルできるよう取り組んでいます。
また、ブリヂストンはタイヤのリサイクルに加えてリユースにも取り組んでいます。 その役目を担っているのが同じブリヂストンタイヤリサイクルセンター大阪(株)が運営する「バンダグ・リトレッド大阪ファクトリー」です。 同じ敷地内でタイヤのリサイクルとリユースができるブリヂストンの国内唯一の施設です。
ここからはブリヂストンのタイヤのリユース事業についてご説明します。
ブリヂストンは2008年にタイヤのリトレッド(表面の擦り減ったゴムを貼り替える)事業強化のためにアメリカのバンダグ社を買収し、 日本国内でもトラック・バス用タイヤのリトレッドによるリユースを普及させるためにバンダグファクトリーを全国で立ち上げました。 現在ブリヂストンのリトレッド工場は日本全国に13あり、この「バンダグ・リトレッド大阪ファクトリー」もその1つです。 ここでは、大阪地区を中心に1度使用されたトラック・バス用タイヤをリトレッドタイヤにするリユース事業を行っています。
1度使用されたタイヤは、目視点検が終わったあと、2種類の機械を使った点検を行います。 路面と接地するトレッド部に目視ではわからない傷がないか判別する「NDT検査(外部損傷検査)」と、タイヤ内部に損傷がないか判別する「シアロ検査(内部損傷検査)」です。 二つの検査をクリアしたタイヤだけがリトレッドタイヤに生まれ変わることができます。
これらは「安全」「安心」に使用してもらうためには必要な検査です。
検査をクリアしたタイヤは、擦り減ったトレッドゴムを取り除き(バフ)、接着剤の役割をするゴムと共に新しいトレッドゴムを接着。 その後ゴムの強度を上げるために約4時間、加硫缶という容器の中で熱と圧力を加えることでリトレッドタイヤは完成します。
特に、ここには22本の様々なサイズのタイヤを同時に入れることができる加硫缶が3機あり、1日に最大154本のリトレッドタイヤを生産することができるので、多くのお客様にタイムリーにタイヤを提供することが可能です。
お客様の下にお届けする前に、最後の検査「耐圧検査」を行います。
一定時間高圧充てんし、タイヤが実際に使用される状況下に置くことで、タイヤに不具合がないかを確認します。
お客様に、「安全」に使用していただき、「安心」していただきたい。その想いで、リトレッドタイヤを提供しています。
次回は、ブリヂストンタイヤリサイクルセンター大阪(株)のもう1つの事業を紹介します!!