【モータースポーツの舞台裏】 サーキットでレースを支えるタイヤエンジニア

SHARE

レースにおいて、タイヤエンジニアの仕事はタイヤを開発するだけではありません。サーキットの現場では、いつ、どのタイヤを、どうのように使うのか、マシンの性能を最大限に引き出すためのタイヤ戦略をサポートすることでチームの勝利に貢献しています。

11月12日に行われた2017 AUTOBACS SUPER GTの最終戦では、ブリヂストンタイヤを装着した「LEXUS TEAM KeePer TOM’S」がGT500クラスで2位となり、見事シリーズチャンピオンを獲得しました。
(レース結果はこちら)

GT300クラスでは、「K2 R&D LEON RACING」が優勝、タイヤをブリヂストンに変更して初めてのシーズンでシリーズ2位となりました。

ブリヂストンはオフシーズンからチームと共にタイヤ開発に取り組み、シーズンを通してマシンの性能を最大限に引き出すタイヤを供給することでシリーズチャンピオン獲得に貢献することができました。しかし、レースにおけるタイヤメーカーの役割はタイヤを開発・供給するだけではありません。今回は、レースを支えるタイヤエンジニアのサーキットでの仕事をご紹介します。

乗用車のタイヤは、安定して長距離を走行できるようにつくられていますが、レースのタイヤはマシンのパワーを最大限に路面に伝えるために圧倒的なグリップ力が求められるタイヤです。ドライ路面用のタイヤ、ウェット路面用のタイヤ、軟らかくてグリップ力の高いタイヤ、硬くて長い距離を走行できるタイヤなど、目的に合わせて様々なタイヤがありますが、SUPER GTなどのトップクラスのレースでは、天候や路面、レース展開などの状況に合わせてタイヤをどのように使い分けるかということが重要です。(タイヤ交換のないレースもあります。)

ブリヂストンのタイヤエンジニアは、レース前にタイヤを開発するだけでなく、サーキットの現場で様々なデータを収集しながら、いつ、どのタイヤを、どのように使うのか、チームのマシンとタイヤの性能を最大限に発揮するためのタイヤ戦略をサポートすることでレースに参加しています。

レース中は、タイヤの温度や空気圧、摩耗状態、路面温度、マシンのラップタイムなど、タイヤの選択、セッティングに必要な様々なデータを収集しています。

担当しているチームだけでなく、他のチームのマシンがどのタイヤでどういう走りをしたか、絶えず無線で情報収集しながら、チームと議論して最適なタイヤ、セッティングを考えます。

タイヤを開発したエンジニアだからこそ、最高のタイヤの使い方を提案できるんです。
モータースポーツを観戦するときには、ぜひタイヤとタイヤエンジニアにも注目してみてください。
タイヤエンジニアの仕事はこちらでも紹介しています。