雨の日でもグリップ力を維持! 毎秒2Lの水を掻き出すタイヤの溝

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雨天の通勤や通学時、駅のホームやビルのロビーなど濡れた路面で足元が滑りヒヤリとした経験はどなたにもあるはずです。雨の路面は滑りやすい、これはこれまでの経験によってみなさんがよく知ることのひとつでしょう。

この滑りは路面と靴底の間にできる水膜がその原因。革靴など底の平らな靴ほど滑りやすいのはこの水膜によって靴底が浮いてしまうからで、それとは対照的に靴底に溝のあるスニーカーが滑りにくいのは、その溝によって水を排出し、しっかり路面を捉えることができるからです。これはタイヤも同じで、タイヤの溝は路面の水膜を掻き出すという大切な役割を担っています。

タイヤは大人の手のひら程度の接地面で走る・曲がる・止まるというクルマの性能を支えています。タイヤには様々な性能が求められ、黒くて丸いタイヤ1本の中には想像を超える数の技術が詰まっています。濡れた路面でもしっかり走ることができる技術=ウエット性能の向上もタイヤ開発においてとても大事な技術のひとつ。タイヤに刻まれるひとつひとつの溝はしっかりと路面の水膜を掻き出しブロックを路面にしっかり接地させるために様々なテストを経て開発されてきたもの。タイヤの溝は多いほど多くの水を掻き出すことができますが、逆に溝が多すぎると乾いた路面では接地面積が減るためにグリップ力が低下してしまいます。この相反する性能をいかに両立させるか、ここがタイヤ開発者たちの腕の見せ所です。

日々行われているその研究開発によって、最新のタイヤは乾いた路面でのグリップ力としっかり水を掻き出す排水力を見事に両立させています。現在販売しているタイヤが走行中1秒間で掻き出すことができる水の量はなんと52.8リットル。実に2リットルのペットボトル26本もの水を瞬時に掻き出すことができる性能を持っています(ECOPIA NH100シリーズ。時速80km走行時、水深5mm、タイヤ幅120mmで計算)。雨が降っても安心・安全のドライブを実現させるためにブリヂストンはこの性能をさらに磨きあげ、より長持ちさせるため、素材開発の段階からさらなる性能向上を目指し研究開発を続けています。