【ブリヂストンの師匠と弟子】-ゴルフボールの「打音」のプロフェッショナル-

【ブリヂストンの師匠と弟子】-ゴルフボールの「打音」のプロフェッショナル-

ブリヂストンで、先輩社員から後輩社員に伝わる一子相伝(?)の技術や考え方、お客様や仕事への思い。そこには、「師匠と弟子」の関係に似た、熱くドラマチック、でもなんだか身近な物語があります。このコーナーでは不定期に「師匠と弟子」のような、人々の考え方などを紹介して行きます。ブリヂストンの意外な姿が垣間見えるかも!?

埼玉県秩父市にあるブリヂストンスポーツ(株)のゴルフテストセンター。今回登場する二人は、ゴルフの「打音」を解析するゴルフボールのプロフェッショナルです。
アメリカ勤務の前任・後任でもある二人の間には、どのような師弟関係があるのでしょうか。

師匠
弟子

甲斐 アメリカ勤務の3年目だったかな、清水くんと初めて顔を合わせたのは。確か日本とアメリカのテレビ会議だったよね。

清水 そうだったと思います。私が新人だったからか、甲斐さんは厳しい人だという印象がありましたが、実際に会ってみたら、本当に気さくな人。今はプライベートなことも含めて何でも相談させてもらってます。 アメリカでは引き継ぎの半年間しかご一緒できませんでしたが、甲斐さんが日本へ帰られた後も、存在感の大きさを職場で感じていました。上司というよりは頼れる兄のような存在ですね。

甲斐 清水くん、アメリカに来た最初のころは英語も苦手で、現場の環境にも不慣れで「大丈夫かな」と思っていたけど、みるみるたくましくなっていったね。自分の意見もはっきり言えるようになった。

清水 自分なりにもがいた結果、アメリカで何も話さないのは、何も考えていないのと同じ。どれだけ自分の考えを伝えられるかが大切だと気付いたんです。

甲斐 日本へ帰任した清水くんの姿を見て、たくましく成長したなと感じたよ。アメリカではプロとの関係も上手く築けていたよね。

清水 初めてプロへのヒアリングに連れて行ってもらったとき、甲斐さんは、プロから「マックス(甲斐さんの愛称)のボールは最高だったぜ!」と直接言ってもらえるような関係を築いていて、強い信頼関係が伝わってきました。 それがいつの間にか自分の目標になって。仕事に対する準備を怠らず、事前に新製品や試作品の資料を作って、一つひとつ丁寧に説明する。甲斐さんの後任という状況をプレッシャーに感じたことも正直ありましたが、 他の部署やプロからの要望に先を見越して回答する甲斐さんに早く追いつきたいと思ったんです。

甲斐 今は清水くんにいろいろな仕事を任せているけど、手を抜かずに、細かいところまで気に掛けてくれて頼もしく思っているよ。技術開発は「新しいものをつくる」ことをやめてしまえばそこで終わり。 これからも「自分が新しい技術を切り拓いていく」という心意気で、枠にとらわれず頑張ってほしい。

清水 ありがとうございます。以前手掛けたプロ用ボールがまさにそれですね。従来品には他社の製品と比べてゴルフボールを打った時の打音に「芯感が足りない」という課題がありました。 そこで音響メーカー、(株)ブリヂストンの中央研究所と協力し、まずは実際にプロが打った時の音を集め耳でよく聞き込み、波形データにして様々な分析を行うことで、“芯感”とは一体どのような音なのかを明らかにしました。 その後、ゴルフボールの構造、特に一番内側のゴム層とその外側にある樹脂層の硬さや厚みなどがこの“芯感”に大きく影響することを突き止め、新しい商品の設計に活かすことができました。 その結果、芯のある音が実現し、プロからの評判が良くなり、達成感を得ることができました。

甲斐 そうだったね。僕らが忘れちゃいけないのは「お客様にとっての価値は何かを考え続ける」こと。商品にあまり差がつかない時代でも売れている商品があるのは、その商品の何かがお客様の心をつかんでいるからなんだ。 直接お客様の顔が見えにくい技術開発だからこそ、お客様のことを第一に考えなくちゃいけない。技術はお客様のためにあるんだから。

清水 はい。ゴルフボールを通じてお客様に提供できる価値はまだまだあると思います。お客様の期待を超えられるように、次のモデル、その次のモデルとより良いものを作っていきたいです。

甲斐 その想いを今度は清水くんから部下へ伝えてほしいな。

清水 そうですね。アメリカでは一つのチームとしての成果を出すことはできました。でも、今振り返ってみると、彼ら自身をもっとレベルアップ・モチベーションアップさせられたのではないかと思っています。 「技術者」としても「リーダー」としても、甲斐さんのように周りから頼ってもらえる人材になれるよう頑張ります!

打音測定

打音を測定する清水さん。周波数を解析したり、実際に音を聞いたりして、ゴルファーの「気持ち良さ」を追求しています。

ゴルフボールへのこだわり

ゴルフボールへのこだわりは尽きない二人。他の同僚も一緒に、少し遠出してゴルフに行くことも。

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