ニュースリリース

　株式会社ブリヂストンのグループ会社であるブリヂストン ヨーロッパ エヌヴイ／エスエー（BSEU）は、2013年3月4日（ベルギー時間）、ブリヂストン イタリア エッセ ピ ア（BSIT）が保有するバリ工場を閉鎖することを決定しました。バリ工場は、1962年に操業開始した乗用車用ラジアルタイヤ(PSR)工場であり、主に汎用PSRを生産しています。なお、BSEUはベルギーのブリュッセルに本社を構える欧州統括会社であり、BSITはイタリアで事業活動を展開するBSEUの100%子会社です。また、操業停止時期は、2014年上期中を予定しています。

　近年の欧州経済不況の影響で、欧州におけるPSRの需要は、2011年から2012年にかけて約13%減少しており、第三者機関の調査によれば、2020年までに2011年以前のレベルに戻ることはないだろうとの予測もある状況です。さらに、汎用PSRについては、コスト競争力を強みとする新興国メーカーなどが大きくシェアを伸ばしています。

　一方で、ランフラットテクノロジー採用タイヤ、UHP（超高性能）タイヤ、ウインタータイヤといったPSR戦略商品の需要は堅調な伸びを示しており、BSEUにとっては欧州での生産品目を戦略商品にシフトしていくことが急務となっています。しかしながら、バリ工場は製造設備など生産面での制約から、汎用品PSRを主力生産品目とした工場と位置付けられており、こうした戦略商品への生産シフトは困難です。さらに物流費や光熱費が他工場と比較して高水準であるなど、コスト面において非常に厳しい状況にあります。

　バリ工場でも競争力強化に向けて様々な努力を行ってきましたが、前述の需要構造の変化や汎用PSRにおける新興国メーカーなどの台頭、物流費や光熱費の高コストにより、最終的に工場を閉鎖せざるを得ないという結論に至りました。

　同工場では約950人の従業員が就業していますが、BSEUでは従業員とその家族および地域社会に対する影響が最小限に止まるよう、協議と対話をしてまいります。

　なお、イタリア国内では、BSITがタイヤ生産の他に南欧の販売・マーケティング拠点として事業展開しているのに加え、ブリヂストン テクニカル センター ヨーロッパ エッセ ピ アが欧州における研究開発の中核の役割を担っています。これらの事業体については、引き続き当社グループの重要拠点としてイタリア国内での事業を継続し、今まで以上に高品質な商品・サービスの提供と地域社会への貢献を実現していきます。

＜ブリヂストン　イタリア　エッセ ピ ア概要＞

＜バリ工場概要＞